待っていても「出会い」はデリバリーされない。デリバリーするのは自分自身の方だ。
毎年、厚労白書が出るたびに、メディアは少子化・未婚化と絡めて「結婚したい人は男女とも9割いるのに、結婚できないのはなぜだ?」説が出てきて閉口するのですが、何度も言い続けている通り、それ事実と違う。そんなに結婚に前向きな奴はいません。
結婚に前向きなのは、せいぜい男4割、女5割程度しかいない。これは30年間ずっと。厚労省自体が発表している(正確には社人研)出生動向基本調査を見ればちゃんと書いてあるのに、なぜか新聞やテレビなどのメディアはその事実を無視、隠蔽します。
新聞やテレビの報道を鵜呑みにしてしまうおじいちゃん・おばあちゃんはそれを信じてしまうから、「うちの子(または孫)は大丈夫かいな」などと変に気をもんでしまうのですよ。
おじいちゃんもおばあちゃんも一度手を胸に当てて、自分が若い時そんなに結婚したかったかどうか、思い出してみてください。「結婚しないと社会的信用がない」とか「結婚しないと出世できない」とかの圧力や、恋愛経験もないままに、なんだかわからないうちにお見合いで結婚とかも多かったでしょう。
そんな中、ちゃんと事実に即した記事もあります。新聞じゃないけど。
後半はさておき(後半の定性調査は少しアッパー系の人ばかり取り上げていて、マーケティング業界では最近ポンコツ扱いされている手法「ペルソナ」と同じなので、まあ、そういう人もいるよね的な参考事例程度に見ておくべきでしょう)、前半の定量調査部分は正しいと思います。
この調査によらずとも、前述したとおり、「出生動向基本調査」でも僕が主催する研究所の調査でも、34歳まで未婚の女性で「結婚したい」と前向きなのは5割程度に過ぎません。男が4割なのも一緒です。
そんな中、また、マスコミの「結婚したい人多い」キャンペーンが高知でも。
どういう聞き方したのかわかりませんが、18-24歳男女ならいざ知らず、35歳以上で8割も結婚したいというのはあり得ない。
百歩譲って、仮に、これが正しいとしても、未婚の理由が「適当な相手にまだ巡り会わないから」が35歳~39歳で75.5%にのぼるということなんですけど、「適当な相手に巡り会えさえすれば結婚できると思ってんのか?」と言いたい。
これ、限りなく自己中心的な発想で、自分がいいなあと思ったら相手は受け入れるはずとでも思っているんでしょうか?
おめでたいことです。
「出会いがない」と言い訳をする人はたくさんいますが、思春期の中学生じゃあるまいし、出会った瞬間に電気が走るような漫画みたいな出会いなんてそうそうない。あと、不都合な真実を言えば、「一目惚れ」してそれが付き合うまで発展できるのは、3割しかいない恋愛強者だけの特権です。7割の弱者の「一目惚れ」なんてほぼ100%片思いです。
そもそも、じっと待っていて、出会いなんかあるわけない。
県は4年前から、会員登録した独身の男女が1対1でお見合いできる婚活システムを運用していますが、まだ認知度が低いことから、PRの強化に努めるとしています。
別に、高知に恨みはないし、一生懸命やっている人をけなすつもりは毛頭あれませんが、残念な事実だけを言えば、高知は西日本の中で婚姻率最下位です。全国最下位の秋田といい勝負。
もし本当に高知県民で結婚したいと思うなら、少なくとも20代のうちに一度高知から脱出して、東京へ行くことをお勧めします。県内では難しいです。
年齢的なことを言えば、本当に結婚したいなら、男女とも34歳までに相手が見つかっていないならもう無理だとあきらめたほうがいいです。そりゃ、35歳、40歳すぎてから初婚する男もいますが、それは例外です。あなた自身が例外になる確率は1%もないのです。
あわせて居住地も大事です。勘違いしている人多いのですが、実は東京は未婚者も多いけど、それ以上に20代の未婚男女が全国から集中するので、東京の婚姻率はずーーーーっと全国1位なんですよ。
ぶっちゃけ都会じゃないと若者はいない。地方で「出会いがない」なんて当たり前なんです。
結婚しやすいところ=福岡という話もあります。確かに、福岡は九州及び中国四国地方の女子仕事によって転入してくるので、若い未婚女性率が高い。しかし、一方で、九州でモテるのは、ある意味オラオラ系の男らしさを持っている男、たいして稼いでなくても根拠のない自信を持っている男(全然収入とか低いのに、「俺がお前を必ず幸せにしてやる」と言い切れる男とか)なので、そういう男性じゃないと難しいでしょう。
「出会いがない」といいつつ、ちっとも行動しない男が多い。「出会い」はデリバリーされない。自分自身をデリバリーしないと始まらない。
恋愛も結婚は、強い意志とか気合いでなんとかなるものではありません。ましてや、恋愛工学の本なんか何百回読んだところでなんともなりません。詐欺師の養分になるだけです。モテコンサルの話も無駄。恋愛コンサルなどと名乗る相手は完全シカトした方がよいでしょう。
よく考えてほしいのです。雨後の筍みたいなそういう輩がたくさん出てきて、商売として成り立つのは、「いつまでたっても恋愛できない奴らが大勢いないといけないから」です。そんなのとマトモに向き合ってなんとかなることなんてありえません。
意志なんかより、学習なんかより、環境を変える方が大切です。
未婚男性の職業を見れば一目瞭然です。一日のうちの少なくとも3分の一以上の時間を過ごす職場環境は重要です。結婚できる職業とできない職業があるのはそういうことです。
男性の未婚が多い職業は、いわゆる「ガテン系」「肉体労働系」に集中していますが、逆に結婚しやすいのは「事務系」「販売系」です。今はどうか知りませんが、1990年代までは、デパートやスーパーなどの販売系の男は、モテます。なぜならそこで働く人の男女比が圧倒的に女性の方が多いからです。本人がモテているわけではありません。相対的に希少価値が生まれるので、そうした環境によってモテているだけです。
悪いことは言わない。地方出身者で本当に結婚したいと思うなら、18歳から東京など都会に出て暮らすべきです。女子の多い小売業や飲食店などでバイトしておくべきです。そして、少なくとも34歳までに3人と恋愛経験をしておくべきです。最初から結婚相手を探すつもりだからおかしなことになる。3人と付き合えれば、どこ行っても大丈夫です。
その原理法則についてはこちらで説明しています。
東京行っても、34歳になっても一人も相手がいないなら、もうどこに行っても、何やっても無理です。
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。