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すべてのオフィスはBarになる

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

今回もテーマ企画に乗ってみたいと思います。お題はこちら。

わたしの働いている会社は、2月末から在宅勤務になりました。すでに半年以上、オフィスに行くことなく働いています。この間には年度末もありましたし、新入社員も入ってきましたし、業務自体は表面上は変わらずできているように思えます。しかし「オフィスがあったらこれはラクなのになぁ」と感じることも数多く存在することも事実です。

ひとつが、ブレインストーミングやプロジェクト開始時の議論です。まだお互いの作業分担が明確でない場合やアイデアを出していく過程においては、オンラインより対面でワイワイとやったほうがやりやすい。以前は四半期に一度「合宿」と称して半日なり一日かけた議論をしていました。長い会議の中で煮詰まることも多くありますが、休憩中の雑談やアイデアが出尽くしたあとの一踏ん張りで神ががる瞬間というのもあります。今もリモート会議で似たようなことをやってはいるのですが、どうしても「一人づつ話す」からかワイガヤにはならないことがアウトプットにも影響していると感じています。

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次に、雑談そのものです。在宅勤務をしたからこそわかったことに、ちょっとした隙間時間に交わす一言二言が、人間関係に影響するというものがあります。リモートでも雑談タイムを設けたりさまざまな工夫は凝らしているものの、煮詰まってそうだなぁという人やいつもと違う感じの人に声をかけてみたり。言葉にはならない雰囲気や空気から得る情報は、意外と大きいのだなと感じました。「あのプロジェクトうまくいったんだね、おめでとう!」みたいなことも、オフィスにいたほうが自然にできます。周りのいる人にも聞こえることで「ポジティブオーラが増幅される」効果も期待できます。

これはマネージャーにとっては大きいと感じていて、1on1などメンバーとのコミュニケーションから情報を得て、鼓舞したりコーチしたりという業務は、圧倒的にオフラインのほうがやりやすいと思います。

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では、これからのオフィスの役割はどうなっていくのでしょうか?ひとつのアイデアに「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」があります。以前も記事にしたので、覚えてる方もいらっしゃるかもしれません。

要は「人の行動」に注目して、働く場所やツールを決めていくということです。上記の記事を書いたときにはまだ在宅勤務がこれほど活用されるとは思っていなかったので、オフィス内での新しい働き方として紹介しています。この考え方自体はいまでも面白いと思っていて、家のほうが向いているアクティビティは在宅で、そうでないものはオフィスでという具合になっていくのかなと思います。

オフィスのほうが向いているのは、先にあげた2つの他にもあります。それは「息抜き」です。

長らく自宅で仕事をしていて思うのは、やっぱり飽きるし、同じ目的をもって働いている同僚と軽くいろんな話をしたいということです。社外秘のことは友人には話せないですし、少なからず会社のビジョンやミッションに共感した人が働いているわけなので、いまいまの業務だけではなくちょっと長期目線の話とかもしたいのです。以前は金曜夕方から会社のハッピーアワーもやっていました。業務が落ち着いた人から徐々に輪に加わっていくゆるい社内飲み会なのですが、普段聞けない話があったりお互いを見知る意味でも貴重な機会でした。

私の好きな漫画に『バーテンダー』(原作:城アラキ、漫画:長友健篩/集英社)というのがあるのですが、その中にこんな言葉があります。

バーテンダーという言葉の意味をご存じですか?バー=止まり木、テンダー=優しい、『優しい止まり木』という意味です。この木がバー。これだけじゃただ酒を置く板です。でもそこにバーテンダーがいるから、、、バーにテンダー=優しさが生まれる。
(句読点は筆者による改変)

まさにここでいう「バー」がオフィス。では「テンダー」がなにかというと、マネージャーなんじゃないかと思います。顔を見てその時々に必要なお酒(業務に必要なリソース)を出してくれ、愚痴を聞いてくれたり、ときには突き放して自分で考えさせる。バーテンダーのようなマネージャーがいる会社、よくないですか?

行くとホッとする。安心して次の日の仕事のやる気をチャージする。そんなオフィスがあったら、週に何回かはふらっと立ち寄ってみたいなと思います。

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タイトル画像提供:Ashtray / PIXTA(ピクスタ)

#COMEMO #NIKKEI #オフィスは必要ですか

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