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クラフトビール、流行から産業に!

ぜひ取り上げたかった話題だが、忙しくてコメントできなかったものを今回「満を持して!」紹介する。最近のクラフトビール業界の話題である。

私が20年以上愛読している日経新聞で、先日2ページ目に大々的にクラフトビール業界の話題が記事にされたのだが、これは恐らく初めてのことではなかろうか。しかもタイトルが実に良い。
「地ビール、流行から産業に」である。

「え?そんなにクラフトビールは盛り上がっているの?」

と疑問に思っているそこのあなた!
是非、以下の記事を読んでほしい。

更に驚いたのが、日経新聞の地域ごとの誌面で同時に同企画が組まれ、各地域のクラフトビールの話題が一斉に紹介されたことである。その地域数はなんと8地域!
電子版の記事は以下。

地域のクラフトビールの記事を読むと、原材料に地元産の麦芽やホップを使用するだけでなく、地域の特産物を使った個性的な味のビール開発に力を入れていることが紹介されている。また、地域のクラフトビールメーカー同士が協力して品質向上や市場盛り上げ施策などに力を入れていることも紹介されている。素晴らしい取り組みだと感じた。

1990年後半の地ビールブームは「町おこし」的な構造で、品質をはじめ実力不足の地ビールメーカーが多く市場参入したことで短期間のブームで終わった苦い経験がある。

現在では、小規模な醸造所がつくる多様で個性的なビールは「クラフトビール」と呼ばれるようになり、地ビールブーム終焉後の長く苦しい時代を乗り越えたメーカーが中心となり、ビールの味に磨きをかけ、その品質が徐々にクラフトビールファンの方々に受け入れられて、地道に拡大していった経緯がある。ここ数年は都市部を中心に醸造設備を備えた飲食店形式の醸造所が増え、裾野が広がって来たことを実感している。


コロナ禍で苦戦

その様に活気付いてきたクラフトビール業界ではあるが、コロナ禍でその景色は一変した。クラフトビールメーカーは「町おこし」でブームとなった時代の名残で観光消費の売上比重が多いメーカーと、近年増えてきた飲食店併設型のメーカーが多い。この2タイプのメーカーはコロナ禍の厳しい状況をまともに受け今も経営的に厳しい状態が続いている。
一方で私達の会社の様にスーパーやコンビニの店頭販売比重が多いメーカーは「巣ごもり需要」をとらえ、個性的で多様なクラフトビールを自宅で飲む消費者のニーズに寄り添い、売り上げを拡大している。
メーカー数でいうと圧倒的に前者の観光消費型・飲食店併設型が多く、クラフトビール業界全体としては苦しい状況が続いていることになる。

最近はコロナ感染拡大が落ち着きつつある状態であり、苦境にあるメーカーの皆さんには何とかこの状況を乗り切って欲しいと切に願うばかりである。過去のブーム終焉時もそうであったように、それらの経験を「自社を鍛えて骨太にする機会」と前を向き、業界発展のために共に頑張っていけたらと思う


市場比較

ちなみに、クラフトビール業界で一番成長しているアメリカと日本を比べると現在以下のような開きがある。

比較

日本のクラフトビール市場が成長して産業になってきたといっても、先を行くアメリカとはまだまだ大きな差がある。
逆に言うとまだまだ市場のポテンシャルは大きいということ。クラフトビール業界のリーダー企業として、業界発展のために私達は何ができるかということを改めて意識した機会であった。

皆さん、ぜひクラフトビールの世界をのぞきに来て下さい!
きっと新しい体験が待っています!

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