舞台裏ストーリー:「24時間オンラインチャリティイベント」プロジェクト
2020年5月29日19時〜5月30日19時に開催した24時間オンラインチャリティイベント「Hello, New Normal」について、今回はプロジェクトの舞台裏について書いていきたいと思います。
プロジェクトの全体像については、こちらの記事をご覧ください。
プロジェクトチームのコミュニケーション
今回のプロジェクトは、発起人の横石さんとPeatixチームで進めていきました。基本的なやり取りに関しては、Slackを活用し、24時間オンラインイベント専用のグループをつくりました。そこに、横石さん、Peatixのプロジェクトメンバーが入り、基本的なやり取りは全てSlack上で展開していきました。
また、今回準備期間がわずか2週間強だったこともあり、約3日ごとにZoomにて全体ミーティングを実施し、細かい進捗を確認していきました。
短い時間で駆け抜けたプロジェクトだったことを体現するように、Slackのスレッドは物凄いスピードで流れていきました。今回、私が全体のプロジェクトオーナーだったのですが、様々な確認事項、決定事項などが、かなりのボリュームでメッセージを見落とし、取りこぼすことも多々ありました。
しかし、短期決戦のプロジェクトにおいて、取りこぼしは致命的な状況を生む可能性があります。そこで、漏れていることや、反応が無い場合は、遠慮なく追いかけてもらうようお願いしました。能動的にお互いにフォローし合うことで、出来る限り漏れが少ない状況を作ったのです。
また、イベント当日には、運営チームにイベント運営のプロ 西舘さんが加わってくださいました。そこで、イベント当日の24時間、緊急事態が発生した場合に即座にキャッチアップがしやすいように、西舘さん含む5人の運営チームのスレッドをFacebookメッセンジャーのスレッドを立ち上げ、当日の緊急対応や細かい調整などは、こちらのスレッドでコミュニケーションを取るようにしました。Slackとコミュニケーションを分けることで、緊急対応のスピードを早く出来るようにしたのです。
実際、当日、イベントに関する情報の修正や、ファシリテーション中のPCトラブルなどはFacebookメッセンジャーを通じて、発信・受信し、即時対応を可能にし、大きな問題にならぬように動くことが出来ました。
1日で8プログラムのファシリテーションを支えた機材周り
今回の24時間イベントは24のプログラムで構成されていたのですが、その中の8つのプログラムで私はイベントの進行、ファシリテーションを担当しました。普段、1時間の生配信でも時に回線が落ちるなどトラブルが起きているような状況下で、この24時間をどう乗り切りかは当初より課題でした。
そこで、間に合うかどうかは分かりませんでしたが、グラフィックスの性能が高いMacbook Proをオーダーし、パソコンのスペックを上げることにしました。(元々はMacbook Air) 結果としては、イベント当日のお昼にMacbook Proが家に届き、そこから急ぎセットアップし、ギリギリのタイミングで本番に間に合わせることが出来ました。
結果として、下記の機材で本番に臨むことになりました。
PC機材一覧
メインPC:MacBook Pro (13-inch, 2020, 512GB、メモリ16GB)
サブモニター:iPad Pro (10.5-inch, 2017, 256GB)
バックアップPC:MacBook Air (13-inch, 2019, 256GB, メモリ8GB)
元々使用していたMacBook Airはバックアップに回し、いつでも発進できるよう、充電しながら待機。各プログラムの配信用サービスにもすぐにアクセス出来るように準備しました。
サブモニターとなるiPad Proは、自動ロックが掛からぬようにし、Slackの運営チームのチャネルと、当日運営チームのFacebookメッセンジャーの画面をスプリットして常時表示。進行中でも問題があった場合の発信や受信をいつでも出来るようにしました。さらに、当日は、家のWifiには繋がず、SIMを利用して回線を繋ぎ、万が一の際に即時バックアップ出来るよう、準備をしておきました。もちろん充電もしながら運用しました。
また、メインPCであるMacBook Proの熱を逃すために、PCスタンドを用意し、常にPCの後ろ側が空いている状態に。それでも、時に3時間連続で生配信を稼働させる状況だったため、PCスタンドだけに頼った放熱はリスクがあると考え、PCの下に保冷剤を置くことにしました。
この保冷剤が思いのほか効果があり、長時間の配信でも特に問題が起こることなく動かすことが出来ました。
※保冷剤はあくまで緊急事態対策と考えてください。常時使っていると結露が発生し、PCを痛める可能性があるので、通常はファン付きの冷却台などを使うことをオススメします。
そして、メインPCのネットワークは安定性を重視し、有線LANで繋ぎました。
その他、ライトや電源タップなど基本的なツール周りはこちらの記事にまとめておりますので、追ってご覧ください。
オンラインファシリテーションを支える小物周り
