中国肺炎は暗い話だけではない、河南省政府がすごく褒められてる件
春節休みでありながら、中国全土が武漢肺炎の件でヒリヒリしてます。北京もすでに70人ほどの感染者が出ていると公表され、僕も政府の呼びかけに応じて連日自宅警備してます。ネット活動三昧の毎日です。
↑「引きこもりこそが社会に貢献できる時代がついにきました!大事にしないと!」との画像が笑
中国のネットユーザーも疫病の現状に関心を持ちながら、ネット三昧の日々でいろんな面白いことを見つけたり、作ったりしながら退屈な「自主監禁」時間を過ごしてます。
僕はWeiboの中国人投稿とTwitterのみなさんの投稿をどちらも見ながら過ごしてるのですが、肺炎についての投稿は当事国より日本の方が殺伐としてるところがなんともシュールだなと感じてます。
その中で面白い発見も色々ありましたので、ぜひとも紹介しましょう。
■武漢を叩き河南省を称えるネット民
まずはよくネットで政府や社会現象について批判するユーザーについて。「意外ですね、政府に捕まるのでは?」と思う方もいるでしょう、でも実際は結構多くが際どいコメントをします。
彼らは野生動物販売への管理不足から始まり、疫病への対応遅れまで武漢政府を相当叩いてたのですが、一方で河南省の様々な神対応を高く評価しています。こんな表情包が出てきました↓
↑どうやって河南省の省長を奪うことができますか(なりたいよ)って
なぜ河南省のことを褒め称えているかは面白い理由があるのです。
■肺炎が広まってしまった理由
武漢の肺炎が非常に速い速度で広い範囲に広まってしまった理由は、武漢政府の管理ミス以外にも、もう一つ大きな理由があります。中国地図を見ると、武漢が属する湖北省は中国のど真ん中で、6つの省とも繋がってます。今回の肺炎に関するニュースは武漢中心のものが多いですが、実際には湖北省全てが厳しい環境になってしまい、閉鎖も行われています。
↑カラフルの部分は武漢のある湖北省。湖北と繋がってる省は河南省以外に陕西、安徽、重庆、江西、湖南があります。
そして時期が春節です。帰省ラッシュに伴い、みんなが飛行機、新幹線、バスなどで放射状に中国のあちこちに行っちゃいます。さらに武漢は列車の重要な乗り換え拠点(街)でもあります。
今でこそ全て閉鎖されましたが、最初は飛行機と鉄道だけの閉鎖でしたので、車で武漢を出た人がとても多いのです。。
■河南省の努力と取り組み
伝染病防止に関して最も重要なことは感染源のコントロールだそうです。河南省はとても早いタイミングから、コントロールすることが難しい田舎の道を出入りする車をチェックしてます。検問ですね。
でも道はたくさんあります。流石に全ての道に検問を作って人を配備するのはとても効率が悪いので、中には物理的な隔離方法が実施された場所もあります↓
溝を掘ったところもあるそうです。絶対に河南省に入れないという意気込みがすごい。
また、田舎が多いので病気予防の宣伝も田舎の教育レベルに合わせてわかりやすくする努力をしてます。
武漢にいる親族が帰省するのを止めてもらうために「武漢ナンバーの表示を覚えましょう」と村の委員会がチラシを配ってます。
春節には親戚や友達の家に遊びに行くことは中国人にとってはとても大切な行事なのです(これは日本人の感覚では理解できないほど)。しかし病気予防にはとてもマイナスなのでWeChatで済ますことが今年のオススメになってます。
でも万が一に武漢から帰省の人が来る場合は、この立入禁止用のテープをもらえます笑「うちには武漢から戻る人がいるから絶対に遊びに来ないでください」って、すごい徹底ぶり。
■朗らかな例も
こんな話も話題に。
武漢から帰省して結婚披露宴をする予定の新婚夫婦が参加しようとしたら親族から反対されて会場外で隔離されてしまいました。親族だけがレストランで食事、本来主役の新婚2人は映像で参加するというシュールな会に。でも濃厚接触を防げてみんな大喜びだったそうです笑
また、河南の町中にある宣伝用のスローガンがあまりにも出来が良いと話題に。「響きがよく、覚えやすい、とっても価値がある」ってことで、すぐにネットユーザーが表情包を作りました↓
↑日本語に訳されると語呂があまり良くないが、伝いたいことはわかると思います。
病気での帰省は親不孝の馬鹿野郎
今年遊びに来ると、来年はお墓参りだよ
帰省の歩きよ止まれ
出かける時はマスクしなければ、麻雀するたびに振り込みます
この河南省はいつも効果的な施策を運用していて、有能なリーダが仕切ってると評価されていました。そして現在の河南省長は以前上海市で仕事をしていた人でとても有能と評価されてます。
↑河南省の省長に関するニュース。河南省長が1月21日に今回の疫病に関する会議をしました。一方で湖北省(武漢)のリーダは1月23日にまだ春節お祝い公演を鑑賞しているという情報があって↓
今や河南と湖北(武漢)の差は天と地ほどに。。
春節休みはまだまだ長いです。肺炎の広がりをできるだけ抑えたいでしょうから、休みはいつまで伸ばされるだろうか。ネットサーフィンの毎日ですので、みなさんが知らなそうなこと、面白いことがあったらまた紹介したいと思います。
※今年もちょっとマニアな中国情報を届けます、ぜひフォローしてご期待ください。Twitterでも情報発信してますのでこちらもぜひ見てください。
(参考資料)