働き方がハイブリッドになることで、現場主義もハイブリッドになっていく
9月もあっという間でしたが、10月もあっという間。ついこの前まで暑かったのに(10月で暑いのも・・ですが)コートがないと肌寒い朝晩に。個人的には10月でサマータイムが終わるので、11月からはグローバルチームとのミーティングが1時間後ろ倒しになるため、3月まで深夜のミーティングが大変な日々が始まります。
さて、9月末で緊急事態宣言が解除され、東京都の飲食店等に対する時短要請も終了となり、街を行き交う人が一気に増えました。Plug and Playは引き続きリモートワーク推奨ですが、来年に向けてオフィスに人をどう戻して行くのかのディスカッションを進めています。
7月のトヨタの発表に続き、先月はNTTがリモートワーク中心、そして転勤・単身赴任を廃止というニュースが話題になりました。
一方で出社メインで調整が進んでいたグローバル企業では、リモートとのハイブリッドな働き方の話題が増えてきました。先日イベントでご一緒した企業さんも社内アンケートを取ったり、ワーキンググループを作ってプランを検討したり、徐々にテスト出社を実施する、など少しずつ新しい働き方の検証が始まっています。
オフィスをハイブリッド勤務に向けて変えていく企業も多くみられますが、テスラのようにオフィスを移転するところも。日本ではメルカリやYahoo!のように日本全国どこからでも働ける仕組みが発表されていますが、数時間で移動ができる日本ならでは。アメリカの場合はそうはいかないので、オフィスの場所も議論の中に入ってきます。
完全に出社なのか、ハイブリッドなのか、はたまたフルリモートなのか・・・これからの働き方を考えると、どれか1つになるということはありません。企業の哲学や文化によっても様々なパターンが生まれると思います。また、個人の哲学も重要に。ちなみにプルデンシャルの調査によると、会社の方針によっては転職を考えるという人は42%もいるそうです。
プルーデンシャルの調査では、転職を検討している人のうちパンデミック収束後もリモートワークは継続されるべきと考えている割合が83%に上っただけでなく、42%が現在の職場でリモートワークの選択肢がなくなる場合、そのような選択肢を持つ企業への転職を希望すると答えている。
働く現場には多くの情報があります。「現場主義」と聞くと製造業のイメージがありますが、”問題を解くための鍵となる情報がある場所”は製造業に限りません。そして日本はその現場主義に製品やサービスの質が支えられてきたと言われています。しかし慌ただしくリモートワークをやらなければいけない状況になり、現場を把握したくてもできない状態に。リモートワークによって、今までは各人の仕事の線引きや意思決定の所在が不明確でも、オフィスという場所を通して情報が把握できることで成り立ってきたことが、難しいと感じる管理職も増えたようです。そのため、緊急事態宣言が解除されて「やっぱりオフィスに戻ろう!」と号令が出る会社も少なくないとか。
リモートワークは働く人にとって、働く”時間”と”場所”の可能性を広げていくということができるということは、コロナ禍で多くの人が実感しました。一方で、できないこと、または弱いと感じる部分が新しいアイディアを生み出したり、相互コミュニケーションによる刺激です。現場に多くある情報は、その”刺激”も含まれます。
リモートワークでの便利さも大事、でもオフィスの存在やそこで交わされるコミュニケーションも大事。これから始まっていく新しい働き方では、その両方で得られる情報を人も会社もどう管理していくのか、そしてどう共有していくのかを考えていく必要があります。今までのリアルだけの”現場”とは違う、ハイブリッドな”現場”になっていくことは避けて通れません。
今までの現場で学んできたことを、次のハイブリッドな現場にどう活かしていくのか、今までは各社のローカルにしか溜まっていなかった知見が、今後は共有されていって新しい”現場主義”が出てくるのが期待されますね。