PLAY!からの100本のスプーン、というカスタマージャーニーの中で
週末、家族4人で、泊まりがけで立川に行ってきた。「旅行で立川にいく」なんて考えたこともなかったが、これがとても良い体験だったのだ。と同時に、精緻にマーケティングされ、ターゲットとして描き出された「核家族」として、ジャーニーマップに則った行動をとったような気もして、あるべき都市開発/まちづくりとは何かを考える経験にもなった。今日はその話を書こうと思う。
立川旅行?
娘が急に「幼稚園にいきたくない」と言い出した平日夜、いったいなにがあったのか疑問だったのだが、なんか気晴らしでもしたほうがいいね、という話になった。(どうやら豆まき行事で現れた「鬼」が怖かったらしい。幼稚園に電話して、鬼はもうこないかどうか確認しよう!と言い、実際に電話をかけたら先生は笑っていた。)
そんなさなか、社内のslackで同僚が「立川に子連れで泊まりはとてもいいよ!」と言っていたので、真似してみることにした。速攻でホテルの予約を取り、子どもたちにPLAY!PARKとMUSEUMの写真を見せて「ここ行ってみない?」と話した。
子どもたちは「うん!行ってみる!」といって目を輝かせた。
そして週末、家事を色々片付けて11時にようやく出発。立川に着く頃には正午をすぎていた。日帰りでいくなら14時には帰路につき、16時には帰宅して晩御飯を・・・などと考えてしまうが、今日は泊まりだ。
まずはランチをとる。GREEN SPRINGSというエリアのなかで、サンドイッチを買って食べる。
食物アレルギー対応のフードが少なかったのはちょっと残念だったが、ミネストローネには乳製品が含まれていなかったので、アレルギー持ちの息子はそれをパクパクと食べた。
PLAY!PARK
ランチをとっていざPLAY!PARKへ!なかには「バルーンモンスター」が大量にあり、飛び乗ってもぶん投げてもよじのぼっても楽しい。風船とラップというシンプルな素材で構成された手作り遊具は、鉄製やプラスチック製のものと異なる遊び心地で、たっぷりあそぶことができた。
PLAY!PARKは、全身を動かすような遊びだけでなく、手を使って工作したりキネティックサンドで遊んだり、音で遊ぶスペースも展開されていて、全身運動から座って落ち着く遊びまで、遊びのリズムにも抑揚がある。
夕方17時になると、プレイリーダー的なスタッフさんが「風船さがし」のゲームをよびかけて、その場にいる子どもたちが会場内の風船をわらわらと集めて楽しむ。一度集中してシンプルなゲームをすると、それをきっかけに「じゃあそろそろ帰ろうか」という気持ちの切り替えになるのでとてもよい。「帰宅」という重要なミッションを、柔らかく促すスタッフさんの配慮が素晴らしかった。
子ども1人2500円と、安価とはいえないが、未就学〜小学校低学年ぐらいまではばっちり終日楽しめるし、ヘトヘトに疲れるし、それでいて大人は楽に過ごせる。すごく素敵な場所だった。
100本のスプーン
その後、同じGREEN SPRINGS内にあるレストラン「100本のスプーン」へ。
こちらはアレルギーの成分に関して細かく提示してくれて、とても助かった。キッズプレートと、鶏肉のコンフィ、ビーフシチューとサラダ、そしてデザートがわりにノンアルコールのレモンカクテルを注文して、子どもたちとぐびぐび飲んだ。充実した食事だった。
ホテルで即寝
そのあとはホテルに移動して、お風呂に入って、PLAY!でヘトヘト、100本のスプーンで大満足だった子どもたちは即就寝。夫婦でのんびり読書を楽しみ、ぐっすり寝た。
PLAY!MUSEUM
翌朝はビュッフェを食べてからPLAY!MUSEUMへ。事前にNETFLIXで「ONI 神々山のおなり」を見て予習をして望んだので、子どもたちも夢中になって展示を楽しんだ。
このアニメ、とてもよかったので感想は別途書きたい。
アニメを見た方なら、展覧会は間違いなくおすすめ。
帰路
お昼ご飯はおにぎり屋さんで美味しくて大きいおにぎりを食べて、帰路に着く。子どもらは電車内で昼寝するかと思いきや、興奮で電車内でもはしゃぎつづけたのは誤算だったため、今度はこちらがヘトヘトになったが、それでも充実した休日だったことに変わりはなかった。
旅行を終えて思うこと
電車での移動以外、すべて徒歩で完結する小旅行を楽しんだ。確かに発散的なエンタメにはよかった。過度に消費を煽ってくるような雑さもなく、洗練されたPLAY!での体験は文化的だと感じられ、親の満足度も高い。レストランも、その他のショップもそうだった。
ぼくたちの体験は、精緻にマーケティングされ「カスタマージャーニー」として設計された軸に沿っていた。PLAY!PARKで遊んでから100本のスプーンにいく流れなどは、手本のような体験だろう。その意味では「確実に」楽しめる。
しかし、同時にこれでいいのか?という疑問もなくはない。偶然出会うよくわからないお店や、どこで遊んでいいかわからないなりに工夫するといった、ぼくたちの創造性はどこにも現れない。逸脱的な行動は生み出しにくく、「はずし」も「ずらし」も効かない。「まち」の楽しみとは、そのような偶然性や逸脱にあるのではないかと思ってしまう。
だが、4歳と2歳をつれてその偶然性や逸脱性を楽しむには、骨が折れるのも事実だ。楽をしたいときには、こんなエンタメもいい。GREEN SPRINGSにはまたきっと、足を運んでしまう。