我々は市民です。実は、市民には、４つの責任と権限があります。

第１に、納税者として、自治体や官公庁の行政に影響を与える権利と責任があります。

第２に、有権者として、政治や立法に影響を与える権利と責任があります。

第３に、購買者として、企業（商品・サービスの事業者）に影響を与える権利と責任があります。

第４に、年金/保険金の積立者として、投資家に影響を与える権利と責任があります。

これらを合わせて、行政、政治家、企業、投資家への責任と権利を持っているのです。従って、行政、議員、企業、投資家を動かしているのは、市民であり、あなたである、という事実です。

だから、もし、これらの行政、政治家、企業、投資家が、よくない判断や行動をしているとしたら、それは、あなたがそうさせているのかもしれないということです。

行政、政治家、企業、投資家は、あなたを含めた市民の意向を無視できないからです。だからあなたには責任があります。行政や政治や企業や投資を動かしているのですから。

ここであまり意識されていないのは、購買者としてあなたは企業の判断や行動に強い影響を与えているということです。例えば、あなたが炭素を発する自動車をなくしたいと考えたとします。あなたが車を買う時に、炭素を出すものを避け、出さないものを選び、同じような人が多ければ、自動車メーカーは、脱炭素以外の事業判断をする道はなくなります（このようなことに向けて顧客同士で連携するのも、ネットを使えばお金をかけずに実現可能です）。逆に、あなたが、炭素など気にせず、ともかく安いものがいいとう購買行動をすれば、企業もそれに従うでしょう。

だから動かしているのは、購買者としてのあなたなのです。

さらに、企業は顧客であるあなたの意向に加え、投資家（すなわち株主）の意向を大事にします。ここにもあなたの意向が影響しています。

実は、この投資で動いているお金の大部分は、あなたが積み立てている年金や保険のお金です。投資家はお金持ちではなく、あなたの年金や保険金を運用している人が大部分なのです。

だから、あなたたち、市民の意向を投資家は無視できません。あなたのお金を運用している人たちなので。

投資家が、地球環境などお構いなしに、ともかく企業に利益を求めることで、企業の経営者はそれに従い、地球環境は悪化してきました。

しかし、これは、あなたが積み立てた年金を、ともかく利回りのよく投資して、地球環境などは気にしないでいいです、ということを（無言のうちに）求めた結果なのです。

あたなが、声をだすことはできます。その声が多数になれば、年金や保険金の運用をしている投資家たちはその意向を無視できません。あなたのお金を投資し、運用しているのですから。

政治家や行政については、有権者や納税者/住民として発言可能なのは当然です。

このような責任ある市民の社会が今後のあるべき社会の姿ではないでしょうか。このような市民を集まった社会が、私の考える「新しい資本主義」の社会です。

そして、あなたが責任を持つべきは、このようなパワーを発揮し、幸せな社会に近づけることです。