AIが医者になる時代が到来。中国の一分間診療所を紹介
「一分間診療所」って日本にもありますか?
北京で見かけはするんですが、今まで僕は使ったことはなくて。入るとモニターがあって問診できて、それに応じて必要ならば隣の自販機から薬が処方されます、もちろん無人。
これが、最近AI技術がどんどん良くなって、いい感じになってきてると報じられてました。
■最近医療の話が盛り上がっている
5G普及が進む中国では5Gを使ったサービスが次々報道されてるんですが、中でも医療への応用が先行していることを前にnoteに書きました。
中国でなぜ「医療xテクノロジー」の話がよく話題になるかというと、現状がはっきり言ってまだまだ問題だらけだからです。ざっくり言うと、国が広すぎるのと人が多すぎるので病院が大混雑、医者が何人いても足りず、対応も杜撰なのです。
↑SNSはこんな写真がたくさん...僕が行く小さな病院は流石にここまで混んでないですが、同僚が行く北京の一流病院は毎日こんな感じだって。。
保険の制度がしっかりしてなかったりで、診察前にデポジット払う必要があり、それがまた行列になるのです。そして人口が多すぎる、地方からわざわざ来る人とかがめちゃくちゃ多い。
でも不便なことは進化するチャンスなのです!近年は医療もオンラインスコア化されてきて、デポジットの支払いが免除されたり、予約や順番待ちがオンラインでできるので、窓口に並ぶ必要がなくなってきています。薬も機械が運んでくるし、今後日本より便利になっていくのかもしれません。
■AIが医療に積極活用される
そして医療分野における人工知能の応用は、たくさんの人々に期待されています。 ビジネスチャンスも無限にあるということで参入プレイヤーもどんどん増えています。
そして今年のWorld Internet Conferenceで、人工知能医療を中心とした「無人診療所」が取り上げられたとのこと。
この3平方メートルの「無人診療所」は自動販売機とスピード証明写真が隣り合ってる設備みたいにしょぼく見えるのですが、中の技術力を過小評価してはいけません。
AI技術を使うことで、
本人確認 → 問診 → 検査 → 症状分析 →診断 → アドバイス・処方 → 薬購入
と、病院の治療プロセスをこの箱だけで完結することができる。しかもサービスも基本的には病院と同等レベルになりつつあるとのことで医療の効率が大幅に向上すると。
たしかに、激混雑の病院に行くくらいだったら、自販機にジュース買いに行く感じで診察してもらって、薬を貰えたら最高ですよね。
■AI x 医療の未来予想
医療分野で最大のペインは質の高い医療資源(医者)不足であることは間違いなく、先進都市でも医療資源は不十分です。日本でも「医師が足りない」とか「ブラック労働環境だ」 って話はよく目にします。中国だと、場所によっては、先端医療どころか、最も基本的な診療さえ満足に受けられないというのが現状。
また、優秀な医師になるには長い学習プロセスと、たくさんの臨床経験が必要ですよね。特に中国は人口が多いので一人あたり医師数を増やすのは容易ではありません。 さらに(中国だけでなく)世界的にどの先進国も高齢化社会に突入し始めているので、医療資源と医師の需要はどんどん高まっています。
↑医療 x AIで医療と健康に関すること全部改善されるよねって図
これを解決するにはテクノロジーを使うしかない。なので人工知能 x 医療が注目されるのは当然。医師のリソース不足の問題を解決できますし、場所の医療リソース不足の問題の解決が期待できます。
「無人診療所」はそういった問題解決ソリューションにピッタリ。何億もの相談プログラムのデータ蓄積があるだけでなく、人工知能を通じて医師と対話することもできます。
この「無人クリニック」が普及すれば、医療業界の負担が軽減されるだけでなく、患者側の治療負担も大幅に減ります。
日本でもAIの医療への応用ってたくさん行われてるのでしょうか?
今やばい病気や大怪我したら日本の病院で診察を受けたいなぁと思います。事実、たくさんの中国人が日本の病院に行って治療を受けていたりします。今は逆は聞いたことが無い。
でも今後どうなっていくかはわかりません。知ってしまった今なら、ちょっとした病気なら病院に行ってハズレの医者にあたるリスク取るより、この「一分間診療所」に行くと思います。
今後スマート医療の時代に入って、翻訳技術も進んだら、世界中の医療データ知見をどれだけ持ってるかで医療プラットフォームの成長に差がつきそう。つまり人口多い中国は有利。そしてそのとき日本のテクノロジーと中国のとで圧倒的差がついてしまってたら、世界中に中国の病院ができて、日本人もみんなそこに通う時代になるのかもしれません。
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(参考資料)