カンヌライオンズの受賞作から考えたこと-マーケティングと人間らしさ-
下記の記事を読んでから、隙間時間にカンヌライオンズ受賞作を眺めています。
世界で評価されるマーケティングコミュニケーションの特徴を掴みたい方は、ぜひカンヌライオンズ受賞作は見ておくことオススメです。
カンヌライオンズ2023受賞作品発表! Industry Craft部門にJR「鉄道開業150年キャンペーン」【前編】
カンヌライオンズ2023受賞作品発表! 「CLASH FROM THE PAST」「ADLaM」ら2部門同時受賞【後編】
印象に残ったアディダスの広告キャンペーン
記憶に残った受賞作を紹介できればと思います。
アディダス:「Runner 321(case study)Direct Grand Prix」
アディダスの受賞作「Runner 321(case study)Direct Grand Prix」
解説を日本語訳。
マイノリティと共創するブランドが増えている
また、類似事例として紹介されていたのが、ラグジュアリーブランドのグッチが、ダウン症の方をモデルとして採用をした動きです。
世界的にマイノリティを全面的に社会へ押し出していく動きが強まっていることがわかります。
マーケティングコミュニケーションも「今まで見過ごされていたマイノリティの人間らしさを解放する動き」が重要になってきていることがわかります。
優れたブランドは「人間らしさ」と向き合っている
「人間らしさ」というキーワードは抽象的ではありますが…
歴史を遡ると
「優れたブランドの多くは人間らしさに焦点を当てているのでは?」
と考えています。
例えば、シャネル。
高級ブランドの象徴として捉えられることが多いシャネルですが、当時の仕事を調べると、男性中心に語られる社会やファッションに問いを投げかけ、常識を壊してきたことがわかります。
金持ちマダムが身につけていた宝石を「男による、男のための女のモード」だと否定
ジャージー素材の女性服、肩紐をつけて女性が動きやすいバッグをつくる
贅沢とは華美な衣装ではなく、シンプルさと機能性を両立した衣装であると定義
など、「女性の体を自由にした動きやすい服」を発明し、女性の社会進出そのものを後押ししてきた存在なのです。
女性の人間らしさを取り戻すための、問題提起がシャネルの根底にあったと解釈をしています。
マーケティングに「人間らしさ」を持ち込みたい
自分が取り組んでいるマーケティングの仕事は、
大きな市場機会をどのように獲得できるか?
という問いと向き合うことが多くあります。
これからは、
「いま誰の人間らしさが阻害されているか?」
「人間らしさを取り戻すことにどのような仕掛けができるか?」
という問いをもって考えていきたいです。
問いを変えることで、新しく、社会に必要とされるアイデアが見出せるのではないかと思っています。
人間らしさを取り戻す、世界の動き
デザインの世界で有名なドン・ノーマンが「Humanity Centered Design」の必要性を提言しています。
下記の緒方さんのnoteにわかりやすくまとまっていて、これからのデザイン(広くはブランディング、マーケティング)に求められることのヒントが詰まっていると感じています。
Humanity Centered Marketing(人間らしさを活かすマーケティング)の可能性を探っていきたいと思います。