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多様化する働き方と、多様化するワークスペース。溶けはじめた、職住の壁。

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

ウィズコロナ時代が本格化してくる中、在宅と出社を併用する「ハイブリッドワーク」という言葉も注釈なしに使われることを見るようになりました。週3日は出社と決めて残りの2日は働き手が選択できるようにしている会社や、原則在宅だがオフィスはフリーアドレスとして来たいときには使えるという会社など、様々なポリシーで運用されているようです。

私自身もいまは週3日を出社として、あとはその時々に応じて行くときもあれば、在宅でやる場合もあります。

これが実現できるようになったのは、作業に必要なスペックを持ったPC、十分なスピードのインターネット回線、そしてクラウドによるドキュメント作成・管理など業務ツールのオンライン化が大きく寄与しています。

その最先端をいくIT企業では、居住する場所を大胆に変更する社員も出てきているようです。

働く場所を自由に選べる「どこでもオフィス」も拡充している。海でも山でも好きなところからテレワークできる制度だ。20年には、従来の月5回という利用回数の制限をなくし、今年4月からは「午前11時までに出社できる」という住む場所の条件や、交通費の片道上限も撤廃した。

同制度を使って、北海道や沖縄県などに移住する社員も出てきた。週休3日と組み合わせれば、さらに働き方の選択肢は広がるはずだ。

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こうなってくると、1日の中での働き方にも変化が出てきます。要するに出先で個室とインターネット回線さえ確保できれば仕事ができるわけですから。

ドロップイン(都度利用)ができるコワーキングスペースも各地に増えてきましたし、漫画喫茶などもワークスペースとしての利用に力を入れ始めています。会議が中心の場合はやはり静かな個室が理想的ですが、コワーキングスペースでは一人用の個室がない場合が多くて困ることもあります。

最近わたしがよく見ているのが、スペースマーケットです。時間単位で借りられ、サブモニターなども整備されている部屋が多く掲載されています。

どうしても見たい展示があるが、仕事が終わってから移動したのでは間に合わない。そんなときには昼休みの間にランチを食べながら会場近くまで移動してしまい、最寄りのワークスペースを予約して仕事をする。このような働き方もできるようになりました。

また、同じ理由で関西方面から仕事をしたときもあります。そのときには阪急が運営しているONSというワークスペースのお世話になりました。15分単位で利用でき、顔認証で個室が解錠できるため非常にスムーズに利用することができました。設備も整っていて仕事もはかどりました。

電鉄系の会社は通勤需要の回復がコロナ前の水準までには戻らず、なかなか苦戦していると聞いています。その会社も「非鉄道」の収益化を模索しており、駅チカ・駅ナカのスペースを活用した取り組みを加速させているようです。

JR東日本がテレワーク向けサービスの多様化を進めている。山手線の駅などに設置する個室ブースで電子書籍を使って勉強や読書などができるオンラインサービスの実証実験を始めたほか、睡眠用のブースも駅構内に導入した。鉄道の通勤需要が回復しないなか、働き方の変化をとらえたサービスで成長を目指す。

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それ以外にもこれまで騒音などにより人気がなく活用できていなかった高架下についても、住居やホテルにする街づくりが加速しています。

住宅性能の向上や防音対策により、それほど気にならないレベルにまでコントロールすることもできます。また、むしろ楽器演奏をする人は気にせず音が出せる点を魅力に感じるかもしれません。また、サウンドマスキングと呼ばれる技術も進歩しています。オフィスにおいても会議室からの会話の音漏れ対策に利用されていますが、特定の周波数を打ち消す音を環境音として流しておくことでノイズを人の耳では聞き取りづらくするというものです。

働き方が変われば、部屋選びも変わってくるでしょう。そもそも日本の住居には独立した書斎やワークスペースを設けることが少ないです。すると、その場を住居外に求めることは自然な流れであり、街がそれをしなやかに受け止めていくことになるのかもしれませんね。

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タイトル画像提供:8x10 / PIXTA(ピクスタ)

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