今年も実質賃金マイナスの可能性
恐らくこの程度であれば、賃上げ率は2%台半ば程度にとどまり、今年の名目賃金は前年比+0%台半ば程度となるでしょう。
しかし、昨年の夏から足元にかけて原油価格の上昇が続いており、更に足元では天候不順の影響で生鮮野菜も高騰しています。このため、3月9日に公表された1月分の名目賃金は前年比で+0.7%のプラスになってますが、名目賃金を実質化する際に用いられる消費者物価指数(帰属家賃を除く総合)がそれを上回る同+1.7%に達したため、実質賃金は同▲0.9%まで下落幅が拡大しています。
もちろん、原油価格がこのペースで上昇を続ける可能性は低く、野菜価格の高騰も直に落ち着くことが想定されます。
しかし、過去の春闘賃上げ率と名目賃金の関係を見ると、少なくとも名目賃金が前年比+1%以上伸びるためには、春闘賃上げ率が2%台後半まで到達しないと困難といえます。
そうなると、恐らく今年も2年連続で実質賃金がマイナスになる可能性が高いでしょう。
従って、実質賃金がマイナスの状況が続く中では、年内に政府が脱デフレ宣言することは困難と言えそうです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28144440V10C18A3MM8000/
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