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副業の光と闇 - 実体験を話してみます

COMEMOで副業について「ご意見募集」が出ていたので乗っかってみます。

私は2011年にヤフーにデザイナーとして新卒入社し、5年間ほど働いた期間のうち2012年〜2016年の4年間は副業生活をし、その後副業としてやっていた作家業に本業として専念すべく独立して今に至る…という感じなのですが

副業に関しては完全に肯定もしないし否定もしない、というスタンスです。自分の実体験に依存している内容ではありますが、良いところも悪いところも含め自分の見解を書きなぐってみます。

※当時20代半ばだったので、それぐらいの年代の方に特化した内容になっていそうですが…

下積み期間に腐らなくてすむ、社会人として早期から様々な経験が積めるのはメリット

規模の大きな組織だと特にそうだと思いますが、新入社員が入社してすぐに裁量を持ってプロジェクトを推進できるとは限りません。

せっかくやる気も体力も有り余っている新人時代、ややもするとその状況に腐ってしまう人もいるかもしれない。

そんなときでも個人として小さな規模でプロジェクトを立ち上げて推進することで、自分の力をくすぶらせず、また様々な業種の人と関わり経験を積めるのはメリットでした(ある意味自主的なOJTともいえます)

個人の副業レベルの小規模なプロジェクトなら失敗しても大した損失にはならないので、積極的にチャレンジして積極的に失敗をし、場数を踏みやすいという良さがあります。

精神的な逃げ場になる

また、いつも順風満帆とは限らないサラリーマン生活、精神的な逃げ場があるのも良いものでした。個人で実績と人脈をつくることで、会社内での人間関係や仕事に追い詰められすぎず、「最悪何かあってクビになっても生きていけるな」という実感がある上で働けるので、逆にのびのび自由闊達に働きやすくなった実感がありました。

利益度外視で好きなことがやれる

今の自分がそうなのですが、本業にしそれで生計を立てるとなると何事もついて回るのがゼニです。

何をするにも費用対効果を計算し、マニーにつながるかどうかを考えないといけなくなる側面があるのですが、副業で活動をしている場合には安定した給与所得があるので儲かるかどうかは度外視で純粋にやりたいことができるのは良かったなと思います。

続いて副業の「闇」の部分について語ります。

ただ、いつまで経っても「副業」にしてるのは中途半端、ある一定ラインからは本業としてコミットした方が伸びが大きい

副業だとやはりやりたいことに対して細切れ時間での半端なコミットになるし、本業にも全く支障が出ないといえば嘘になるし、一挙両得のようで実は両方中途半端になってしまう懸念はあります。

本業としてひとつの軸に注力した方がなんだかんだ発展は大きいので、副業としてやっていることがある程度グロースしてるのに会社にいる知人を見ると「貴様いつまでリスクをとらずに中途半端にやってるんじゃオラァ」と問い正したくなる気持ちはあります(かつての自分がそうだったので同族嫌悪もあると思いますが…)

妻子がいて奥さんが専業主婦で一家の大黒柱で……という場合は確かにやむを得ない感はありますが、副業での知名度が向上しており守るべきものもその時点であまりない同世代の知人に対してはゴリゴリ背中を押しまくっています。

体力的な厳しさ - 会社がホワイトでも「ひとりブラック企業」状態に!?

あとこれはシンプルな理由ですが体力的にもメッチャきつい。若い頃はいいけれど、アラフォー、アラフィフで本業の傍らで副業するのはめちゃくちゃ健康でタフで筋肉ムキムキな人じゃないと大変そうなイメージあります。

副業時代は土日に副業でモリモリ稼働したあと休む間もなく月曜出社をしていたのですが、今思えば「ひとりブラック企業」「ひとり超連勤」状態になっていました。勤務先はホワイト企業だったのに……(私はさほど体力ないうえ慢性的に睡眠不足で、カフェインでの眠気覚ましとアルコールでのストレス発散で騙し騙し生きてました)

元気が有り余っている若者は良いですが、体力がないと厳しいです。副業を本業にしてようやく人間らしい生活ができるようになりました。

給与を出す側はやっぱり複雑なのでは

私も今は給与所得ではなく、個人事業主としてどうにか仕事とゼニをマネジメントして生きているのですが

もし自分が会社を作って、固定給を社員に出したとして、正規の労働者として安定と様々な権利を得ている正社員が本業にフルコミットしていなかったとしたら、内心穏やかでない気持ちになりそうだな……という気はします。

がっつり本業にフルコミットしてる人と副業してる人、どちらを昇給させるかと考えると前者を選ぶのが人情かも……よほど本業で成果が出せていれば別ですが。

経営者側が相当度量が大きくないと、もしくは副業可にするメリットが納得できていないと、副業をする従業員側が本業を疎かにしないという意思表示ができていないと難しい側面はあるかもしれません。

また、副業をしている側が、副業で得た知識なりスキルなり知名度なりを本業に積極的に繋げる試みをしている場合はポジティブに捉えることができそうです。

(ただ、あまり給与が高くなかったり経営が不安定だったりした場合、逆に『みんな、給料あげられないし一生会社で面倒見きれないから自分でリスクマネジメントしといてね〜』という意味で副業可にするかも……あ、今の日本社会全体がそういう状態だから副業解禁の流れなんでしたかね……)

© etsuko_ichihara

本題とはあまり関係ないですが、副業時代に制作していた「セクハラ・インターフェース」の画像を貼って失礼します。真面目に会社員として働きながらフザけたデバイスを開発するのはなかなか楽しかったです。

http://kai-you.net/article/619

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市原えつこ(アーティスト)
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