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ここ数年、起業ブームと言えます。明らかに脱サラして起業する人の数が増えてきてますし、より起業しやすい環境になってきているのではないでしょうか。
今日は、起業して、会社を成長軌道に乗せていく過程で、浮足立つ瞬間というか、脇が甘くなる瞬間について、話していきたいと思います。
私は、カジュアルに、「西麻布でウェイウェイ」しはじめる、という言葉を使うことがありますが、要は、経営がうまくいきはじめて、経営者などが西麻布や銀座など夜の街で飲み歩く、夜遊びする、みたいなことで、要は、浮足立っている経営者のことを指しています。
別に夜の街で、飲み歩くことをやめろ、と言いたいわけではなく、現実として、私も10年以上経営している中て、西麻布やらでお金を落とすようになって、会社がうまくいかなくなった経営者をたくさん見てきたので、今日は警告の意味も込めてお話したいと思っています。
(1) 売上伸びてすぐに調子に乗ってしまう経営者
一つ目が、売上が伸びはじめてすぐに安心してしまう、調子にのってしまう経営者です。
私も、もう10年以上、経営者をしていますが、成功しはじめて、それを継続できる経営者は本当に一握りと感じています。
よく新しいベンチャー企業が、あの会社、売上むちゃくちゃ伸びてます、人が足りません、全職種採用してます、とか例えばSNS上で色々賑やかしてますけど、そういう会社のほとんどは続かないので、一歩引いて私は見ています。
結局のところ、例えば、上場するためには、持続的、継続的に、売上が伸びていく、それが3~5年かそれ以上、ずっとぶれずに続くことが重要で、この継続性が本当に難しいな、と感じています。
特に新しいビジネスであればあるほど流行り廃れ、一過性のトレンドであったりもするし、最初、例えば、SNS上で流行してぐいっと売上が伸びるんですが、半年とか1、2年しか続かないことが多かったりします。
少し調子が良くなった、売上が伸びはじめたぐらいで、どうせほとんどの会社は続かないですから、脇が甘くならないように気をつけつつ、謙虚に地道に改善をやり続けることです。
(2) 既に成功している金遣いの荒い友人には気をつけたほうがよいです
西麻布ウェイウェイ友人とでも言いましょうか。
要は、友人付き合いには気をつけろ、ということです。
これは友人を疑え、というわけでは全くないです。友人はいい人であればいい人ですし、それで付き合いを制限する必要はないです。
何をいっているか、というと、経営する期間が長くなればなるほど、周りで成功する友人が出てきます。そうやって、成功した友人は下手すると数十億円の資産をもっているわけです。そして、西麻布界隈で賑やかに日夜過ごす人も出てきます。
そういう既に成功した友人と張り合って、自分のプライベートの支出を増やさないように注意してください。
釘を刺しておきますが、あなたはまだ成功していません。なので、お金もそんなにないはずです。
仲が良いのであれば全部奢ってもらいましょう。張り合わないことです。
(3) 利害関係者の信頼を失わないように気をつけましょう
既に成功している友人との付き合いは気をつけましょう、と上記で解説しましたが、例を挙げると、IT界隈の成功者はよくエンジェル投資とかしています。
そこに触発されてまだ成功もしてないのに、未上場の起業家でエンジェル投資をしている人増えてきていますが、やるのは勝手ですが、慎重に、且つ、株主やら利害関係者に配慮しながら進めたほうがいいですね。
エンジェル投資がどうという話ではなく、上で述べた夜の街での飲み歩きに似ていますが、事業が成長していくと、本業から注意がそれてしまうような誘惑に日々でくわします。
その一例がここで述べているエンジェル投資ですが、もちろん100%自己資本でやっている場合は、何ら問題ないですが、ベンチャーキャピタルなどの株主が入っているとあまり良くはうつりません。なぜよくないか、というと単純に注意が逸れているように見えるからです。
実態としては、自分の手金でやるわけだし、投資することによって、勉強にもなるのでいいかもしれないですが、やっぱりイメージ、心象が悪いということですよね。
ただ、西麻布の話と同じですが、成功した友人がエンジェル投資しているから、といって、あなたもやりたくなって、無理に未上場の自社株を売る機会を伺って、エンジェル投資する必要もありません。
実際、お金や見栄に目が眩む人は多いです。自分個人の利益を優先させるような言動にも気をつけてください。
この一瞬の気の緩みでビジョンを信じてくれている株主含めた利害関係者があなたに一気に冷めて、信用を失ってしまう可能性があります。
あとよくあるのは豪華なオフィスです。
あれは見栄の典型です。成功している会社は綺麗なオフィスでも意外と質素です。
(4) SNS上の賑やかしに騙されるな
最後は、これまでの賑やかな感じ、ざわついた感じについて説明してきましたけど、こういうの、SNS上で見かけても、信用しないほうがよいです。
最近、5年前、10年前に比べて、ベンチャー起業家、投資家、など増えてますから、色んな人が紛れ込んできてます。
皆さん知らないだけで、創業者なのに、会社の代表を退任させられたり、といったケースも出てきています。
なので、安心していると、ある日突然、会社から追い出されてしまうかもしれません。現実は甘くはない、ということかと思います。
今日は経営者が成長の過程で浮足立つ瞬間について簡単ではありますが、私見を述べさせていただきました。
経営はマラソンなので、良いことが起きても、悪いことが起きても、動じずに地道にやるべきことをやり続けるに尽きます。