シリーズAで3人の子どもが生まれたCEOは、シリーズBに進みます
こんにちは、「良い景気を作ろう。」ログラスの布川です。
なんと本記事が1年ぶりの記事となりました。
株式会社ログラスは、7月31日にシリーズBで70億円の資金調達を発表させて頂きました。本資金調達で累計調達額は100億円となる予定です。
資金調達実現にあたり、お客様、投資家の皆様、弊社メンバー、応援頂いた全ての皆様に深く感謝申し上げます。本当にたくさんの方にご支援いただき、時には𠮟咤激励いただくこともございました。その全てが、今回の結果に繋がっていると思っており、心から感謝申し上げたい気持ちです。
今、日本は良い景気への転換点を迎えています。円安から円高局面への急転換、物価上昇、賃上げの流れに実態経済を追いつかせることができるのか?という極めて難しい問題に、少子高齢化という大きなハンデを持つ中で向き合わなければなりません。良い景気へ転換するために、私たちは必然的に資本効率改善や業務効率化・自動化、外貨の獲得への飽くなき挑戦に向かい続ける必要があります。
このタイミングで書く文章は、私の人生の中でも5本の指に入るような重要なコンテンツだと思っています。本来であれば、会社として目指す方向性や戦略、ログラスという会社が何に挑戦しているのかを詳細に描くことが求められているかも知れません。しかし、このタイミングであるからこそ、「良い景気を作ろう。」に3児の父としてどう向き合っていくのかを起点に、私個人としてシリーズAを振り返りながら、未来に向かうイメージを赤裸々に描きたいと思います。
後半に少しだけ、戦略的な話も記載していますので、そこだけ興味あるよという方はぜひ以下の目次から飛んでいただけたらと思います。
1児の父になり、さいたまへ
あまり個人情報を書くのもいかがなものかと思いますが、私は2021年以来、埼玉県に居住しています。おかげで、パートナーと私の両親の助けを得ることができ、日々感謝に堪えません。
2022年4月のシリーズA発表までの期間は、引っ越し・第一子の誕生・調達という大きな出来事が立て続けにあり、人生でも指折りの忙しい時期だったと記憶しています。
第一子の誕生後には1ヶ月の育休を頂きました。社長が自ら育休を取ることには沢山のメリットがあると、投資家の皆さまにも応援いただきました。
以前はこんな感じのPodcastにも出演いたしました。
まだまだ会社としては大変な時期でしたが、パートナーも人生初の出産を頑張ってくれた中で非常に大変な時期でもあり、育休を取る決心をしました。
慣れない家事、下手な沐浴、おむつ替え・・・何をやっても中々うまくできないという感覚を久しぶりに味わいながらも、周りの力を借りながら子供に向き合う時間をいただくことができました。これは本当にありがたかったです。
第2/3子の出産、理想のCEO像と家庭を両立する難しさ
その後、第2/3子が生まれました。 第3子は今年の4月に生まれたばかりなので、つい最近の出来事です。
4月頃は、まさにシリーズBのデューデリジェンスプロセス(投資家が投資判断のために行う、企業の実態調査)が佳境を迎えた時期でしたので、 「仕事も家庭も愛情表現も含めてできる、完璧な自分でありたい」という願いと現実のGAPがありました。
毎日際限なく発生するタスクをマルチにこなし、理想の経営とCEO像を追求しながら、子供の出産・育児に向き合うことが当時の私の器では全くやり切れず、正直悩みました。
やはり根本はスタートアップのCEOなので、
脳のリソースは99%仕事とミッションに使いたい
1秒も無駄にできないという強迫観念
育児もできる立派な人間でありたい
という矛盾したハイボールを自分に常に投げ続けていたと思います。
どのように課題を乗り越えたか?
仏教のエッセンス(自分を受け入れ、認める)
こうした日々つきまとう課題を解決するために、経営者向けのエグゼクティブ・コーチングを受けています。
その中で、思考法の1つとして学んだ"仏教のエッセンス"である「人は生まれた瞬間に完全である」という考え方に出会いました。
これは、常に自分を高みへ誘うインセンティブが働く経営者において、非常に重要な考え方であると私は捉えています。
解釈や宗派によって若干異なりますが、仏教では、人が生まれた瞬間に「完全である」ということを示す教えとして、いくつかの主要な概念があります。その一つは、仏教の基本的な教えである「仏性(ぶっしょう)」です。
仏性(ぶっしょう)
仏性は、全ての生き物が生まれながらにして持つ、仏(悟りの状態に達した者)になる可能性や本質を指します。この教えは、大乗仏教(特に禅宗や浄土宗など)で強調されています。仏性は、生まれたばかりの赤ん坊も含め、全ての人が内在的に持っているとされる特質です。
一如(いちにょ)
もう一つの関連する概念は「一如」です。これは、全ての存在が本質的に一つであり、分離することはできないという教えです。この観点から見ると、生まれた瞬間の人も、宇宙や他の全ての存在と同じく、既に完全であるという考え方です。
粗い解釈ですが、仏教においては全ての人間は生まれながらにして完全であり、高みに行きたい中で葛藤する自分さえも完全であることを前提に、"認めてあげる"ことが重要であるという教えがある訳です。ただ自信があるとか、自分が正しいと考えるのではない、1つ上の次元での葛藤を解釈する力がここから身に付き始めました。
仲間を信頼し、権限移譲を推進
こうした考え方を身に着けたとはいえ、私1人が働きまくる生き方には限界が来たことも事実です。これを受けて、権限移譲をこれまで以上に、積極的に進めていきました。
今年6月には組織改編を行い、事業本部制を採用することで事業執行の権限委譲を進めました。これにより、祖業である「Loglass 経営管理」をはじめ、既存事業は新体制での執行が開始され、私とCBDO斉藤さんは、新規事業開発に集中することが出来始めています。
