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依然として女性雇用に厳しいコロナショック

10月の就業者数の前年比を男女別に見ると、男性が▲0.5%に対して女性が▲1.2%となっており、女性の方が依然として減少率が大きいままとなっています。背景には、コロナショックによって対人関係の希薄化に関連する業種で大きく減っていることが推察されます。

中でも深刻なのは、医療福祉はコロナ禍によって人のニーズが強まっているにもかかわらず、労働市場から女性を中心に退出をしていることがあります。逆に、情報通信は男性を中心に増えていますが、いわゆる技術関連、情報通信関連技術の職で増えていることが推察され、女性の雇用は増えていません。

こうした状況を緩和するには、リーマンショックの後の雇用対策が参考になるでしょう。リーマンショック後は、雇用調整助成金以外にも、研究人材育成・就業支援基金を実施しています。具体的には、無償職業訓練の大幅拡充やITスキル修得の訓練、新規成長や雇用吸収分野に関わる能力を修得するための長期訓練、訓練期間中の生活保障や中小企業等の実習型雇用などが行われました。そして、リーマンショック時にはその後2~3年間で100万人に職業訓練が実施されました。

このため、現在編成されている第三次補正予算では、雇用調整助成金の延長や拡充にとどまらず、既に職を失った人をどう職に就かせるかや、中長期的な視点でデジタル化に対応できる人材をいかに育成するかというような就業支援策が含まれるかも重要でしょう。

なお、リーマンショック後には基金による雇用創出も実施しています。具体的には、自治体独自の様々な雇用創出が期待される事業に対して支援する動きがありました。今回のケースでは、コロナショックで産業構造が変わり、全ての業種が元に戻ることは厳しいということからすれば、国や各自治体などが前向きな事業転換などの支援をすることも一つの策としてありうるでしょう。

また、最新の中小企業白書の参考資料に紹介されている事例を紹介すると、九州のある企業では、打撃を受けている観光・飲食業界の従事者を期間限定のアルバイトで、通常よりも時給を増やして受け入れるという取り組みをしており、元の仕事が戻ったら無条件で戻ることができる制度となっています。このように、こうした取組を全国的に国や自治体などがある程度支援できるような仕組みも重要になるでしょう。

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