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趣味と仕事のグラデーション

私は現在はアーティストとして生計を立てているのですが、前職はIT会社のWebデザイナーでした。当時はもはやルーチン化した作業として特に仕事に面白みや楽しさを見出すこともだんだんなくなっていたのですが、
会社を辞めて仕事として本業でウェブ制作をしなくなった今、制作の一環でたまにウェブをつくると楽しくて趣味として延々といじってしまうことに気付きました。時間さえ許せば延々とやりたい……。楽しい……。

逆に当時は趣味だった作品制作や展示が一大タスクとなり、プレッシャーや責務を伴う「仕事」になっていることに気付きました。何でしょう、この逆転現象。
趣味と仕事は明確にパッキリ分かれているわけではなくグラデーションで、いつでも反転しうるものなんだなと実感しました。

趣味を仕事にすることのジレンマ

好きなことを仕事にすると趣味がなくなる、ゆえに新しい趣味をつくる、そしてそれがまた仕事に(ry)の無限ループはフリーランスあるあるです(書き物も、人の話を聴くことも、人前で喋ることも趣味だったが、結局仕事の一部になってしまった……)

趣味を仕事に、というとなんだかキラキラして聞こえるかもしれませんが
私はマツコ・デラックスさんのコメントに非常に共感しました。

「楽しいんだけど、ほんと仕事ってビジネスにしちゃうんだよね。成果とか数字とか、結果として出ないと満足できないスイッチが入っちゃう。だから純粋に楽しむというより、成果を取りに行くという仕事の仕方になる」
「アタシは最大の趣味を仕事に奪われた気がしてるんだよね。唯一の趣味だった女装しておふざけをするっていうのを仕事にしちゃったから、喪失感がでかい」

趣味を仕事に奪われる。わ、わかる………。
単に心のはけ口としてやっていたものに、お金や納期やプレッシャーがついてまわるようになることで、当初の情熱や初期衝動を失っていくこともままあります。

趣味としてアマチュア的にやっている限りにおいては純粋に楽しいだけなのですが、仕事にするとやはりその筋のプロたちとの血生臭い殺伐バトル&ど根性修行の様相は出てくるため、
趣味をなんでも仕事にするのは考えもので、絶対的なピュアな趣味という聖域は持ってた方が良いんだろうなと思いました(もちろん、仕事にしてプレッシャーが伴ったほうが充実感はある面もあるので、いちがいにダメとは思わないのですが)

自分にとって単なる趣味は美味しいものを食べること。これだけは全く仕事にならんなあ……とやや不満に思うこともありましたが、逆に仕事にまったく紐付かない趣味、というのは案外心の支えになるものだな、とも思っています。続けていきます。

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市原えつこ(メディアアーティスト)

メディアアーティスト、妄想インベンター。主な作品に喘ぐ大根「セクハラ・インタフェース」「デジタルシャーマンプロジェクト」(文化庁メディア芸術祭優秀賞、アルスエレクトロニカ栄誉賞)など。日経COMEMO KOL【公式web】http://etsuko-ichihara.com/

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