ダイバーシティの非礼、を考える〜②育児休暇100%取得に物申す
育児休暇100%取得を目指す、特に男性職員に対する育児休暇の取得を推進し、イクメンを促す。これはよいことなのでしょうか。きっとよいことなのでしょう。ママだけしか出産はできないけれどママだけでなくパパも育児に参加するのはいいことだから。それはそうです、まちがいなく、きっと。
でも、今の制度、たとえば「パパ休暇」って制度は、ママの出産後8週間以内の期間内に、パパが育児休業を取得した場合には特別な事情がなくてもパパが二度目の育児休暇が取れるという制度らしいのですが、これって、どっか引っかかりませんか。たぶん、一度パパ休暇をとってないと二度目が取れないってことがその一つ。それから、ママの出産後8週間は、ママも新米でつらいけれど、私自身の子供を産んだ経験から、その間にパパに休んでもらうより、もっと大事なことがあるのに、というのがさらにその一つ。ママの職場復帰を考え、子供が一人でいないで済むようにすることを本気で考えてくれるのなら、ママの職場復帰後に、割と自由にパパが休暇を取れる仕組み作りこそが、パパ休暇であるべきだし、育児休暇であるべきなのではないのでしょうか。ママも休みのときに一緒に休んでもらうより、ママが復帰後どうしても都合がつかないときにこそ、パパが育児休暇をとってくれないかと思うのではないかなぁと。
しかも、育児休暇のみならず。様々な休暇制度に広げることも必要です。育児休暇と関係のない人への配慮だって必要だということも忘れてはならない課題かもしれません。
子育てをする環境を整えて出生率を上げる、という意図は理解できます。それでも、それこそ“ダイバーシティ”が叫ばれる現在、結婚しないという選択、子供を産まないという選択もあるのに、育児休暇だけが奇妙に充実すれば職場に変な空気を作りかねなません。結婚したら1週間のお休みが取れて、しない選択をした場合に休みが取れないのは不公平とは言わないのか・・・言い出したらいくらでもいうことができると思います。
とかく日本は、極端に走りがちな気がしてなりません。育児休暇、イクメン。いろいろ対応するのはいいことだけれど、制度のあるなし、ではなく、本当に必要なときの手助けが柔軟になされるようになることこそが、“望まれるすべて”だと思います。
もちろん、その前提として。有給休暇をとるには「有給休暇を与えられるにふさわしい働き手であること」を有給休暇の申請者こそが認識する必要があることはいうまでもないこと、ではありますが(続く)。