これからの人材活用 〜「スマート経営」のすゝめ
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これからの人材活用 〜「スマート経営」のすゝめ

こんばんは、uni'que若宮です。

6/28にこのようなコミュニティイベントがありました。

僕が「タレント社員」という謎の肩書きで社員をしているランサーズでも、いま「#採用やめよう」というキャンペーンを展開していますが、

また、弊社uni'queでも複業人材の活用で事業を伸ばしており、これからは社内人材もしくはいわゆる「正社員」だけでなく、プロジェクトベースで適材適所に外部の人材を積極活用していくことが求められると考えています。


なぜこれからは外部人材を活用すべきなのか?

「大副業解禁時代」といわれる現在、僕の周りでも企業に勤めながら複業を始めたり、退職してフリーランスになっていく人材が増えています。また、子育て中のママがフリーランスとして活躍している事例も増えています。

あのトヨタですら「終身雇用を守れない」と発言し、その一方で金融庁が「老後資金は2千万必要」という発信をして大きなニュースになりました。こういった社会背景の中、固定した企業からの給与だけでなくプラスαの世帯収入を求めるのは「働く側」の心理として極めて自然な流れでしょう。

そして、この働き方の多様化の傾向は、特にスキルが高い人ほど顕著になってくるでしょう。スキルがある人ほど、そのスキルを活かして新しい収入を得たいと思うはずだからです。

この流れが加速すると、フリーランスやパラレルワーカーのような外部人材市場の方が、優秀な人材に出会える確率が上がる、ということも起こってくるでしょう。

このように「働く側」ではすでにスキルある人材が働き方を多様化しはじめているのに比べると、「雇う側」の外部人材活用はまだまだ進んでおらず、これからではないでしょうか。


外部人材を活用することがなぜ「スマート経営」なのか?

僕はこういった外部人材の活用を「#スマート経営」という言葉で呼んでいます。外部人材を活用すると何が「スマート」なのか?

昨年の下期に全国各地で「ランサーズなどクラウドソーシングを活用している企業」が集まるコミュニティイベントを10数回にわたり開催しました。コミュニティイベントではランサーズを始めとしたクラウドソーシングサービスやフリーランス、パラレルワーカーの活用を実践している各地の先進企業をスピーカーに招き、企業同士でその事例を共有し交流してもらいました。


その中でわかってきたこと。それは外部人材を活用できている企業は柔軟な人材戦略で地方都市でも成長できている、ということです。

ベンチャー企業でも同じ課題にぶつかる企業が多いですが、地方都市の企業や中小企業は大きく2つの課題を抱えています。それは①外注問題②人材問題です。

特に②人材問題が大きな課題で、僕も実家が青森県で住宅メーカーを営んでいるのですが、地方では採用がそもそも大変で、条件を下げて採用しても、育成したそろそろ戦力になってきたかな…という頃に辞めちゃう。これをひたすら繰り返してるうちに「こんな無理ゲーやってられるか!もういい!いる人でやれる規模でやるしかない!」みたいな感じになってしまいます。

そんな中、先進的に外部人材の活用に取り組んでらっしゃる企業の事例を聞くと、地方企業が東京のメガベンチャーで働く腕利きのエンジニアに開発をお願いできたり、ニッチな外国語の翻訳や特殊なイラストデザインなど地元では採用が難しい人材にも仕事を発注できている。こういう人材を採用しようとしたらこれは凄い大変ですし、かつ常に必要かというとそうでもないので、必要な時に必要なだけ仕事を依頼できる方があきらかに「スマート(賢く、贅肉のない)」です。

例えていうなら、10年前くらいにAWSなどクラウドサーバのサービスが入ってきた時、自前サーバを持っていた企業は「クラウドサーバってお金がない企業がやることだよね、てかセキュリティとか大丈夫なん?www」みたいな感じだったのが、今となっては逆転し、分散型でトラフィックを柔軟に捌けるクラウドサーバの方がむしろスマート、という風に逆転したのに似ています。

「クラウドソーシングって安かろう悪かろうでしょ?」というイメージをもっている方もいるかもしれませんが、前述のとおりすでに正社員>協力・派遣社員>外部人材という序列は変わってきつつあります。上下の序列というより業務によっては外部人材の方が適していたり、優れたパフォーマンスを出せるケースも多いのです。


外部人材活用で離職率0%に!?【ガイアックス重枝義樹さん】

さて、今回コミュニティでスピーカーをしていただいたガイアックスさんも外部人材の活用にかなり以前から取り組んできた先進企業です。その実例は経産省の「雇用関係によらない働き方」に関する研究会でも取り上げられています。


ガイアックスさんでは、正社員、業務委託社員、クラウドソーシングでの外部人材の3つに人材クラスタをわけ、それぞれに適した仕事の割り振り方をしているとのこと。正社員には顧客の課題解決や会社の戦略に関わるような抽象度が高い仕事を優先してもらい、具体的・専門的な仕事やルーチンワークはなるべくアウトソースするようにしているそう。

重枝さんは言います。

「仕事には2種類あり、顧客の課題解決のような抽象度が高い思考が必要な仕事と、事例収集や資料作成のような具体的に手を動かす仕事。顧客の課題解決は集中して取り組まないと問題が解けない。2種類の仕事が混在し、差し込み仕事で中断されるとスイッチングコストも膨大。そこをアウトソースすることで社員は顧客の課題解決に集中できる。」

