最強通貨「日本円」の本領

ミサイルが日本に向けても、津波が来ても、大地震が来ても、原発事故があっても円が「安全資産」と呼ばれる最大の所以です。結局、「世界で一番外貨建ての資産を持っている国」である以上、通貨の強弱を議論する際に円が鉄壁の信認を誇ってしまうのは根拠がない話ではないのです。

より応用的な論点として、この対外純資産の44.4%が直接投資、26.1%が証券投資とクリアに両者の比率に乖離が生じました(共にネットベースで計算)。これは同統計が始まって以来の大きな差であり、2000年代初頭には証券投資が純資産の半分以上を占めていたことを思い返すと隔世の感を覚えます。ちなみに昨年、両者の比率はほぼ互角でした。

2位のドイツの1.25倍は圧倒的な数字ですが、実はドイツの伸び幅も近年かなり大きいことに要注目したい所です。このペースで経常黒字をドイツが積み上げていけば、日本に肉薄、いつかは逆転ということも無いとは言えません(時期の予想は難しいですが)。そうなった時、為替市場では「安全資産としてのユーロ買い」が語られるようになるでしょう。論理的な展開としては十分あり得る話です。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL24HTT_U8A520C1000000/

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