戦略に「バカな」と「なるほど」の視点を取り入れよう
優れたビジネスモデルとは何か?
マーケティングトレースを繰り返していると、この問いと何度も向き合うことになります。
様々な企業をトレースしている中で見えてくる「成功している企業に共通しているポイントは何ですか?」という質問を頂くことも多いです。
正直ケースバイケースです。
ただ、抽象化して成功している企業に共通している点を出すとしたら・・・「業界の常識とは逆をいく戦略をとった」という点があると考えています。
お酒の宅配ビジネスを展開するカクヤスの例を出しながら考えていきたいと思います。
カクヤスの素晴らしいビジネスモデル
先日にお酒の宅配ビジネスを展開しているカクヤスが東証2部に上場というニュースを目にしました。おめでとうございます!
カクヤスのビジネスモデル
成功ポイントを要約
①都内に集中出店
②1.2キロの商圏に限定
③業務用と家庭用を両立
→ビール1本から1時間枠で無料配達を実現
詳細はIPO関連情報をご参照ください
↓
業界的には、無料宅配なんて成り立つわけがない・・・と言われていた中で、独自のビジネスモデルを確立して、東京都内という一番大きなマーケットでシェアを獲得→上場までしたわけです。
佐藤社長は、成功要因をこのように語られています。(2017年のインタビュー)
──年商1000億円規模に成長できた要因は何ですか。
佐藤 業務用と家庭用の両方を手がけたこと、人口の密集した東京都23区に限定したこと、それとライバルが出てこなかったことです。酒類に特化して配達を武器に自社物流で、EC、業務用、家庭用をぜんぶ取り込もうと戦略を描いた会社は出てきませんでした。「ビール1本から1時間枠で無料配達します」というフレーズはお客さまに響いたけれども、「うまくいくわけがない」と同業他社にも響いたと思います。だからどこも参入してこなかったということでしょう。
カクヤス 代表取締役社長 佐藤 順一
ビール1本から1時間枠で無料配達 唯一無二のビジネスモデルを磨く!
カクヤスの発想は、他の成功企業にも成功しているのではないかと考えており、参考になる情報にあたってみます。
「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!
この「業界の常識とは逆をいく戦略をとった」という視点は、経営学でも研究されています。
ストーリーとしての経営戦略の著者、楠木教授も絶賛している本で、少し事例が古いですが視点が面白いのでオススメです!
良い戦略とは、差別化ができていて、真似しにくいもの=独自性があるものと考えると、このように解釈することができます。
良い戦略の条件
・競合は、「バカな!?」という反応をする
・市場が後から、「なるほど!」という反応をする
「バカな」と「なるほど」に当てはまるビジネスモデル
成功している企業は、上記の法則に当てはまるなと考えています。
例えば、ここら辺のビジネスモデル。
・iPhone
(日本では絶対に流行らないと言われていた)
・俺のシリーズ
(高級フレンチやイタリアンを立ち食いで・・なんて成り立たないと言われていた)
・Airbnb
(人の家に他人が泊まるなんて・・・と言われていた)
新しい市場を見つけるポイント
新しい市場を見つける時のポイントを整理します。
①競合にうまくいくわけがない!と言われる
②業界の常識とは逆張りをする
③後から同じモデルを真似されても差別化を図れる
ビジネスで仕掛けようと思った時に、バカな!?(笑)と思われないようであれば、合理的に説明できても、長期的に成長する戦略にはなっていないかもしれないですね。
戦略に「バカな」と「なるほど」の視点を取り入れて、面白がった仕事をしていきたいと思います。
本日の日報は以上です。