バレンタインデーに“チョコレート”を考える

バレンタインデーが近づくと好むと好まざると世の中はチョコレート色に染まる。ご褒美チョコや友チョコなどに発展したかと思いきや、義理チョコはやめようという動きもある。さまざまな動きや意見は、“それはそれでよし”として、今日はこのチョコレートを今はやりのエシカル消費とのかかわりで見ることにする。

義理チョコが大量廃棄になれば⇒食品ロス。義理チョコ廃止の流れ⇒チョコレートの消費減少⇒カカオ農家の生活に悪影響?。バレンタインによる極端な消費⇒大量生産が必要⇒カカオ農家の労働環境悪化。どれも可能性としては考えられるシナリオだ。

人権問題を扱うStop The Traffikによる調査で、世界のチョコレート大手6社のサステイナブルな取組について言及している。国際基準に準拠した第三者による年次監査(第三者の証明があるかないか)や80%以上のカカオ豆サプライチェーンに対する年次監査(サプライチェーンの管理が行き届いているか)、農園レベルでのトレーサビリティ(どこの農園からのカカオかがちゃんとわかる仕組みになっているか)、サステイナビリティに係るプログラム/認証を通じた調達割合(証明可能な製造プロセスを経たカカオ豆をどれだけ使っているか)などの各ポイントに立ち、子供の労働力を使っていないか、無理を押し付けたものになっていないか、などを見たところ、チョコレート以外にもクッキーやらを取り扱うメーカーに比べ、専業に近いメーカー程、サステイナビリティに配慮しているように見えることがわかる。

これだけだと、「ふーん、ご奇特な」で終わってしまいかねないのだが、面白いのは、欧米ではそうしたサステイナビリティを考慮したメーカーのチョコレート程売れている可能性が高いことなのだ。ひょっとすると、欧米のチョコレートの消費には、こうしたエシカル(倫理的)的観点が反映しているのかも知れない。味重視のチョコレート、割安なチョコレート、パッケージが斬新、などなど。チョコレートを買わせるためのメーカー側の戦略も、消費の決め手も様々あろうが、その背景にある製造過程に思いを馳せる買い方も、そろそろ日本でも根付くかも知れない。


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