孤独死より「孤立して生きる」こそ憂うべき問題
4/19のNHK「ニュースウォッチ9」に出ました!
2回目の出演です。
テーマは「2040年の日本・増加する1人暮らし高齢者」です。2040年に高齢者となるのは今現在40代の人たち。以前と比べて40代から婚活にいそしむ人の数も増えています。
65歳以上の高齢者向けの物件だけを扱う東京・港区の不動産会社「R65不動産」についても紹介されていました。現在だと、オーナー側が孤独死を恐れて、高齢者に賃貸するのを躊躇しがちです。ですが、もはやそんなことは言っていられないわけです。少子化で若い人たちの人口は減るし、彼らの所得環境が好転しないから、親元未婚は増えるし、それでなくても供給過多の状況で、高齢者を受け入れない賃貸業はもはや成り立たなくなります。
そんなこんなで番組は進むのですが、僕の出番はオオトリで、以下のような内容を喋っています。
「誰もが1人暮らしになる可能性があることを念頭に社会と関わっていくことが重要。人生100年時代になると、結婚したとしても離別や死別でソロ(1人)に戻る確率はかなり高い。(頼れる相手が一人しかいないという唯一依存に陥らずに)依存先が複数用意できるかが本当の自立です」
番組では使われませんでしたが、そうした「自立」の反対の状態こそが「孤立」なんです。孤独死より憂うべきなのは、「孤立して生きる」ことの方なんです。
ちなみに、電話出演でしたが、過去「ニュース深読み」に出た時の映像が使われていました。キャプチャはDVDからなので粗いですw
一人暮らしや独身というと、どうしても若い人たちだけの話だと思いがちですが、2040年には64歳までの独身2900万人に対して、65歳以上の高齢ソロが1800万人になります。結婚してもしなくても、人生の最期は誰もがソロに戻るのです。
そんな時に大事になるのが、拙著「ソロエコノミーの襲来」のテーマでもある「接続するコミュニティ」を個々人が意識することです。血が繋がっている必要もなく、親友である必要もない。ゆるいつながりの中で、お互い様の精神で助け合っていく。それは、一人ひとりの負担量の分散でもあります。
番組の中では、76歳で妻に先立たれたおじいさんが、若い大学生と一緒に住居をシェアする生活が紹介されていました。学生とは毎日顔を合わせ一緒に食事をしたりしながら、半年~1年間一緒に暮らすようです。学生との同居は7人目にもなるし、その後の交流もあるらしい。
そういう「ゆるいつながり」がこれからは大事になります。定年後に、無理やり趣味を見つけるなんてことをするよりよっぽどストレスフリーです。
この件については、こちらの記事もお読みください。
ちなみに、この番組内容が丸ごと台湾のTVBSでも放送されていました。NHKとはコンテンツ提携しているんでしょうか?
台湾も対岸の火事ではありませんから。ホント、そろそろ台湾の人たち、僕を呼んでください! オファー、お待ちしています。