離職率の高さは仕事量そのものというより、やるべき仕事に集中できない、という阻害ストレスが原因だったのでしょう。集中できるようになって離職率が劇的に下がり、以前は30%あった正社員離職率が0%になり、売上が5倍になったと言います。しゅごい。


もちろん、ガイアックスさんもいきなり外部人材の活用がうまくいったわけではないそうです。

たとえば「外部人材へのアウトソースを推進しよう!」と号令をかけても、社員はやはりどうしても自分で仕事をこなしてしまいがちです。この意識を変えるため、なんと各社員に「月に20時間は必ずアウトソースする」というルールを課したとのこと。最初は強制的にでしたが、徐々に仕事を分解して考えるようになり、アウトソースできる範囲がわかっていったのだとか。そう、やってみるとできるようになるんですよね。

また、「外部人材は下請けではなく、コミットの仕方が違うパートナーである」とうのをモットーにしていて、外部人材にもできるだけ情報開示をしたり面談などコミュニケーションを密に行っているとのこと。

こういった工夫を積み重ねることで、仕事の種類ごとに社員、業務委託、外部人材それぞれがベストパフォーマンスを出せる状態になり、結果として業績が伸びたわけですね。外部人材活用というと「コスト削減」の話かと思いがちですが、最適化することでパフォーマンスがあがり、売上が増えるというのが注目すべきポイントかと思います。


外部人材活用で働き方改革【EPARKグルメ山下和彦さん】

続いてEPARKグルメ山下さんのお話、EPARKグループでは働き方改革に積極的に取り組んでおり、不要な残業を極力しないようにしているそうです。

大企業のマネージャーをしている方は経験があると思うのですが、「働き方改革」がいわれる昨今、残業時間の管理は全社的要請となっています。とはいえ、仕事の量を減らせるわけではありませんのでリソースの配分や業務時間の管理に頭を悩ませているマネージャーは多いでしょう。こういう時、外部人材へのアウトソースをうまく活用すると社員の時間に余裕ができるのです。


EPARKグルメの前にはコンサルティング業界で働いていた山下さんは、非常にロジカルにリソース効率化を進めていらっしゃるのが印象的です。

まず山下さんは、①仕事の現状の「可視化」から始めます。例えば営業担当の仕事を時間単位で見える化してみると、資料づくりなどに追われ、外に出れていないことがわかったといいます。

仕事が見える化されたらそれをプロセスごとに②仕訳し、③分解します。そうすると一つながりに見えていた仕事の中にも部分的に外部にアウトソースした方が良い仕事が沢山ありました。これをアウトソースすることで年間100万円を超えるコスト削減効果が得られ、そしてより重要なことには年間数百時間の社員の時間が創出できたのだそうです。

山下さんはいいます。

これからのマネージャーに求められるスキルは「演出」。仕事によって誰をキャスティングして、どういう組み合わせをすれば会社としてベストなパフォーマンスができるのか、それをアレンジするのがマネージャーだ。


すぐれたマネージャーはチームのパフォーマンスがベストになるようにプレイヤーの力を引き出します。これからは、社内人材だけではなく外部人材もプレイヤーとの選択肢に入れて最適な「演出」をしていくべき、と言えそうです。


もう「スマート経営」へのパラダイムシフトは始まっている

お二人の話に共通するのは「外部人材の活用は単なるコスト圧縮ではなく、適材適所で会社のパフォーマンスを最大化すること」だということです。本来社員がやらない方がいい業務も社員が全て抱えて疲弊したりストレスになってしまうことはよくあります。仕事を分解し、外部人材を含めて適材適所にリソースをアレンジしていく、それによってより筋肉質で柔軟性の高い企業になり、成長することができるのです。

最後にもう一つ、ガイアックス重枝さんのコメントで印象に残ったことがあります。

「外部人材活用はこれから、というのが今回のイベントの主旨だが、実は自分たちの周りの企業ではすでに外部人材活用がだいぶ進んでいるそうするとこの先、外部人材の取り合いになることが予想される。そうなった時、外部人材に「選んでもらえる企業」はフリーランスやパラレルワーカーとの仕事の進め方や活かし方を知っている企業だ。早めにこのスキルをつけておかないといざ外部人材活用をしようと思った時、フリーランスやパラレルワーカーに選んでもらえない」


弊社uni'queもいち早く「複業」に振り切って取り組んだことでハイスキルなメンバーにjoinしてもらうことができていたり、Work story Awardでイノベーション賞をいただいたり、日経ビジネスをはじめ各種メディアに取り上げていただいたり、テレビ番組で特集をしていただいたりなど広報効果も得られています。

「first-mover advantage」とよくいいますが、パラダイムや世の中の潮目が変化するときには、そこにいち早く取り組み、ナレッジをつくって発信していく企業がもっとも多くメリットを享受し、成長することができると思います。


すでに「スマート経営」へのシフトは始まっています。今後も1ヶ月〜2ヶ月に一度のペースでコミュニティイベントを開催していきますので、経営者や企業の人材戦略を担う方は、ぜひ一緒に「スマート経営」に取り組んでみませんか?


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若宮和男 (男性起業家uni'queCEO / アート思考キュレーター / ランサーズタレント社員)
東洋経済「すごいベンチャー100」uni'que CEO、 ランサーズタレント社員 (最近の興味)編み物としての建築←コアバリュー、アート思考、新しい働き方、新しい教育 ←DeNAで新規事業 ←NTTドコモで新規事業 ←美学藝術学研究者 ←アート・音楽イベント主催 ←建築士