「課題に直面するテレビCM」という視点。実は「メディア」という境界線が壊れ始めたのかも
私が消費財メーカーのデジタルのメディアを活用して広告やコミュニケーションの仕事させて頂いた時に、大変多くのアドバイスを頂いた、デルフィス(東京・千代田)の土橋代幸常務のコラムが公開された。コラムのタイトルは、「課題に直面するテレビCM 5G時代に生き残れるか」というタイトルである。
私は「もはやテレビをマスだと思わないでください。ターゲティング広告ができると言わないともうからない」とテレビ局に対して言っています。
という部分がとても印象的である。
今は、広告・宣伝の実業から離れている。離れた今、私たちの考えたていた「マス・メディア」という言葉の定義が曖昧で、その曖昧さを残したまま、広告・宣伝を行ってきたかもしれないということである。
少し、今までのマス・メディアの定義を掘り下げてみる。
マス・メディアとは、「多くの人が接触するメディア」だけでなく、「多くの人が同時に接触するメディア」でもなく、「多くの人が同時に同じコンテンツに接触するメディア」だったように思う。
ただし、同時という期間は、月間の雑誌であれば「約1か月間」、日刊の新聞であれば「1日間」、テレビやラジオは「放送の瞬間」と異なる。
さらに同じコンテンツも、きっとテレビ局、新聞社のようにコンテンツを提供している側と、広告を提供している広告主で異なる。コンテンツ提供側は、番組や記事をコンテンツと考えているし、広告主は広告さえ見られれば良いと考えている人もいる。
実は、このように「マス・メディア」という言葉の理解は曖昧である。
問題は、そもそもこの定義が合っているのか?そして、生活者が多様な時代に、そもそも広告主ではなく、生活者がマス・メディアを求めているのかという点である。
メディアには、複数の関係者がいる。「課題に直面するテレビCM 5G時代に生き残れるか」は、広告主の視点で、今のテレビの課題を整理頂いている。同じように、メディアの利用者、メディアの事業者も、今の時代のメディアについて、再度議論すべき時代なのではないだろうか。
見たい、読みたいコンテンツは、私もたくさんある。問題はそのコンテンツの接触方法なのだろう。
もし良ければ、サポートをお願いします。今後の執筆のための、調査費用などに、有効に活用して、記事としてお戻しします。