ファーウェイ騒動に着地はあるのか?
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。令和初の国賓として米国トランプ大統領が来日しています。明日27日の首脳会談に先立ち、日本の経済人約30人と会合しました。
令和初の国賓となるトランプ米大統領は25日夕、メラニア夫人と共に大統領専用機で羽田空港に到着した。大統領としての来日は2017年11月に続いて2回目。27日に天皇、皇后両陛下との会見を予定する。到着後、米大使公邸で日本の経済人約30人らと会合した。冒頭で日米の貿易不均衡に言及し「これから数カ月でとても大きないくつかの発表ができることを望んでいる」と述べた。
トランプ氏の「アメリカ・ファースト」の政策は徹底しています。そのあおりを受けているのが、中国です。
次世代通信技術「5G」を巡り、ファーウェイへの部品輸出などを禁じる米国の制裁が始まった。
米国は同社製の5G通信機器に「中国政府に情報を流す『裏口』がしかけられている」と断定し、禁輸を通じたファーウェイへの制裁が安全保障上の正当な行動だと主張する。一方、任氏はそれらの疑いの一切を否定。米中貿易摩擦のとばっちりだと考えている。
これは、昨年4月に実施されたZTEへの制裁を彷彿とさせます。あのときも「本命はファーウェイではないか」という声もありました。ZTEはスマホ製造に必要な半導体などの主要部品を米国製品に依存していたため、経営に大打撃が加わりました。しかしながら、ファーウェイについては自社で製造する技術、それも世界トップクラスのものを保有しているため影響は限定的かもしれません。
それでも心臓部であるCPUの中心部分の設計は、ARMに依存しています。今回はこのARMも取引を見直すということで、これは深刻なダメージがあるでしょう。なぜなら、CPUのコアを設計できる会社というのは世界でも数社と限られており、最新のテクノロジーを設計できるのは実質ARM1社です。もちろん時間をかければ自社内製に置き換えられるかもしれませんが、かなり技術的なハードルは高いと思われます。
そもそもなぜアメリカがこのような強硬な措置を繰り出しているのか? それは現在の中国の長期政策が影響しています。
しかしながら、ファーウェイもいち民間企業です。それが米中の国家間の争いに巻き込まれてしまっているのは、なんとも気の毒にも思えます。深く考えてみると、ちょっとした邪推(妄想)も出てきます。それは、実は中国政府はファーウェイがZTEのときのように、政府に助けを求めてくるのを待っているのでないか? そして、その条件として国の関与を求めるのではないかと。
ファーウェイは従業員を大切にする会社として有名であり、国内の若者の就職先として絶大な人気を誇ります。非公開企業であり、会社のオーナシップは従業員持株会が持っています。経営陣も輪番制という、非常にユニークな企業運営方針をとっています。
先の中国製造2025の中心にあるのが、最先端の通信に利用される半導体です。ファーウェイ傘下のハイシリコンは、間違いなく中国No.1の技術を保有していますが、それゆえ自社製品以外には提供をしていません。もしこの技術が国内企業に提供されたら、国としては大きな競争力を持つ可能性があります。これは完全にわたしの妄想ですが、国家レベルの思惑が複雑に絡み合った状況において、どのような着地があるのかは今後も注視していきたいと思います。
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タイトル画像提供: masaya / PIXTA(ピクスタ)