プログラマーではない社会人に、統計ソフトの教育を行ってみた!
毎日のようにデータ、データサイエンスの記事が溢れる
この1年間、COVID-19、コロナ感染症の影響で、私たちは毎日の報道で、データを見る。これほど、データやデータを視覚化したグラフを見た1年間はないだろう。
そして、データをこのように視覚化して「観察」した方が、様々なことを考えることも経験した。今も、いくつかの報道番組では、データを表で見せているが、実際には数値だけの「表」より、形のある「グラフ」にした方が、増加・減少やその角度が、直感的にわかりやすい。そのなことを、経験した1年間だった。
データサイエンティストは人材不足
とこで、データをわかりやすい「グラフ」にする。関係のあるデータを一緒に並べて「分析」するのは、データサイエンティストの仕事であるが、日本ではなかなか数は増えない。
以下の、Googleが提供しているようなCOVID-19の感染者予測は、予測モデルの議論は尽きないものの、モデルづくりと予測は、一般的なデータサイエンティストならばできるが、実際には仕事に余力がなく、日本ではあまり多くのモデルは登場しない。
余力がないとは、日本におけるデータサイエンティストが、少ないという背景もある。
だったら、教えてみよう
ということで、私が講義を行っている事業構想大学院大学の「データサイエンス」の講義で、今年は野心的な授業を行っている。プログラム経験の少ない学生(多くは社会人)に、統計プログラミングソフトである、「R」を教えるという授業である。
多くの学生は、プログラミングを行ったこともなければ、当然プログラミング言語を、パソコンにインストールしたことがない。そして、今年の授業の多くは、Teamsを使ったVideo講義である。「RをWebサイトからダウンロードして、自分のパソコンに展開して」という指導も、対面ではないので、最初は戸惑った。
基本的には、上記の私のWebサイトにソフトのダウンロード場所などはまとめているので、簡単なのであるが、多くの社会人は自分のパソコンにソフトを自分でインストールする経験もほとんどない。
しかし、Teamsで講義を行っていることで、救われることも多い。なんと、学生のパソコンのデスクトップを、こちらでも見れるのである。困ったり、悩んだりする学生のパソコンを、離れた場所から指導できるのは、ある意味新鮮であった。
結果、授業の中で、Rのプログラミング演習を、3回ほど、行っているが、多くの学生に楽しんでもらっていると思う。
この授業を行うことで、私が学んだことは、日本でデータサイエンティストが増えない大きな理由は、多くの人がデータサイエンスを行う環境について知らないからなのかもしれないということだ。誰でも、自分のパソコンで簡単なデータサイエンスができることを知れば、実務の現場でデータサイエンスを行う人は増えるのではないかと感じた。
高校の選択科目になる、データサイエンス
プログラミング経験のない人に「R」を教えることには、周りから、事前に多くの賛否両論が聞かれた。しかし、勇気を与えてもらったのは、2022年から高校の選択科目の「情報II」の講義の内容である。
この「情報II」には、「データサイエンス」が授業内容に加わり、演習では「R」のような統計ソフトの利用も含まれているのである。だったら、社会の先輩である、私たちが統計ソフトに触れても問題ないだろう。そのように考えた。そこで私は、今回野心的に講義を行ってみた。そして、今も行っている。
この1年間、私たちは今まで以上に、科学と向き合った1年間だったと思う。そして、これからも、私たちの政治、経済、生活では、科学と寄り添い続けるだろう。そう考えると、「データサイエンスを広めることは、重要なのだ」と、自分に言い聞かせながら、日々学生と向き合い、これからも向き合おうと考えています。
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