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10億人以上の中国人を食べさせるにはどうすれば良いのか。偉人「袁隆平」の実績も

先日に中国の豚肉の高騰について書いた時に、改めて「この国よくこんな人口を養ってるな」と感服しました。

どうやって中国人の13億人が食べられるようになるかについて、興味がありますよね。これについて、以前中国のインフラ建設について詳しく答えたイギリス人の博士「中国が食物を育てたり獲得したり管理したりするノウハウ」をQuoraで詳しく回答したものが中国語に訳されて紹介されてます。結構面白かったので今日はそれを中心に紹介したいと思います。

福建省ー海鮮物の飼育

世界の年間海鮮物の消費量が約1.44億トンで、そのうち中国は6500万トンで全体の45%を占めるそうです。うちに5000万トンが飼育で、1500万トンが漁獲したものです。(ちなみに日本は年間消費740万トンで、90%が漁獲したもの)

グーグル地図で中国の海岸を見るとこうなります。(東経119°57'45.2"、北緯26°43'02.8")

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中には魚介類が飼育されてます。

海の中だけではなく、川や湖など広い水域があればできるそうです。

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この大規模な養殖の甲斐もあり、安い値段で海鮮物が買えます。

浙江省ー魚と蚕のエコシステム

今ほど現代的な仕組みを作るずっと前、大昔からのエコシステムだそうです。

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魚を飼育ながら蚕を飼育し、その廃棄物でクワの木やサトウキビなどを植えること。

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このようなやり方の普及で、中国は世界の84%のシルクと66%の淡水魚が生産できます。同じようなエコシステムで、レンコンと魚の同時生産やアブラナ、ハチミツ、魚とエビの同時生産もできるそうです。

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もちろん飼育される海鮮より天然の方がおいしい、年2回3回取れる水稻より年に1回しか取れないお米の方がおいしいでしょう。でもおいしいかどうかよりも、まずは14億人が生きられるかどうかですね。

山東省ービニールハウスで野菜と果物の生産量アップ

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光ってるのは全部ビニールの温室です。IoTの普及で携帯で温室内の状況をチェックしたりすることができます。そして野菜や果物が安い。丸ごとのスイカを買っても500円かからない。(日本はスイカ高すぎよね)

新疆ー自然状況を活用、トマトの大産地

新疆は日当たりが十分で夜は涼しい、よって農作物の糖分が高くなる環境が整っている。メロンやブドウはもちろん、トマトも良質で産量が優秀。

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↑グーグルではこんな感じです。

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中国年間のトマト生産量が5630万トンで輸出量が世界の三分の一を占めます。うち新疆からは1400万トンだそうです。

ここまでがJanus Dongye博士の発信内容です。(画像は全てQuoraからの転記)ここからは僕の追記です、この分野で前から気になっている方がいます。

水稲の名人、農学者の袁隆平(Yuánlóngpíng)さん

90歳になっても研究のため農作業をやってる人です。杂交水稻(ハイブリッド米作)の専門家で、国連のFood and Agriculture Organizationの首席顧問も担当しています。

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↑研究チームがドバイの砂漠での水稻栽培開発をしてます。

実績から言うと、一般の土地での水稻の1ムーあたり収穫量が大幅に向上した(すでに1000kgを実現し、1200kgへの実験をしてるらしい)だけでなく、塩類・アルカリ土壌や砂漠にでも栽培できる海水稻に成功したそうです。

このおじいちゃん、ネット民を中心に若い世代でも人気なのです。

中国では、必要ないことをすること、くだらないことで騒ぎ立てること、自分と関係ないことに首を突っ込む行為 を「吃饱了撑的」と批判します。直訳すると「食べ過ぎたのに消化のために関係ないことに参加してる」。この表現を農学者の袁隆平の画像(愛情をこめてると思うが)にハメた表情包が作られて、ネットでよく使われてます。

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↑(ネットで騒ぎ立てるのは)食べさせ過ぎたよね

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↑産量減らすぞ(満腹じゃなければ騒がせないだろう)

ちょっと最後は話がそれましたが、このおじいちゃんが個人的に好きだったので書いちゃいました。中国の農業とか漁業って日本からしたら未知ですよね、なんか身体に悪そうなことしてそうって。でも実際にはかなり洗練されてるし日本より進んでるところも多々あると思います。何よりこの人口に食べさせるっていうすごく大変なことを実現してるんだから。

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(参考資料)



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