誰のためのマーケティング?ウェルビーイングをキーワードに考え直してみる
最近は、顧客体験を最適化するとは何か?をよく考えるようになりました。
なぜ何か?と改めて考えているか。
マーケティングの世界で「顧客体験」という言葉を使うと、どうしても効率良く顧客を動かす…という発想になり、どこか違和感を覚えるようになってきまして…
「種を巻いて刈り取る」発想で良いのか?
先日にマーケティングの相談をもらった時に、いかに効率良く「種を巻いて刈り取るかについてアドバイスをもらいたい」という言葉が使われていました。
何か悪気があってこの言葉を使われていたわけではないですが、違和感を覚えました。
刈り取るという言葉を使われていた方は、一般的な態度変容モデル(AIDMA・AISASなど)をイメージして、
・効率良く顧客に接触をする
・自分たちのことを知ってもらう
・使ってもらう
の流れを考えているのだろうと思って聞いていました。
マーケティングとは人を効率的に動かすことなのか?
マーケティングの仕事の意味を考え直した時に、
「人を効率的に動かし、組織の売上・利益を増やすこと」
と定義してしまうと、どこか寂しい感じがしませんかね?
もちろん効率性は大事です。
市場の中では「人の限られた時間とお金の奪い合い」が続いていて、その中で選ばれるための効率性を高めることが重要であることは理解しています。
しかし、効率的に情報を届ける発想で仕事をしていて、本当に顧客に選ばれ続けるブランドがつくれるのでしょうか?
そんな理想論を言っても…こっちはビジネスで成果を出すことがミッションなのだから…という声が聞こえてきそうです。
このツイートはそんな背景があったりしました。
今日のテーマは、上記の書籍を夏休みに読みながら考えたこと、マーケティングの発想の転換視点を書いていきたいと思います。
キーワードは、ウェルビーイングとマーケティングです。
改めてウェルビーイングとはなんだっけ?
ウェルビーイングというキーワードを目にする耳にする機会も増えてきていますよね。Googleトレンドで「ウェルビーイング」のキーワード検索推移は右肩上がりです。
ウェルビーイングは、経営・組織やチームづくりに取り込む動きが進んできています。
マーケティングの世界にウェルビーイングを持ち込むには?
マーケティングの世界にウェルビーイングを持ち込むことはできないか?
この問いに対するヒントをつかみたく、読んだのが「ウェルビーイングの設計論」です。
「人にとって本質的に価値のある状態」をマーケティング活動・ブランド体験に組み込むためには…
ウェルビーイング因子を理解する
ウェルビーイング因子という考え方を知りました。
人が幸福だと感じる因子・人が幸福だと感じる共通の要素、があるということのようです。
考え方がAmazonの書籍紹介ページにもあったので引用します。
紹介されている因子は、科学的なアプローチで導き出されているとのこと。
具体的にみていきましょう。
例えば、因子の中に「動機づけ・没頭」という要素があります。
これは、フロー理論で有名なチクセントミハイさんが体系化している領域です。
フロー体験とグッドビジネスは、オススメの書籍です。
ウェルビーイング因子をブランド体験に入れ込む発想をもってみよう
ウェルビーイング因子をブランド体験に入れ込む工夫はできそうな気がしてきました。
例えば、カスタマージャーニーマップにまとめる際に「ウェルビーイング因子がどのように関係しているか?」を考えてみることはできると考えています。
先程の動機づけ・没頭の要素を体験に入れ込むケースを考えてみましょう
といった、要素を体験の中に入れ込めないかと考えてみます。
ありきたりな態度変容モデルをもとに考えるより、理想とするブランド体験を考える解像度が高まりやすいのではないでしょうか?
こんな問いをもって仕事ができると、表面的に顧客を動かすではなく、「本質的に顧客体験を良くする」につながるのではないかと考えています。
そして、顧客の幸福度を高めることに貢献できるブランドは、顧客はずっと付き合いたいと思える=LTVが高まる、結果的に儲かる仕組みになる、のだと思っています。
人の行動を変える意味について
以前に、行動変容デザインという書籍を読んだのですが、「ウェルビーイングを体験に落とし込む作法」が書かれていたなと思い出しました。
マーケティングに関わる人は、THEマーケティング本より、UXデザイン・サービスデザイン(広くは行動経済学や文化人類学など)から学ぶことが多いのだろうなと感じることが増えてきました。
マーケティングは、人の行動に大きく影響を与える分野です。
改めて「誰の、何のための行動変化なのか?」を考える習慣をつくれると良いと思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました!