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アニメ「文化」の輸出にチャンスはあるのか?=ドイツの事例から考える

ドイツではまもなく、アニメ『らき☆すた』のDVD/ブルーレイが発売されます。『らき☆すた』といえばアニメ聖地巡礼など派生文化も注目された作品です。今回はアニメとアニメ文化の輸出について考えてみました。

ドイツのアニメ販売会社animoon publishingは、アニメ『らき☆すた』のDVD/ブルーレイを4月8日にリリース開始します。日本語音声に加えて、ドイツ語吹替版も制作し、ここ最近はサンプル動画を随時公開しPRしています。(引用ツイートは主役「泉こなた」を紹介するもの)

そもそもアニメとアニメ文化とは?

アニメやマンガの海外への輸出は好調です。つい先日も日経新聞は、アニメ映画の海外売上が好調だと報じていました。現地でファンが増えていると言って良いでしょう。

一方で、アニメ「文化」はどうでしょう?

少し思い出してもらいたいのですが、コロナ禍以前だと例えば、観光産業のトレンドとして「モノ消費」よりも「コト消費」を!等々よく言われていました。

アニメ産業界におけるDVDやブルーレイ、グッズが「モノ消費」なら、近年注目され続けていた「ライブエンタメ」とカテゴライズされるコンサートに代表されるイベントは「コト消費」なのかもしれません。(例えば以下の2019年の記事)

さらに、アニメやマンガに関連するカルチャーとしては、同人誌やコスプレ、最近ではアニメ聖地巡礼も「好き」を体現するファン文化として日本では定着しつつあるように思われます。

具体例として、冒頭紹介した『らき☆すた』について考えてみましょう。同作品では同人誌やコスプレにとどまらず、鷲宮神社を中心とする「アニメ聖地巡礼」やオープニングのダンスを踊ってみた文字通りの「踊ってみた」といったファンカルチャーが盛り上がりました。

大げさな表現ですが、ファンは作品を楽しむだけでなく、関連する派生文化を通じて、人生そのものを謳歌しているのかもしれません。

そしてそれはブルーレイやグッズといったモノを消費するだけにとどまらない、体験を重視した「コト消費」だとすれば、こういった広い意味でのアニメ文化は日本から輸出されているのでしょうか?

もちろん、ドイツではアニメファンイベントが年間を通じた各地で開催され、ファン文化は盛んといってよいでしょう。ただし、筆者の見る限り、そのファン活動のアイデアは日本のほうが多いと思います。そして、もし、それを海外のファンに伝えることができれば、現地のファンにとっても活動がさらに充実するかもしれませんし、何よりアニメ文化を通じた国際交流の機会が生まれます。

アニメが輸出されれば、海外のファンが増えます。

今回の『らき☆すた』発売のニュースに接して、筆者が改めて思ったのは、こういった機会はアニメ文化「も」輸出するタイミングなのではないでしょうか?ということです。

今までは日本の中でのみ行われていた「ただの」ファン活動、いつもの「推し活動」がもし、国際交流の手段となり国際理解を深めることになるとしたら、どうでしょう?

そこには、言葉や国、文化を超えた平和な「優しい」世界があると筆者は信じています。みなさんはどう思われますか?

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タイトル画像:ドイツのアニメ販売会社animoon publishingの公式HPからのスクリーンショット

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