円高見通しの敗因分析

私自身、円高見通しを維持してきた者ですが、率直に今はそうなっていません(実効ベースでは円高ですが)。市場を見ていればこういうことはあるものですが、ここまで材料が揃っているのにドル安に転じないというのはやはり誤算でもありました。本稿では現時点における敗因分析をしてみたつもりです。端的に言えば、「ここまで米国の失業率が下がるとは思わなかった」という点に尽きますが、その好調さゆえに新興国への波及も大して悪材料視されていないことも大きな話です。

しかし、米国が好調であるほど米金利の上昇は続き、新興国市場からの資本流出が続きます。トルコやアルゼンチンはもちろん、インドネシア、フィリピン、インド、ロシア、メキシコと通貨防衛のために利上げに追い込まれる国が増えてきました。既に成長余地が伸び切った世界経済にとってこれはネガティブな話であり、やはり米国へのネガティブフィードバックを懸念すべき状況と考えます。

「問題が顕在化するタイミング」と「問題の所在」は切り分けて考えるべきであり、前者の後ズレは続いているものの後者は昨年来から変わっていないというのが実情ではないでしょうか。

ご笑覧くださいませ。

https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-daisuke-karakama-idJPKCN1MC08D

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