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「在宅勤務」と「子どもの面倒を見ながら仕事をする」は、混ぜるなキケン

「在宅勤務」と、「子どもの面倒を見ながら仕事をする」は、まったく別の話です。混ぜて考えると、課題を見誤ります。

在宅勤務は、自宅で仕事をすることです。子育て中の人には、通勤時間が不要となる、仕事の合間にちょっとした家事が進められる、などが特にメリットとして感じられるでしょう。乳幼児から小学校低学年くらいまでの小さな子どもを育てる毎日は、時間との戦いだからです。

一方、小さい子どもの面倒を見ながら仕事をすることは、全く性質の異なる仕事を同時並行で進めようとするに等しく、非常に難しいです。仮に家ではなく会社で、そこに小さい子どもがずっといて、食事与え、危なくないようにいつも見守り、勉強のフォローや遊び相手をしないといけないとしたら、どうでしょうか。ポイントは、子どもの面倒を見ることは、独立した「お仕事」に等しい負荷がかかるということ、そして一般的なオフィスワークとはまったく異なる頭と心の使い方が求められることです。例えるなら、法人営業と飲食店の調理を同時にやるようなものでしょうか。在宅かどうかには関係なく、子どもの面倒と仕事は、同時にはできないのです。

私はこれまでとても恵まれていて、子どもを持ってから16年、ずっと在宅勤務が可能な職場で働いてきました。子どもたちが保育園や学校に行っている間、一人で家で仕事ができるって、最高です。そして、在宅勤務の選択肢があったから、なんとかフルタイム勤務を続けることができました。

「小さいお子さんがいる家庭は、在宅勤務が大変だった」は、今回の特殊事情です。

たとえば、こちらの記事では、

「子どもも家にいれば日中は仕事が思うようにはかどらないこともある。夜に子どもが寝た後、昼間できなかった仕事を進めるといった働き方をせざるをえない。」

とはじめの方に書かれています。最後まで読めば「緊急事態宣言は解除され、元通り職場に出勤する人が増えている。学校は再開し、幼稚園や保育園も日常に戻ってきている。」と記してあります。しかし、コロナの影響下での在宅勤務しか経験のない方々には、この記事を読んでも「学校や保育園が完全に再開した状態でのリモートワーク像」はピンと来なくて、「大変そうだなあ」の印象しか残らないかもしれません。

在宅勤務と、子どもの面倒を見ながら仕事をすることを混同して、「大変そう」「やっぱり難しいのでは」という見解があるようで、気になっています。

今回、初めて在宅勤務を経験された職場におかれましては、今回は外出自粛の元で「子どもたちも在宅だった」という特殊要因があったことを勘案して、今後の勤務のあり方を検討していただくことを、願っています。

なお、このnoteは、facebookに投稿した内容に加筆したものです。たくさんのコメントやシェアがありました。当事者の問題意識の強さが感じられます。

今日は、以上です。ごきげんよう。

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