そして、いざ本番に入ると連続でのファシリテーションとなることも多く、事前の細かい準備が大切となります。
まず、重要だったのが、「紙とペン」。進行台本や、読み上げる必要がある事項などは全て紙に出力しておき、目の前に配置。見やすいように字も大きめにしておきました。また、ゲストスピーカーのコメントなどをしっかりと拾えるように、ノートを用意し、メモを取りながら進行しました。
通信が必要なプロジェクトチームとのやり取りはiPad Proに任せ、必ず必要になる情報や、書き留める必要がある情報はアナログな紙に任せたところ、大きなミスをすることなく、進行することが出来ました。
また、ドリンクとエアコンのリモコンを手の届くところに置くことも重要なポイントでした。生配信が始まると席を立つことが出来ないので、ドリンクは常に2本分の炭酸水を用意し、手の届くところに配置しました。更に、室温の上昇が予想された為、エアコンのリモコンもデスクに置き、いつでも温度調整出来るようにしました。
この2点は地味に思えるかも知れませんが、在宅でのオンライン配信においては、基本1人で様々なことを回す必要があり、私にとっては重要なポイントでした。
配信トラブル・バックアップ
今回、大きなトラブルもなく、全体進行していたのですが、グランドフィナーレの直前のプログラムで問題が発生しました。それまで、特に問題なく配信出来ていたのですが、ファシリテーションをしながら、プログラムを進めていたところ、ちょうど配信終了10分前くらいに画像、音声共に不安定に。スピーカーの声も途切れ途切れ聞こえるようになり、自分の声もほぼ届かない状態になったのです。
視聴状況を確認する為に、すぐにFacebookメッセンジャーで運営チームに確認し、自分の状況を正確に把握しました。
すぐに、主催コミュニティのメッセンジャーにもメッセージを打ち、自分がほぼ動けないので、進行をお願いし、(運が良いことに、ダブルファシリテーションで進行していたので、お任せすることが出来ました。)バーチャル背景をオフにするなど出来る限りの対応を試みましたが、戻ることは出来ませんでした。バックアップのPCの投入も考えましたが、固まった状態の自分を配信サービスから退出させることも出来ない状況になっていたこと、残りの時間がほぼなかったことなどを鑑みて、復帰を諦め、メッセンジャーで主催コミュニティにその旨を連絡し、配信システムに運営で入っていたメンバーに、なんとか私を画面から落とすよう動いてもらい、退室することが出来ました。
その5分後には、グランドフィナーレのプログラムが始まる状況だったので、至急、MacBook Proを再起動してみましたが、動きが非常に怪しい状態、且つ、電源が残り5%以下になっていたので(電源を繋ぎ続けていたのに)、MacBook Proを諦め、バックアップに準備していたMacbook Airを投入、バーチャル背景もオフにし、画面共有などは一緒に出演する横石さんに任せ、出来る限り負荷の掛からない状況で配信に臨み、なんとか最後まで無事にプログラムを進めることが出来ました。
次にチャレンジする際は、電源供給を延長ケーブルのタップからではなく、直接コンセントに差し込むことで安定化を試みたいと思います。
1つのプログラムの後半で進行出来なくなったことは痛恨の極みではありますが、ダブルファシリテーションの方の完璧なフォローのおかげで、大きな放送事故にはなりませんでした。また、バックアップ機を用意しておいたことで、グランドフィナーレのプログラムも、なんとか最後まで配信することが出来、終了時には安堵の気持ちに包まれました。
そして、今回、Peatixが主体となる配信はStreamYardという複数配信プラットフォームへの同時配信を可能にするツールを利用したのですが、常に、運営メンバーが裏方として(システムの中の)配信ルームで待機してくれ、視聴者とのメッセージのやり取りや、ゲストスピーカーへのコミュニケーションなどを担当してくれていたことは、安心して進行する上で大きなサポートでした。
(配信サービスStreamYardについては、また別途書きたいと思います。)
最大の成功要因
このように様々な準備を経て、日本初であろう24時間オンラインチャリティイベントは大きなトラブルもなく、たくさんの方にご参加いただき、成功のうちに終わりました。
成功に至った要因には、機材の準備などもあると思いますが、最大の成功要因は、このプロジェクトに関わった全てのプロジェクトメンバーのきめ細かい能動的な動きの賜物だと思っております。どれほど、すごいスペックのPCやネットワーク環境を用意してもそれだけでは、大きなプロジェクトを短期間(今回は2週間強)でつくり上げることは出来ません。思いを届けたい、良いイベントをつくり上げたいという思いが、最も重要だと思います。
(素晴らしい運営チーム!)
そして、参画してくださった全てのコミュニティ、イベント主催者、そして、参加者の皆さまと一緒につくり上げた24時間でした。
心より感謝しております。
下記の記事にもあるように、今後様々なイベントはオンラインで実施されていく流れが続くでしょう。この記事が少しでも新たなチャレンジをする方のヒントになればと思います。