また、シリーズBの資金調達は、2023年末に入社された伊藤駿さんにリードしてもらいました。投資家からの厳しいデューデリジェンスに対応し、国内外投資家の信頼を獲得することで、今回の資金調達を見事実現してくれました。
この実績を受けて、伊藤さんは8月から執行役員CFOに就任し、さらなる事業成長・企業価値向上に向けて動き出しています。
このように、自分が出来ないことを認め、パートナーや仲間と話し合い、心が集中できる先を見つけるまで、シリーズAの2年間をフルに使いました。
今回は記載していませんが、事業観点での悩みや失敗もたくさんありました。ここは最高のログラスメンバーと悩み抜きながら乗り越えることができたと思っています。だからこその今回のファイナンス実現があると思っています。
ある意味、私がこういった状況に追い込まれたからこそ、権限委譲が強制的に進んでいった部分もあると思っていて、ログラス全体にとっては成長の基盤が急速に整った2年間でした。
また、3人の子供に恵まれ、今は本当に幸せを感じています。
子供たちの世代に誇れる日本を取り戻すためにも、ミッション
「良い景気を作ろう。」の実現に邁進していきたいと思います。
シリーズAで3人の子どもが生まれたCEOは、シリーズBに進みます
こうして、七転八倒しながらも、お客様・メンバー・投資家のお陰でシリーズA期間では累計導入社数を6倍にする成長を実現し、予実管理SaaS/PaaS市場シェアNo.1を実現しました。
特にエンタープライズ企業のお客様が増加し、KDDI様・関西電力様・味の素様といった日本を代表する企業様にご利用いただけるケースが増加してきたことも大きな進歩と言えます。
今回のシリーズBでは、Sequoia HeritageとALL STAR SAAS FUNDを共同リード投資家として、70億円の資金調達を行います。本調達により創業以来の累計調達金額は100億円となる見込みです。
本ラウンドの特徴として、Sequoia Heritage/MITIMCo(米マサチューセッツ工科大学の資産運用会社)/Moore Strategic Venturesといった北米の機関投資家からのファイナンスを実現したことが挙げられます。この3社はVCではなく、機関投資家です。上場後も継続的に保有することが可能なクロスオーバーの投資家であり、長期目線で事業開発ができる座組みが今回のラウンドで組成できたことは非常に誇らしく感じております。シードラウンドおよびシリーズAラウンドのリード投資家であるALL STAR SAAS FUNDにも多大なる貢献をしてもらっており、非常に感謝しております。
ログラスのミッションは「良い景気を作ろう。」であり、冒頭にも記述しましたが、外貨を獲得し日本経済に還流していくことは当社としても挑戦したいことの1つでした。
現時点での当社の戦略としては、今すぐに海外展開を行うプロダクトがない中で、外貨を獲得する手段は資金調達だけでした。
国内投資家のみでラウンド組成することも実現可能ではありました。しかし、ミッション実現に加えて、厳しい目線を持つ海外の一流機関投資家から評価いただけるように動くことで、沢山の学びを得ることができました。
これからのログラス
今回のタイミングで、ログラスの課題解決コンセプトを設定いたしました。
コンセプトは、「データとAIの力で、経営のCLEAR BOXを増やす」です。
当社の祖業である経営管理領域はまさにBLACK BOXの代表格であり、多くの企業では経済産業省も指摘している「バケツリレー式経営」が未だに行われています。
これをCLEAR BOXに変えるためにデータベースやAI、各種アプリケーションを組み合わせながら、計画領域を起点にビジネスを展開することが当社の課題解決の基本コンセプトになります。
※以下スライド再掲
実はログラスの属している市場は急拡大を続けており、グローバルでは1.8兆円近くに成長していく想定であり、日本はCAGR21.6%という高いスピードで成長が見込まれ、2028年には570億円を超えると想定されている有望な市場です。この市場でNo.1になっていく存在こそがログラスなのです。
今後のプロダクト戦略
経営のCLEAR BOXを非連続に増やすための戦略として、短期・中長期のプロダクト戦略を改めて策定しました。
本戦略の概要については日本経済新聞にも特集という形で取り上げていただきました。
シリーズAに引き続き、計画領域を起点にしたxP&A(マルチ領域のPlanning & Analysis)を実現するためのマルチプロダクト戦略を展開します。第一歩として、今年の2月には新製品である「Loglass 人員計画」を提供開始しております。
中長期では、生成AIの活用を起点に、ERP(Enterprise Resources Planning)領域へパートナーとの提携や自社開発で拡張していきます。
良い景気を作るために、仲間が必要です
ミッションの実現のために最も有効な手段が採用です。
高いミッションを掲げ、最高の仲間を集めるだけで大抵の問題はクリアできると確信しています。
私たちは現在、ほぼすべての職種で求人を公開しています。
今回の資金調達に伴い、より積極的にカジュアル面談や採用イベントを実施していきます!!
本記事でも記述した通りですが、私自身も含めてログラスはまだまだ発展途上の存在です。累計100億円の調達は現在の実力ではなく、未来への期待値の結果でしかありません。これを実力に変えるべく、皆さんの力が必要です。ぜひご連絡お待ちしております。
カジュアル面談はこちらです!
長文をお読み頂き、ありがとうございました。
良い景気を作ろう。