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VUCA時代に必要な「キャリア資産」のアセットマネジメント

お疲れさまです、uni'que若宮です。

今日は自身のキャリアを振り返って改めて感じる、「キャリア資産」のアセット・マネジメントの必要性について書きたいと思います。


「キャリア資産」を形成できているか

これまで、終身雇用が前提となっていて企業に寄りかかっていられた時代にはあまり考える必要はなかったかもしれませんが、これからのキャリアでは個人が「資産」としての考え方を持つことがさらに重要になってきていると感じます。

翌々考えてみれば、そもそも企業に所属していれば自分の資産のことを考えなくてよかった、というのが特殊な時代だったとも言えます。自分で資産を形成したり考えなくても「会社」がそれをやってくれていた。

たとえていうならそれはある種社会主義的でもあり、資産形成・運用を考えなくて良い一方で、本質的にはキャリア資産の生殺与奪が企業に握られており、自由経済的ではなかったと言えるかもしれません。とくに大企業では、転勤や異動、昇進を含め会社がキャリアを決めていたり、会社都合でのジョブローテーションによってその人自身にスキルが積み上がっていかない、ということもよくありました。

社会主義と資本主義にはどちらにもメリット・デメリットがあるように、企業による昭和型のキャリア形成がよくない、という一面的な話でもありません。しかし、それが成り立っていた頃と時代が変わっていることは事実なので、会社にまかせてその時その時でフロー的に仕事をこなししてしまうと気づいた時には資産がまったくない、ということが起こってしまうかもしれません。あなたは「キャリア資産」を積み重ねられているでしょうか?


「キャリア資産」形成のポイント

「キャリアの資産化」といっても、とくに特別な知識が必要なわけでもありませんし、それほど難しいことでもありません。

たとえば、以下の3つを意識するだけでもちがうと思います。

1)今やっている仕事で得られる「キャリア資産」はなにか?
2)その資産に流動性と希少性はあるか?
3)その資産は他にはどう生かせるか?

これをしていないと、キャリア資産は溜まっていってくれません。

まず「1)今やっている仕事で得られる「キャリア資産」はなにか?

これを少し意識するだけでもちがいます。たった500円の貯金でも意識していると気づいたらけっこう溜まっているように、同じ仕事をしていても資産化を意識するかしないかで数年経つと大きくちがうのです。資産化を意識できていないとせっかく仕事をしているのに「フロー的な無駄使い」になってしまい資産が形成されません。仕事が自分の資産ではなく人のための「作業」になってしまっていたり、よい経験が出来ていてもただ忘れ流れてしまうと「資産」にならないのです。


そして次に、「2)その資産に流動性と希少性はあるか?」を意識することも重要です。

資産の価値において重要なのは「流動性」と「希少性」です。「流動性」というのは簡単にいうと「人気があるか」ということです。人気のある株式や不動産は解体人が沢山いてすぐ売ることができるので価値が高いですが、ほとんど人がこないような山奥の土地は流動性が低いので価値が低くなりがちです。

ただここで気をつけなければいけないのは、人気があるものは供給量も多くなりがちで価値が下落しやすいという点です。人気エリアの高級マンションは一時期までは価格が上がっていくでしょうが、沢山マンションが建つといずれ下がってきます。同じように人気のあるスキルはそれを目指す人も多いので、いずれコモディティ化してし資産価値が下がるおそれもあります。


最後に3点目は、「3)その資産は他にはどう生かせるか?」です。

たとえばある場所に不動産をもっていたとして、それを何に活用するか?によって資産の価値は変わります。せっかくあった資産もそのままでは、遊休資産や不活用資産になってしまい価値がさがってしまいますし、逆にそうした資産も新たな用途をみつけて有効活用し、そこに人を引き付けられるようになれば価値は高まります。「資産」の価値はそれ単体で決まるのではなく、その活用や社会における位置づけ、そしてタイミングによって変わるので、有効活用できるように継続的にマネジメントしていく必要があるのです。


「キャリア資産」のアセットマネジメント

これからの時代、「キャリア資産」はただ貯まるにまかせておけばいいわけではありません。VUCAの時代と言われ、変化の早い時代です。一度形成した資産の価値の変動はこれまで以上に速く、大きくなってきています。かつては一度形成した資産は少なくとも人の一生分くらいは保ってくれたものですが、「キャリア資産」の価値変動のスパンはどんどん短くなっており、今では20年くらいしか保たれないという感すらあります。

