「ナレッジシェア」というブランド思想を込めたプロダクト開発
バレンタイン・ホワイトデーと1年間の最繁盛期の真っ只中です。この時期限定のプロダクトが続々トリリースしていますが、その中でも「Minimal Works」というシグニチャー商品を通して、ブランドの思想をメッセージとして商品に反映させるかを考えてみたいと思います。
プロダクトはブランドメッセージを伝えるツール
ブランドにおいて、プロダクト開発は非常に大切な要素です。
Minimalにおいては、プロダクトをお客さまとの“コミュニケーションツール”であると位置づけています。
つまり、プロダクトを、お客さまにメッセージを伝えるツールという側面を大切にしています。
チョコレートというプロダクトに関して言うと、食べて美味しいという事が一般的のプロダクトの価値になります。それ自体は主たるものとして、その裏側や食べる体験に情報やメッセージを込めるということを意図すると、ブランド運営上はプロダクトの持つ意味が拡がります。
ブランドのコアコンピタンスをメッセージとする
では、プロダクトにどんなメッセージを込めることが大事かというと、それはブランドがもっているコアコンピタンスではないかと思います。
こんなことを大事にしているブランドです、
こんな技術を持っているブランドです、
こんな価値を感じてもらいたいブランドです、
といった、ブランドがお客さまに提供しているコアコンピタンスを以下にプロダクトに込めて表現するかがプロダクトにメッセージを込めるということです。
Minimalでいうと、ブランドにおけるコアな価値は“人”です。
さらにいうと、Minimalの人が作り出すチョコレートというものがコアコンピタンスです。
Minimalはプロダクトを考える際に、どんな人のどんなこだわりを伝える商品化という事をとても大事にしています。
以下で実例を見せながら解説します。
ブランド側を主語としてつくる唯一の商品である「Minimal Works」
Minimalでは年に一度、チョコレート作品集である「Minimal Works(新作9種・18枚入)」というシリーズを発売しています。毎年異なるテーマを定め、カカオと砂糖で9種の味わいを表現しています。
今年のテーマは「ブレンド」。
Minimalが長年培ってきたカカオ豆同士のブレンドの奥深さを新作9種類のチョコレートとして表現して食べ比べて頂けます。
少し補足的に説明すると、プロダクトは基本的にはお客さまに向けてものであるのですが、この商品だけ主語をMinimalとしているのです。
商品名は「Minimal Works」です。
「Works」とは「作品集」と言う意味合いです。
これは、Minimalのチョコレート職人達が1年間の集大成として、新しく試したことや学んだ自分達の技術をチョコレートという作品としてお客さまにお届けするというコンセプトの商品なのです。
だから実はこの商品だけは主語が私達Minimalとなっています。
簡単なことのように感じるかもしれませんが、これはブランド側としてはなかなか覚悟のいる決断でした。
自分達の技術を高める事はもちろん、それをきちんと感じて頂き、恥じない商品を開発するという宣言に近く、その技術が追いついていない時には商品ができないというリスクを含んでいるからです。
実は、上記アーカイブにあるように、創業1年後の2016年バレンタインから同コンセプトをもった限定商品を始めたのですが、恥ずかしながらですが、その決断を自信をもち、「Works」という名前に変更したのは2019年なのです。創業から5年間たって、コアコンピタンスとしてこだわり続けてきたチョコレート製造の技術をお客さまに堂々と伝える決断をしました。
メッセージの込め方①:ナレッジをシェアするという思想でつくる
上記は「Minimal Works」の9種類の新作の1種類を解説したリーフレットです。今回の「Works」の全体テーマであるのは「ブレンド技術」です。
Minimalの職人達が培ったブレンド技術の違いで、どれだけ多彩で面白いフレーバーをつくり出せるかを食べて体感していただきたいという私達Minimalの思いやこだわりがメッセージとなっています。
上記のリーフレットページの真ん中の円グラフは、カカオ豆とお砂糖というシンプルな材料ですが、新鮮で多彩なフレーバーをつくり出すその配合をお客さまにシェアしています。
これは見方によっては、自分達の専売特許ともいえる技術を大胆に開示しています。
この辺はブランドによって思想が違ってくると思いますが、Minimalはブランドはお客さまとつくるモノという思想が根幹にあります。
そのため、「ナレッジシェア」というメッセージを今回の「Minimal Works」に込めました。
少しマニアックな説明ですが、円グラフをみると、このフレーバーをつくるために、3種類のカカオ豆と1種類砂糖を使って(これがフレンドの技術)、香料やフレーバーを何も入れていないにもかかわらず「青リンゴ」のような風味をカカオ豆から引き出しています。
更に、カカオ豆は、極浅煎りのタンザニア豆、浅煎りのタンザニア豆、そして、ペルー豆の3種類を21%。21%、18%と混ぜていることが記されています。
とってもマニアックですが(笑)、普段からこの程度に繊細にカカオ豆を使い分けていること、つまりは自社のナレッジを伝えています。
この配合に辿り着くまでの、創業から10年間のナレッジの結果、「青リンゴ」のようなフレーバーが実現されているのです。
プロダクトはできあがった味(=結果)を楽しんでもらうモノですが、そこに込められたナレッジの一緒にシェアすることで、お客さまに食べる以上の楽しみを提供したいと考えています。
メッセージの込め方②:プロダクトと体験をセットにする
プロダクトにメッセージを込めることができると、副次的に良いことがたくさん起こります。
1つ目は、プロダクトを通して伝えたいことが明確になるため、お客さまに価値を伝えやすくなります。
2つ目は、情報量を付加することできるため、豊かな体験をセットにできます。
上記2つをふまえて、「Minimal Works」では体験をセットにしています。
体験①:店舗での試食を通した食べ比べ体験
Minimalの旗艦店であるMinimal富ヶ谷本店は板チョコレート専門店です。
この旗艦店では、来店頂いたお客さま全員に2月3月は「Minimal Works」の全種類を試食いただくコトが可能になっています。
実際に商品のコンセプトやそれぞれの込めたメッセージを試食しながら、Minimalスタッフから説明を受けながら食べる体験をして頂くことができます。
体験②:体験型イベント
代表である私が登壇させていただき、90分間で「Minimal Works」を全種類食べ比べるイベントを実施しています。
実際に9種類を食べ比べるだけでなく、それぞれの作った際の考え方や、材料(ブレンドする前の材料のチョコレート)まで食べて頂くというフルコンテンツな体験をして頂くイベントです。
実際に参加者の皆様にも良いご感想を頂けています。
体験を通してより商品を理解して頂くだけなく、ブランド自体の目指す所や大切にしている価値観も伝えるとても良い機会となっています。
ちなみに3月も実施する予定なのでぜひお越しください!
ブランドにおいてプロダクトはお客さまとの最高のコミュニケーションツールです。
メッセージを込めてプロダクトをつくる事ができると、大事な要素である、「食べて美味しい」こと以上に、お客さまとの深い繋がりができるきっかけになります。
美味しいを追究しながら、プロダクトにメッセージを込めて、豊かな体験を伝え続けて行くという積み重ねがとても重要であると「Minimal Works」を通して毎年実感します。
ホワイトデー限定の特別施策_“全品送料無料”
Minimalはホワイトデーまで期間中、全品送料無料施策を行っています。
1年間で一番チョコレートが活躍する最後の時期、全力で頑張りますので、ぜひこの機会にお試しください!
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麻布台ヒルズ店のご予約は以下から↓↓↓
https://www.tablecheck.com/ja/minimal-azabudai/reserve/message
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