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売れるフリーランスが「売る」より先に考えている重要な戦略。

中村保晴 | 事業戦略家

フリーランスに限らず、ビジネスをしている人にとって「売れる」という結果はとても重要なことだ。働いた時間で給与を受け取れるサラリーマンやパート・アルバイトらと違って、事業主は売上からでしか実を得ることができない。だから「売れるように」と一生懸命に考えるわけだが、その「売ろう売ろう」とする考え方が願わぬ「売れないという結果」を生むことがあるのだ。

※ココナラだけではなく、スキルを売るフリーランスにとってビジネス環境やシステムのインフラは日々進化している。チャンスはもっと膨らむだろう。


「売れる」のメカニズム。

「売上」というのは言うまでもなく「売れたことによる結果」である。

ひとつも売れなければ売上は0(ゼロ)。つまりフリーランスの場合、ひとつも売れなければ収入も0(ゼロ)ということになる。だからフリーランスはなんとか受注を取りたくていろいろと行動する。受注件数 × 受注単価が売上になり、それが自分の収益になるとわかっているからだ。

もちろんその行動で問題はない。特にフリーランスにとって「受注する」ということは「価値を認知された」結果でもあり、その行動如何でビジネス自体が「なんとかなる」と感じる指標にもなる。

そこで考えてみよう。
「売れる」という結果をブレイクダウンさせてみるんだ。

「売れる」という結果は「誰かがそれを買う」という行為によって生まれる。つまり、「自分以外の人の行動」が決め手になるわけだ。これを読んでくれている皆さんは、それが何を意味していると感じるだろうか。


まず信頼関係がなければ、人は逃げていく。

皆さんは「人が他人の行動をコントロールすることができると思うか」という質問をされたら何と答えるだろうか。
「できる」と答える人も「できない」と答える人もいるだろう。上下関係があれば権力で動かそうとする人もいるだろうし、そもそもそんなことはできないと考える人もいることだろう。

私はその質問の答えを持っているわけではないが、少なくとも「売り手と買い手」という関係の中で「買う」という行動を売り手がコントロールしようとすればするほど、人の特性として「逃げたくなる」ものだと思っている。

例えば恋愛を例にして考えるとわかりやすい。
例え話だが、あなたが一方的に好きになった異性の気持ちを振り向かせたいと思っているとしよう。その場合の「目的」は、その異性に振り向いてもらい、恋が成就することだ。

そのための行動として、あなたは様々なことを考えることになる。目的は「恋が成就すること」だ。その目的を果たすため唐突に「付き合ってください!」とその異性に伝えたらどうなることを想像するだろうか。

その異性はどう思うだろうか。誰かもわからない異性が突然近づいてきたら どう思うだろうか。おそらく気持ち的には「逃げる」でしょう。逃げないまでも「そんなこと急に言われても・・・」という感情が芽生えるものだ。

人と人の関係には信頼を構築するための工程がある。少なくとも「あなたが誰なのか」「どんな人なのか」「何をしていて自分と合うのか合わないのか」。そういう関係性を築くための情報も場面も必要なのだ。時間が必要だと言っているのではない。場面が必要なのだ。信頼とはそういうものだ。

そこで話をビジネスに戻そう。
あなたは「買ってもらう」という「目的」を得るために唐突に「買いませんか?」と言っていないだろうか。自分のことを知らない人にいきなり「売ろう売ろう」としていないだろうか。

もしそうなってしまっているのなら、今すぐにでもやり方を見直すべきだ。これだけの情報化時代になった今、人は「誰から買うか」という基準を持っている。あなたが誰で、なぜそれをあなたから買う必要があるのか。そういうコミットメントこそが信頼感につながり、そしてそれがフリーランスとしての付加価値であり、アドバンテージになるのだ。



買い手の気持ちを先に考える客観的思考。

私はそれを「客観的思考」と呼んでいるが、イメージがわかないと言われることがある。客観的思考って何?具体的にはどういうこと?ということだと思うので、それをもう少し噛み砕いてお伝えしたいと思う。

私が言う「客観的思考」というのは、言わば「買い手の気持ちを先に考える」という戦略思考のことだ。

つまり「相手がどう思うかを先に考える」ということでもある。先の恋愛の話で例えると「相手に好印象を与えるアプローチを自分らしく考える」ということだし、ビジネスにおいても同様だ。

そのためには「あなたのサービスや商品を必要としている人は誰なのか」ということを考えることから始めることになる。

ペルソナのロールモデル化

私は自分のサービスを「誰に買ってほしいか」と考えるよりも、まず先に「誰にとってお金を出してでも必要なものか」ということを考えるようにしている。

自分のサービスを買うと誰が幸せになれるのか。「それを買うと幸せになれる」という部分がひとつのキーワードでもある。そんな未来を迎えてくれる人は誰なのか。

私の場合は、それを実在する知人をイメージして具体的なロールモデルとして設計する。「○○さんにとって、このサービスは価値があって、結果的に彼を幸せにできるな」と考えることでサービスのスタイルや価格に至るまでをブラッシュアップできる。

具体的にし過ぎると販路が狭くなってしまうのでは?という質問を生徒さんからよく受けるがそうではないと私は思っている。

具体的だからこそ、本心で「欲しい」「買いたい」と思われるのだ。具体的だからこそ、買い手は「自分ごと」としてそのサービスを考えるようになるのだと、自身の今までの経験の中で確信している。


「売る」より先に考えるべきこと。

フリーランスは、法人ビジネスと比較して資金も少ないし時間も掛けられない。直接的に”売上=生活水準”になっていくわけだから当然だ。誰からも給与はもらえない。自分自身で稼ぐしかないのだ。

だから結果が早く欲しい。そのために「売ること」ばかりを優先して考えてしまう。しかし、そこで少し立ち止まって考えて欲しい。


ここで少し立ち止まろう。

「売る」というのは「買ってもらうための行動」だ。いくら売り込みをしても、SNSやブログでサービスの訴求をしても「買ってくれる人」がいなかったら売上はない。つまり、「買う」という行動によってしか売上は得られないのだ。

だからフリーランスがまず考えるべきは「買ってくれる人の気持ちや動機」だ。

なぜこのサービスが必要なのか。
なぜお金を払うのか。
どんな未来が欲しくて今それを買うのか。

まだ誰も買ってくれていない「売る前」にそれを深く考えるのだ。その人はどんな未来が欲しくてあなたのサービスにお金を払うのか。そのことを考えるのだ。

私は新しいサービスを組み立てるとき、常にそれをスケッチブックに書き記す。じっくり深く考えながら「買ってくれる人の気持ちになって」考えていく。

それを考え抜き、そして商品化したときに、このサービスが「誰に必要なものなのか」が明確になり、訴求ポイントにもなるわけだ。


今のこの時代、情報は重要だが情報だけではフリーランスは勝てない。SEOだけではスクロールされる。まさに「価値の時代」になってきたと私は思っている。特にフリーランスにとっては。

そしてその価値は、明確に「それを必要とする人が感じる価値」だ。それ以外はない。価値を感じなければどんな高性能なものでも売れない時代だ。

そして価値とは何か。
価値とは「それを必要とする人の数」だ。フリーランスには潤沢な資金はないだろう。しかし価値を創造することは規模の大小関係なく誰でもできる。

「売る」前に「買ってくれる人」の気持ちを考える。そしてそれを戦略としてまとめよう。それがきっとあなたのビジネスを豊かなものにしてくれる。




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