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カンブリアナイト13東京

みえる、わかる、できる、かわる。カンブリアループを生み出すためのイベントも13回目を迎え、累積参加者が1,000人を超えました。今回の会場は、kintoneでおなじみのサイボウズさんにご提供いただきました。

そして、今回は、できる領域が勢ぞろいでした。

© shinjo

できる領域:コミュニティ形成による介入効果

 谷津孝啓さん(ボノ株式会社)

病院や福祉施設、訪問看護に従事する看護師と異なり、地域の中で住民とパートナーシップを形成しながら、その専門性や知識を活かして活動する医療人材。 地域で中長期的に住民と関わることで、健康的なまちづくりに貢献することを目指すコミュニティナースとセンシングデバイス連携が描く未来の可能性。

実際のコミュニティナースの方々に登壇いただき、現場の動きなどを教えていただきました。会場には、みえる、わかる領域の事業者が多く、そこから生まれる連携には、大きな可能性を感じました。テクノロジーの進歩がどこまで進んだとしても、人と人との関わりが失われることはなく、むしろそこが求められるサービス領域は根強く残ると信じています。だからこそ、テクノロジーとの連携が重要だと思うのです。

できる領域:香りによる行動変容の可能性 

黄 盟恵さん(株式会社キンセンス)

香りで目指す行動変容 香り×健康をテーマに、これからのヘルスケアに役立つ、生活習慣にアプローチする新しい概念の商材づくりを目指す。 行動変容を促す商品、喫煙という依存行為からの脱却をサポートする試み。 機能性嗜好品という概念の確立を目指し、エビデンスのある香り商材。

もう何年も言われ続けているヘルスケア領域における行動変容。これは、喫煙の行為依存に着目し、その行為を変えさせるのではなく、むしろ摂取するものを代替することによって、喫煙本数を減らして行くことを目指しています。行動を変えることが難しければ、行動を変えさせずに、使いものを変えてしまえばいい。結果的に変化を生み出せればよい。課題行動を起こさなければ手段は問わない。この辺りの考え方は、心理学におけるシステム論的アプローチに近いものを感じます。

できる領域:テレプレゼンスの可能性 

三澤加奈さん(株式会社電通)

人の存在感を提示する仮面型テレプレゼンスシステム。そのアバターとして、人の体を活用するコミュニケーションの新しい形について。遠隔ユーザが代理人に指示を出す時、どのように感じるのか? 代理人が遠隔ユーザの身体になる時、どのように感じるのか。

テクノロジーを駆使した二人羽織のような仕組みです。ですが、これが超アナログである人間の脳にとっては、心地よい錯覚を生み出すようです。

まるで憑依するかのような技術活用です。イタコの口寄せのように、自分の身体に他人の顔を載せ換えることができる。遠くの別人に、自分が取り付き、自分として行動してもらうことができる。肉体側を軸にして語ったときと、顔側を軸にして語ったときで、微妙に見えてくる世界が変わります。しかし、実現する世界は同じ。

これが、たとえば祖父母のもとに孫が会いに行くという際に使ってみたり、役所で書類を受け取る際に使ってみたりと、かなり興味深いシチュエーションでの実験が繰り返されています。

会場では、テレプレゼンスとコミュニティナースとの出会いをはじめ、様々な出会いが生まれ、カンブリア紀の多様性を生み出すきっかけのような発火がたくさん起こっていたようです。

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