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ヨーロッパはいつもここにある

英国のEU離脱や移民など、さまざまに不透明な問題が欧州の空を覆っているような感がなきにしもあらずだが、だからといって「欧州よ、どこに行く?」とあまり大げさに捉えすぎるのも違う気がする。

© anzai

数世紀前の「栄光の欧州」との差で現在の欧州を捉えれば、現在の世界における欧州の相対的な位置は政治的にも経済的にも下がっているが、それだからといって欧州という地域が消失するような危機に瀕しているわけでもない。それなりに、それぞれのプレイヤーは存在感を示している。上のグラフは、英語の書籍にMade in Italyがどれだけの頻度で記述されているかのグーグルでの検索結果だが、これをみても1985年以降、存在感はおよそ上昇している。

© anzai

これをMade in Japan と比較すると分かるのだが、Made in Japanはバブル崩壊以降あまり話題に上がっていない。ヴォ―ゲルの”ジャパン・アズ・NO2”が1979年に出版されたあたりを起点として上昇した「人気」は、10年少々で頂点に達して凋落している。自動車と家電が引っ張ったMade in Japanにかわる生活雑貨や食品が、まだ人気の挽回を生んでいない、ということなのだろうか。

人々の会話でより話題になるためのコツというのがあるはずだが、これを上手くリードしているのがMade in Italyということになる。

話題の主役になるためのコツを欧州は持ち合わせているという視点で見てみると、何か分かることが出てくると思う。

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