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岡山での1週間滞在記

現在、天満屋岡山本店にて8/1まで僕の個展が開催中です。
その関係で、岡山に1週間ほど滞在しています。その中で、様々な方とご縁を頂き、岡山の様々な魅力について教えてもらいました。

若佐慎一 展―日日是描彫好日―
7月26日(水) → 8月1日(火)
最終日は午後4時閉場

神道山で朝日を見る事の有り難さ

展覧会初日の朝、岡山の神道山に黒住宗芳さんに連れて頂き、日の出を拝む儀式「日拝」に参加してきました。
朝日が出てきて、登るまでの約20分、深呼吸しながら太陽と向かい合う中で、息をしている事や、太陽やそれに照らされている世界の美しさを再認識する事で、小さなモノコトで悩んでるのがバカバカしくなったり、気持ちが落ち着いたりして、ある種の瞑想やヨガのような正にマインドフルネスを得られるんだなという発見がありました。
良き経験をさせて頂き有り難かったです。

文化都市岡山

岡山の街を車で走らせてると、病院の屋上にキラキラと光る球体が見えてきて、なんだろって思ってると、友達が「ライアン・ガンダー」の作品だと教えてくれる。
だだっ広い国道沿いに不意に現れる異質さがなんとも言えない感覚に襲われて、ライアン・ガンダーの狙い通りの状況になってる事にやられた感が凄い。
この作品が設置してある建物は、病院に美術品を飾るなどして患者の心を癒やす「ホスピタルアート」に取り組む岡山旭東病院で、地元作家から贈られた作品を中心に、絵画や彫刻など約500点を通路や病室に飾っているみたいです。

岡山には大原孫三郎さん、福武總一郎さん、石川康晴さんと言った、企業家でアートのビッグコレクターが居る地。
大原孫三郎は大原美術館の設立者、福武總一郎さんは瀬戸内国際芸術祭の総合プロデューサー、石川さんは岡山芸術交流の総合プロデューサー。
こう言った、自分の事業で財を成した人達が、芸術や文化に力を注いでくれた結果、全国でも珍しい芸術の街になり、その姿をみた後進の企業家や資産家の人達がアートや文化が盛んになるきっかけを生み出していて、とても良い循環があるなと感じました。

僕が個展を開催させてもらっている岡山の百貨店は、文化を売らなくて何を売る!といった事が目標の1つとなっているみたいで、その成果か、全国でも美術の売り上げが高い場所となっている。

そう言ったことからも、岡山の様々な場所で、文化に対しての理解がある事が感じてとれる。

イオンモールの強さ

全ての都市をフラット化している感のあるイオンモール。
どこのイオンモールに行っても同じ様な店舗が入っていて、同じ様な景色になっていることが、その地域に於ける特異点が見えて来ず、オリジナリティの育みが薄くなるのかなと思ったりもして、心配になるけど、やはり1つの場所に食事、買い物、エンタメがあり、地下道からの駅直結で、雨風や暑さや寒さが防げるといった、圧倒的便利さに人は勝てないわけで、その地域に住む人達にとって、その場所のマンネリが起きた時には次にどの様な形になるかが気になるところだけども、、、
そんなイオンモールが中四国2位の大きさを誇りながら岡山駅直結で駅横に鎮座していて、たまたまイオンモールの横のホテルに泊まっていたので、朝など、10時くらいから車がイオンの駐車場に止めるために渋滞してて、イオンの強さを実感した次第であります。
イオンの影響か、以前は中心地であった天満屋付近のアーケード街が心なしか閑散としていて、寂しさを覚えたな。。
そのことを岡山の友人に伝えると、その空き店舗などを活用した面白いお店が最近はチラホラ増えてきたとのこと。
なるほど、と。
数年後にはこうやって、天満屋付近がまた盛り上がって、イオンに流れた人が戻ってきたりして循環が起きるのかなーと考えたりしました。

今までで1番美味しかったうどんと岡山観光

1日かけて友人に岡山をご案内頂き、その道中ランチしたうどん屋さんが過去一の美味しさでした。
一文字うどんと言って、備前福岡にあって、そこはうどんに使う小麦を独自に合鴨農法で育てられているみたいです。
そして、その合鴨たちの餌にもこだわってるみたいで、米・麦・大豆・ヒエ・キビを中心とした地元産の自家配合飼料で育ててて、この合鴨を「五穀鴨」として商標登録されているみたいです。
ちょっと美味しいだけでなく、味わいが優しくてびっくりしました。
食べた瞬間にカラダの一部になって栄養と変わってるかの様な感じを受け、食べた時の身体にかかるストレスが全く無く、一生食べてられるのでは?っていう錯覚も覚えるくらいだった。

あー、幸せだったなぁ、、、
毎日食べたい。。



昼食後、一文字うどん屋さんの近くにあった名刀味噌へ行き、味噌を調達。こちらの味噌は無添加味なのだそう。味噌になる前の大豆を一粒頂いたのだけど、これもまた食べた瞬間、身体が喜んでるのを感じて、カラダに即栄養として吸収され溶けていくのを感じた。

あー、、幸せ。。
食べるの幸せ、、

って思わせてくれる体験。



腹ごしらえした後は、ハンセン病患者の療養所があった施設を見学へ。
1907年から1947年に特効薬プロミンによる治療が始まり、その後、1997年の「らい予防法」の廃止まで約90年も続けられた国の強制隔離政策が取られ、当時ハンセン病にかかった人は、極めて弱い感染力にもかかわらず差別や偏見の対象となった。人として扱われない状態が続き悲劇的な事も数々起きた。
それは規模や度合いは違えども、COVID-19でも起きた状況(私は〇〇県の人間です。と言った張り紙が必要になったなど、、)とも似てる部分があると感じ、様々な技術革新や情報伝達の進歩などがあるにも関わらず、人の変わらない部分がある事を考えさせられました。
この場所は、世界遺産に登録を目指しているみたいで、こういった負の遺産は観光地化することで多くの人がそういった事実があったことを忘れずに語り継ぐ大切さを改めて思ったのでした。

良い岡山滞在でした

学びもあって、ご飯もおいしくて、人との出会いもあって、ほんと良い1週間だったなぁ。。
これだけ濃いと東京を発った日が数年前に感じるよね。
って事で、天満屋での個展は8/1までですが、その次の展示は8月末に福岡三越で個展です。
ここから制作する作品も沢山出品する予定なので、今回の岡山滞在で得た経験を活かして臨みたいと思います。
楽しみにしててください!

この岡山滞在でお世話になった方々、本当に有難うございました!

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