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じわり増殖?マッシュルームガールとは?=ドイツ

ドイツのアニメファンイベントでは今年、「マッシュルームガール」とでも呼ぶべき、キノコの形をした帽子をかぶった人たちを各地で見かけました。今回は、そんな「マッシュルームガール」をめぐる話題です。

ドイツに現れた「マッシュルームガール」

アニメファンイベントには、多くのコスプレイヤーが参加しますが、そのコスプレのネタは必ずしも日本のアニメやマンガとは限りません。アメコミや日本以外のゲームだったり、コスプレというよりはロリータファッションで参加するひとも見かけます。そんななか、今年ドイツ各地のイベントでみかけたのが「マッシュルームガール」でした。

今春ミュンヘン近郊のアニメファンイベントで見かけた「マッシュルームガール」(筆者撮影)

というわけで、今回はこの「マッシュルームガール」とは何なのか?調べてみました。

結論から先に言うと、よく分かりませんでした。でも、いくつか分かったことはあるので、書き出してみたいと思います。

「マッシュルームガール」はアニメ?ゲーム?

まず、アニメ関連のキャラクターだと、『僕のヒーローアカデミア』に、「小森希乃子」というキャラがまさにキノコをベースにしています。(公式サイトでデザインを確認できます)

スーパーマリオでは、キノピオというキノコキャラが存在します。ただ、どちらも、冒頭の写真とは異なるようです。

画像投稿サイトを眺めてみると、似たようなイメージを見つけることができました。

こちらの投稿では撮影地が「Dokomi」とあります。ドイツのデュッセルドルフで開催されるアニメ・マンガ・日本ファンが集まるドイツ最大にして欧州屈指のイベントのひとつです。

となると、やはり日本のコンテツと関係があるのでしょうか?

ドイツのコスプレイヤーたちに聞いてみた!

ドイツ語圏のコスプレイヤーが1万人以上参加しているオンライン・コミュニティで聞いてみました。

あるコスプレイヤーによると、ファンタジー趣味のひとたちとLARP参加者の間で、こういったキノコの帽子や衣装を着ている人が増えているそうです。後者のLARPとはライブアクション・ロールプレイですね。日本だと馴染みが薄いジャンルかもしれませんが、およそ、ファンタジー世界の住人になりきり、大人数でロールプレイを実施するイベントです。(ここでは深く立ち入りません)つまり、妖精やエルフといったイメージのファンたちの間で、キノコの美しさが「流行っている」ようです。

ある別のコスプレイヤーによると、「フェアリーコア」/「コテージコア」と呼ばれるジャンルで、キノコ衣装を着る人が増えているという指摘もありました。

「マッシュルームガール」はファッショントレンド?

ファッション関係のウェブサイトを眺めてみると、たしかに「フェアリーコア」/「コテージコア」はともに近年のトレンドのようです。「マッシュルームガール」にも通じる世界観はあるようですが、どちらかというと隣接ジャンルにとどまるのかもしれません。

アニメイベントのゆるさ、あるいは現地化

「マッシュルームガール」は、どうやら日本のコンテンツとは直接関係はなさそうです。では、なぜアニメファンイベントに「マッシュルームガール」が現れるのでしょうか?

基本的には、アニメファンが多いのは事実です。ファンが好きを表現するためにコスプレをし、それが発展した結果、いつの間にかアニメである必要はなくなり、ファッションではロリータファンも多いですが、最近はこうした「マッシュルームガール」もファンを増やしているのかもしれません。

また、ドイツにはそもそも、エルフや妖精といったファンタジー世界を好む人たちが一定数存在するのも事実です。それは近年の小説やその映画化だけでなく、民間伝承などのなかにも、「人のようで人ではない」、空想的・幻想的な存在はあるわけで、元々、受け入れられやすい文化的な土壌があったと見ることもできるかもしれません。

「マッシュルームガール」は今後、欧米の枠組みを超えて、新たなファッション・トレンドとしてファンを増やしていくのでしょうか?日本では先日、インドの刺繍が新たなトレンドかもという報道がありました。

筆者はファッション・トレンドには疎いので、正直なところ何が流行るのかはまったく分かりません。

ただ、アニメファンイベントに注目するひとりとして、「マッシュルームガール」が新たなトレンドなのであれば、取り上げていく必要はあると感じました。

皆さんはこの「マッシュルームガール」(そもそも、そう呼んでよいのかどうかも分かりませんが)、どう思われましたか?


おまけ>おそらくアメリカで開催されたと思われるマッシュルーム・ファッションの集合写真。非常に幻想的、耽美的な魅力を感じさせます。



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