イタリアの混乱を使ってリターンを稼ぐには
イタリアについては政情がこのまま安定するとは思えない。コンテ新首相がポピュリズムを標榜する中では、財政負担が多くなり過ぎることはそこにあるリスクとなりえる。
イタリアの10年債利回りは現在3%前後だが、再選挙が意識されるなど今後のスプレッドのワイド化圧力が高まれば、4%台に乗せる可能性はある。
バブル的な様相を呈する金融市場の中で、なかなか、リターンを狙える商品がない中、クレジットイベントをきっかけにスプレッドがワイド化すれば、投資機会になりえる。イタリアのような巨大国が仮にデフォルトリスク懸念に晒されるようなことがあれば、思わぬ投資機会にもなりえるかもしれない。
また、イタリアの債務問題がクローズアップされると、連鎖的な売りが生じることもあり得る。イタリア国債の売り圧力の高まりがスペイン国債の売り圧力につながる可能性があるということになる。しかし、スペインについてはイタリア程心配していない。というのも財政拡張を標榜するポピュリズム政党ではなく中道政権となる他、金融システム不安もイタリアに比べれば随分と沈静化している。モメンタムだけ見ればイタリアに比べスペインはよいにも関わらず、なんとなく売られている面がある、ということなのだ。だとすれば、スペイン国債は投資しやすいということになる。
リスクが高まることによって、投資し難くなるのは道理だが、だからこその投資妙味でもある。何が起こっているのかを観察する理由はまさにその投資妙味を嗅ぎ分けるため、に他ならない。