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中国のシェアリングエコノミーは成功と言えるのだろうか?安全性でも問題が発生

中国はシェアリングエコノミー先進国ともてはやされていましたが、シェアエコノミーって幻想だったのかもしれません。以前noteでシェアバイクの利用料金値上げについて紹介しました↓

つい先週にショッキングなニュースが。かつてシェアバイク大手だったMobikeは、アプリとWechatのミニプログラムでのサービスをすべて「美団」(メイトゥアン、元はデリバリーアプリで今やスーパーアプリ)に移行すると発表し、自社のオンラインサービス提供は事実上終了となりました。(以前から移行は進んでいたが)

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↑5年ほど前の北京の街で歩くスペースがないほどオレンジ自転車で覆い尽くされていた頃が懐かしい...ちなみに黄色いのはofoでほぼ破綻

ofoに続いて、シェアバイク先駆企業の最大手2社がすべて市場から消えてしまいます。寂しいです。

そして、もう一つのシェアリングエコノミー代表、レンタルモバイルバッテリー業界でも、利用料金の値上げがネットで話題になりました。

2015年ごろから発展し始めたレンタルモバイルバッテリーは、最初は1元または1時間無料の利用と激安で僕も使いまくってましたが、年々値上げされていました。

最近は30分から1時間利用で3~4元、高いところだと10元(150円超え)だったりします。

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僕も最近利用したんですが、その値段に驚きました。ポストコロナ時代の中国で生きるためにはスマホは必須です。もしないといろんなところが入れなくなりますので、電池を保つことは死活問題。

そのような事情もあり、4元でもしょうがなく利用しますが、昔を知ってるだけに高く感じますね。でもすでに充電バッテリーを持ち歩くって習慣は失ってしまって、不便過ぎる生活に今さら戻ることもできません。

事業発展初期のユーザー確保と利用習慣の育成が完了し、値上げも理解できます。感覚的に一般都市が2元まで、北京上海のようなビッグ都市は3元までだと許容範囲で良いかなと思います。そして、それを超えた10元といった高い料金となる理由は市場の競争によるものだと考察します。

事業が急成長している段階では競争がそこまで激しくないからほぼ独占、利用料金はほとんど全部プラットフォーム側に入ります。でも競合が現れると、どのお店もシェアバッテリーを置くスペースは限られているので競争が始まります。

当然お店側は利益が多くなるサービスを選択したいですよね。例えば、置いてくれて使われたら、一つあたり1時間3元を店に渡さなければいけない、となればプラットフォームの収入を維持するには、1時間の利用料金が3元以上必要ですね。お店にお客を呼ぶ努力も必要になります。

そして、モバイルバッテリーの問題は料金の値上げだけではありません、もっと深刻な問題も。

先週、中国公安部ネット安全局から国民に対してモバイルバッテリーの利用安全についての注意呼びかけがありました。

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駅や観光地などで売ってる安いかつ充電済みのモバイルバッテリーや、普通に店頭に置いてるレンタルモバイルバッテリー、またはQRコードをスキャンすればプレゼントしてくれるモバイルバッテリーには、スマホから情報を盗んだり、トロイウイルスを仕込まれるリスクがあるから、利用する際には十分気をつけましょうとのことです。

今まで感覚が麻痺していて考えたこともなかったです。皆さんもお気をつけください。

ちょっと前に記事を読みましたが、日本のシェアリングエコノミーもいろいろ大変なようですね。中国のシェアリングエコノミー市場はとても巨大で成功していると分析されていますが、上手くいってるのはほんの一部で、身近にあるものでは大成功しているとは思えないです。

でも生活を便利に変えるって点でとても注目しています。新しいアイディアは応援したいですね。

(参考資料)


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中国情報局@北京オフィス
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