「新しいことを始めるのにこれ以上の時代はない」
https://www.youtube.com/watch?v=v4z4HNdMNSw
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで今週開催されたワールド・ガバメント・サミットにUAE政府のお招きで出席し、講演させていただいた。アラブ版ダボス会議ともいうべきもので、会議の大きなテーマが人工知能で、世界のトップ人材がドバイに集結した。
ワイアド誌の創刊編集長のケビン・ケリー氏が主張したのが、題記の発言。「新しいことを始めるのにこれ以上の時代はない」。これに続き、ディープラーニングの基本技術LSTMの発明者ユルゲン・シュミットフーバー教授は、「ビッグバンから130億年を経て、いよいよ宇宙に知性が生まれる歴史的な瞬間に我々は立ち会っている」と発言し、会場を沸かせた。
この大転換の時代を大きな機会ととらえ、積極的な行動を取る人がどれだけ日本から出るかが国の将来を決めるだろう。10年後のビル・ゲイツ氏やラリー・ペイジ氏、あるいはそれを超えるレベルの新たな人が登場する可能性が高いことをこの場で読者と共有したい。特に若い人には無限の可能性がある時代であることを一人でも多くの人に感じて欲しい。
このほかにも、科学者のミチオ・カク氏、グーグル・カーで有名なセバスチアン・スラン教授、著書『スーパーインテリジェンス』で知られるオクスフォード大の哲学者ニック・ボストロム教授、最も使われているAIの教科書の著者UCバークレーのスチュアート・ラッセル教授、AI発祥の地の一つMITでAIセンタ長を勤めるラス教授が一同に集まった。
実はシュミットフーバー教授のもう一つの発言も会場を沸かせた。「人工知能は、目的の決まったこと脇目もふれず深めるが得意。私見では、これまで男性が担うことが多かった仕事だと思う。それらはAIが置き換える可能性が高い。一方、これまで私から見ると女性が得意と思われること、例えば様々なことを配慮しつつ、同時並行で即興的に行う仕事は人工知能は全く不得意。従ってAIで置き換えられることはないだろう」との発言。おもわず会場の男女、特に布で頭を覆った多くのムスリムの女性達から、大きな拍手が湧いた。