国産カカオ栽培に成功!Minimalチョコレートの次の1歩。
実はMinimalは沖縄にカカオの自社農園を運営しています。
そして、この度3年の歳月を経てMinimalは国産カカオ栽培成功しました。カカオ豆高騰が全世界に衝撃を与えている中で、どんな意味を持つのか。
この取り組みはMinimalとして、チョコレートのクオリティーを次の1歩に進める大きな一歩ですので、経緯をお伝えしたいと思います。
カカオ豆の史上類をみない高騰。チョコレートが買えなくなる危機・・・
この数か月全世界に衝撃をあたえたカカオ豆の高騰。
カカオ豆は赤道直下の国々から輸入しています。
そのカカオ豆が抱える構造的な問題が露出して、この半年でカカオ豆の先物価格がなんと、3.4倍程度に値上がりました。
もちおん史上最高額を更新しました。
詳しくは以下の記事から
そんな歴史的転換点を迎えているカカオ・チョコレート市場において、このタイミングでMinimalは沖縄の国内にある自社農園でカカオ栽培・収穫に成功しました。その内幕をお話したいと思います。
南国のフルーツカカオを日本で栽培する難しさ
実は3年前から沖縄でカカオの自社農園を運営しておりました。
そして、この度無事に国産カカオを収穫することができました。
実は、国産カカオの栽培に挑んでいる例は数例あります。
しかしながら、日本の気候条件で、路地での栽培はとても難しく、多くが断念したり、成功まで10年以上かかったり、路地ではなく、温室で環境を無理やり作って莫大な投資がかかったりと・・・本当に難しいのが現状です。
カカオの生育条件はいろいろな点で非常に限定的です。
緯度でいうと北緯南緯20度以内の赤道直下ですが、気候条件に砕くと、
・平均気温27度以上
・年間を通じて気温の上下幅が狭い
・日照時間の平均が1日5時間から7時間
・降雨量は年間2,000mm以上の高温多湿
・土壌はローム層系の粘土質40%以下の水はけの良いところ
などです。
実際に上記の条件を日本で満たすことはかなり難しく、沖縄や小笠原諸島といった限られた場所でもあくまで条件が近しいだけで、ぴったり当てはまるものではありません。
加えて、日本の一番の問題は台風です。
日本の暖かい地域はほとんどすべて台風も影響を受けます。
台風が当たると風でカカオの実が落ちてしまうリスクが高まります。
実が十分に成熟できない状態で落ちてしまうとカカオ豆がカカオポッド内で十分に育っていないため、チョコレートを作ることができないのです。
さらに、カカオ産地は基本的に途上国で、もともと自生していたり、植えられた時代がかなり前のため、文献などでなかなか栽培ノウハウが世の中に体系的にまとまっていなかったり、簡単に得られないという現状がありました。
その中で、Minimalの自社農園でも、開始2年目に受粉を成功させて、実がついたのですが、虫食いでやられてしまって収穫までいかないと悔しい思いをしました。
なぜ、農業まで行ったのか?
正直日本でカカオ豆を栽培することは、環境適応できないリスク、台風のリスク、高い人件費と採算など問題が多々あります。
その中でなぜMinimalは自社でリスクをとって日本で国産カカオ栽培をしたのかに触れたいと思います。
まず、Minimalは創業からカカオ豆の買付から、チョコレートの製造販売まで一気通貫して行っています。
より良質で、よりサステナブルで、より新しいチョコレートを世の中に届けるためにとことんこだわりながら、自らの知見や技術を高めることがとても重要です。
チョコレートのクオリティーが一番であり、ものづくりをアイデンティティとしているブランドにとって、工程ごとに知見を深めるのは必要不可欠な要素なのです。
今回のPJTは、10年以上前からカカオ産地に入って、カカオ豆を自ら買付をしているなかで、カカオという農作物のことを何も知らないということをつくづく実感し、それを知ることに興味が湧いたというある意味でモノづくりの根幹である素材(カカオ豆)への好奇心からスタートしました。
素材であるカカオ豆の品質を左右するのは、品種、テロワールに加えて、農業です。品種とテロワールの理解を含めて農業部分を深く追求して解像度を高めることは、良質なカカオ豆の獲得に対してとても重要な観点です。
もっと具体的に言うと、カカオ農家からの「より美味しいカカオ豆を作るには農業をどう改善すれば良いか?」という質問にきちんと回答できるということになります。
実際に上記の質問をされたときに、ほとんどのバイヤーが答えられないのが分業された今のチョコレート商売の世界での現実です。
でも私もMinimalも品質を追求するという点において、当たり前にその質問に答えたいと思いましたし、そこに向き合うことは、カカオ農家へのリスペクトだと思っています。
そんな背景から、困難であることは重々承知した上で、日本でカカオ栽培をするという決断に至りました。
日本で先端的に農業を行い、貯まったノウハウを、全世界の提携するカカオ農家に還元して、現地での農家と協働して良質なカカオ豆栽培を加速させていきたいという強い想いがありました。
カカオ栽培成功の先にある未来
今回のカカオ栽培の成功は決してゴールではないと思っています。
むしろここがスタート地点であるといえます。
日本という独自の環境に適応したカカオ栽培の技術が貯まったという嬉しい結果は得られたのですが、まだまだ国産カカオを量産することにむけては、クリアするべき問題点がたくさん残っています。
今回カカオ栽培が成功したことはとても嬉しいことではありますが、あくまで実験農場で小ロッドの栽培が成功したにすぎず、制約条件があったり、今回はコストを度外視して栽培成功を第一に行ったため、実際の採算をとれる栽培というラインにはまだのっていないのが現実です。
この先の未来は大きくブランドとしては2つの方向性に広げていきたいと思っています。
1.付き合っている(今後付き合っていく)全世界のカカオ農家へこのノウハウを還元して、より良質なカカオ豆の仕入れを実現する
→毎年買付をさせてもらっている農家のみんなに自分たちで実際に農業を行った経験値を還元していきたいと思います。特に栽培部分とその後の発酵乾燥の工程は、日本の安定的な環境で行うことで、何が味や香り等の品質に寄与しているのかという仮説を精緻にすることができると考えています。
2.国産カカオの量産に向けてノウハウを貯め、ステップを刻んでいく
→第1段階として小規模農園でカカオ栽培を成功させたことで、ミニマムではありますが、日本での栽培環境条件の変数を知ることができました。まずはこのノウハウをきちんと安定栽培できるものに精緻化していくこと、そして、量産するには、何をクリアしないといけないのかという問題点を明確にしていき、国産カカオ栽培を将来的に広げていける可能性を探っていきたいと思います。
上述したカカオ豆の世界的な高騰まだ数年という時間軸で続いていくことが予想される中で、自国での栽培は大きな可能性を秘めています。
農作物であるカカオの栽培経験はとても興味深く、会社としても深みや広がりを感じる経験です。この経験を生かして、世の中にまだない新しくて美味しいチョコレートをお届けするために、カカオ豆一粒から、チョコレート一枚まですべての工程をきちんと理解する、唯一無二のチョコレートブランドに成長していきます。
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