だからこそ「キャリア資産」の「アセット・マネジメント(運用・活用)」がますます重要になってくるのです。

大企業に入れば一生安泰で、流して仕事をしていてもスキルを身に着けていかなくても年功序列で資産価値があがっていった、という時代は、たとえていうなら円建てで定期預金を組んでおけば金利で資産形成できた時代のようなものです。

しかし、今や大企業でも給与はおもったようにあがらず、賃下げやリストラが起こるような時代です。こうした時代には「大企業勤務」という「キャリア資産」は不良資産化してしまうかもしれません。

いわゆる「実物資産」と呼ばれる資産の方が価値の下落リスクが低いように、それでも「手に職」といわれるような内実のあるキャリア資産があればまだよいかもしれませんが、「〇〇という大企業でXX年働いている」というだけの実体のない資産は大きく目減りしてしまう可能性があります。資産価値が下落すると流動性も下がってしまって別の資産への組み換えは難しくなりますが、同じように「キャリア資産」が下落してからでは転職も難しくなります。

ですので、キャリア資産が「不良資産化」してしまう前に資産の組み換えや転用の準備をしておく必要があります。

「不良資産化する前に」というのが重要で、なぜかというと手持ちの資産が不良資産化してしまってからでは新しい資産に転換する余裕がないからです。

企業の資産でいえば「不良資産」とはたとえば、長期に回収できていない売掛金や使用・販売できていない在庫、有価証券やゴルフ会員券、未稼働の設備や不動産などがありますが、不良債権は収益を生む可能性がほとんどありませんから、資産の大半が不良資産になってしまうと手の打ちようがありません。

キャリア資産でいえば、スキルや職歴もこれに当たります。今持っているスキルに価値があり、それでまだ収入が得られており余裕があるうちに、次のキャリア資産を形成したり転換していく意識が重要なのです。

すでに述べたようにいま人気のあるスキルは流動性が高いですが、やがて供給過多になりコモディティ化する可能性もありますし、時代が変われば機械によって不要となる可能性もあります。

就活のいわゆる勝ち組(人気企業に入れたり年収の高い人気の職種に就けた人)はたしかに”いま現在のキャリア資産額”としては高いスタートになるかもしれません。しかし、現状の資産額を過信しているうちに資産を食い潰してしまったり、資産価値を高めることを怠り気づいたら資産が目減りしていってしまうことが結構ある気がします。

現在持っている資産で食えているうちに、新しいスキルや経験との掛け算で希少性を高めたり、新たな資産として資産価値を高めるチャレンジをした方がよいのです。そして余裕があればこそ、目先の利害でなくまだ資産になるかわからないようなことに投資することもできるのです。


「キャリア資産」は失敗では目減りしないからチャレンジしよう

最後に一つとても大事なことですが、自分のキャリアの経験から言ってもキャリア資産は基本的には失敗しても積み上がっていくと僕は考えています。既存のスキルを活かして新しいチャレンジをした場合、それがたとえ失敗しても「挑戦し失敗したからこそ得られる学び」というキャリア資産が積み上がります。

価値変動の早い時代には、既存の資産を大事に「たんす貯金」して、運用・活用しないことが一番のリスクかもしれません。

もちろん、チャレンジして失敗すれば「経済的な資産」を失ってしまうリスクはあります。なのでチャレンジといっても、失敗したら経済的に破産しかねないような「大博打」をする必要は必ずしもありません。

むしろ「キャリア資産」を転換するためのチャレンジは、「大博打」ではなくあなたが日々取り組んでいる仕事やボランティア的な活動の中でも可能です。まずは「会社まかせ」や「作業」にせず、「キャリア資産」の形成の意識をもって仕事に取り組んでみましょう。そしてその上で「今ある資産」をさらに運用・活用するチャレンジを考えてみましょう。


とくにいま「勤め人」をやっている方はほとんど「経済的資産」を失うリスクなくチャレンジが可能なはずです。過去の資産を運用・活用し増やすためのチャレンジを今日からしてみませんか?

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