DXは「やったらいい」から、「やらざるを得ない」に発想を切り替えるべき

シンガポール在住ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。シンガポールでは政府も含めてDX化に成功をしています。

例えば、ビザの更新申請なども全てウェブです。サインなどもPDFにアプリからサインをするなどでも大丈夫な場合も。必要書類もPDFにしてファイルをアップロードするだけ。支払いが必要な場合もスマホから払込ができ手数料もかかりません。行政手続きも数分でできてしまうのです。

これに対して日本の行政手続きはどうでしょう。平日の営業時間内に役所に出向いて紙で申請をして発行されるまで待つ必要があります。海外に住んでいると入手がかなり不可能に近い書類もあります。

行政だけではなく企業もそうです。請求書や契約書も郵送を必要とする企業もありますが、クラウドサイン等に切り替えをしている企業もあります。

また、会計処理に関しても法人口座やクレジットカード等を会計ソフトに紐付ければあっという間に決算処理までできてしまいます。これに対して領収書をもらい現金払いをし、記帳代行を続けている法人もまだ残ります。ソフトに切り替えることで年間数十万円のコスト削減もできるはずです。

どうして企業はDXができないのでしょうか。次の問に対して考えてみます。

〇DXに対してトップはどのような意識で臨むべきだと思いますか。DXを進めるための体制をどうすべきだと思いますか

DXはできないのではなくてそれまでの慣習を変えたくないだけではないでしょうか。切り替えることでその仕事をする必要がないスタッフも出てくるかもしれません。ですが、デジタル化に必要な人材等、新しい仕事も同時に生まれるはずです。

〇DXを進める現場ではどのような問題意識で取り組むべきでしょうか。また多くの現場では何が課題になっていると思いますか

私も会社員をしていた時はそれまでの仕事のやり方を変えられることも抵抗がありました。ですが、自分で会社を持つようになってからはDXに切り替えるメリットの方が多く、全てをデジタルに切り替えたいと思います。現場までメリットがわかる形で伝えることが必要なのではないでしょうか。

〇DXの成否を分けるポイント、それは何だと思いますか。

トップがITの理解をし、専門家を雇ったりチームを作るなどをし、現場までメリット等を共有する等が必要だと感じます。

シンガポールのケースでは国が決めて、コンパクトなので期日までに実行するなどのトップダウンが上手くいっていると感じます。

日本は世界の中でもデジタル化が遅れており、人、物、金の流れを著しく阻害していると感じます。ですが、これを変えることができればかなりのポテンシャルがあるのではないかと期待しています。

#日経COMEMO #DXに失敗する理由

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花輪陽子(FP@シンガポール、経営者、著者)
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