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現代の禁酒法が呼び込んだ「ノンアル文化」 今後の展望は?

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

酒飲みのみなさま、お待たせしました。お待たせしすぎたのかもしれません。いよいよ、緊急事態・まん延防止の全面解除が検討段階に入りました。

もちろん、全面解除で即、酒類の提供も全面OKとはならないと思われるものの、段階的に解除されていくことは間違いないでしょう。

一方で、コロナ禍とは関係なく「アルコール離れ」は進みつつありました。ビールの消費量は近年右肩さがりでノンアルコールビールが急速に伸びていました。また、厚生労働省が実施した2019年の「国民健康・栄養調査」によると、半数以上が月に1回もお酒を飲まないと回答しています。

そのような現状を15年も前から予測し、商品開発をしてきたメーカーがあります。ロイヤルブルーティージャパン(神奈川県茅ケ崎市)です。

以前はフレンチでお酒を出さないというお店はなかったと思いますが、緊急事態宣言により出せなくなってしまったお店は試行錯誤しています。最近行ったフレンチレストランでも、コロナ禍の影響でロイヤルブルーティーの提供を始めたという話を聞きました。ジュースなどのソフトドリンクはどうしても甘さが目立ち、料理に合わせにくいという声もよく耳にします。

それだけでなく、お茶をベースにスパイスや果汁などをブレンドして独自のノンアルコール飲料を提供しているお店もあります。

「僕たちが表現したい世界観を、酒を飲めないお客さまにもフルコースでお伝えしたいと、ティーペアリングを始めました。酒を飲む人にとっても、飲まない人に気をつかわず、ゆっくりワインを楽しめるというメリットもあります。茶席でもてなしの心を表したように、僕たちもティーペアリングで『現代の茶室』を再現したいのです」(鳥羽氏)

生産者や仕入れ業者も「ノンアル」に注目をしています。

ものづくりの街として知られる埼玉県川口市に、鋳物メーカーから飲食業に業態転換した「大泉工場」というユニークな企業がある。同社は2018年に茶葉を発酵させて製造するノンアルコール飲料「コンブチャ」の製造を開始。飲食店向けに販売してきたが、2年後にコロナの大流行に見舞われた。

主要取引先の飲食店が営業休止や時短を強いられたが、飲食店での酒類提供禁止が広まり風向きが一変。甘いジュースなどと違い、料理の味を生かす「発酵スパークリングティー」として評判になり、21年8月の生産量は前年同時期比で3~4倍に。

「コンブチャ」は近年アメリカで大ブームとなった発酵飲料で、日本版KOMBUCHAといったところでしょうか。日本では「紅茶キノコ」として知られており一時ブームになったものでもあります(ちなみに、「昆布茶」とは全く別のものです)。アメリカ都市部ではどのスーパーやコンビニでも見かけるくらいポピュラーな健康飲料です。

さて、このノンアルブームは全面解禁後はどうなっていくのでしょうか? 近年では年齢を重ねてお酒をやめた人や、飲めるけど敢えて飲まない「選択的下戸」の人も増えているそうです。

わたしの周りでは完全に二極化しており、在宅時間が長くなったことにより「いつもより飲んでしまう人」と、飲めない場所が増えたので「飲まないことに慣れてしまった人」です。

全体の長期トレンドとしては、ゲコノミクスが広がっていくと予測しています。withコロナ・afterコロナと言われる時代にどうなっていくのか、今後の動向を定期的にチェックしていこうと思っています。

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タイトル画像提供:CORA / PIXTA(ピクスタ)

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