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「仕事はできるが嫌な人」の賞味期限

FT翻訳記事のタイトルそのままを、本記事のタイトルに拝借しました。どこが惹かれたかといえば「賞味期限」という言葉です。「仕事はできるが嫌な人」はもう頻繁に話題になりますよね。でも、そういう人の賞味期限に踏み込んだのはエライと思いました。

ご丁寧にも「嫌な人」をちゃんと定義づけてくれています。

ここでいう嫌な人とは、オンライン会議などで知ったかぶりして周囲をいらつかせるものの、あくまで正しいことをしようとする人物ではない。思いやりや礼儀を欠く心の狭い人間のことだ。自分の出世の妨げになると思えば同僚の成果にけちをつける。部下への接し方は尊大で、自分勝手に物事を進めた挙げ句、うまくいかないと不満を言い募る――。こんな人たちを指す。

心の狭い人のことを「嫌な人」と言っているのです。すごくマニアックなことをやっている面白い人でも、その人が心の狭いとなると・・・そういう人を好きな人がいるのだろうか?とも思います。

彼らは周囲への影響をほとんど省みずに昇進してきたのだろう。自分のことを一匹オオカミ、あるいは米起業家イーロン・マスク氏のようなタイプだと思っている人たちもいる。

つまり職場の雰囲気を悪くする言動でも、周りが受け入れるべきだと考える人間だ。ところが一定の地位まで昇進すると、人間関係づくりが下手なことに加え、反対意見や批判に耳を貸さないという評判が仇(あだ)になる。

ちょっと笑っちゃうけど、いますねえ、こういう人。「イーロン・マスク氏のようなタイプだと思っている人たち」といじわるに書いています。「・・・のようなタイプだと思っている」と勘違いだと指摘しているわけですね。

誰でも、「ああ、あいつのことだ!」って思い出す人、一人や二人はいるのじゃないでしょうか。ぼくも、こういう人に振り回されたり、悔しい思いをさせられたことがあるので、どんどん、こういう記事書いてくれ!と、Anjli Ravalさんに言いたいくらいです。だって、こういう人は、早晩、挫折すると予言してくれているのですから。

これ、有料記事だから、なるべく、引用を増やしておきます。

リーダーシップに詳しい米ハーバード・ビジネス・スクールのリンダ・ヒル教授は「彼らは周りに自分のことを話さないから理解されていないし、ほかの人を味方にもつけてこなかった。それに気づいていない」と指摘する。

一人でうまくやれる人は野心の強さも相まって「分別がなくなる」とヒル氏はみる。自分の行動に疑問を持たないため、なかなか共感力を育めず、自身を客観的に把握できないという。

そうだ!そうだ!って勢いづきます。「あいつの、あの点だ!」と具体的なシーンを想起しながら、自分の内にある批判の気持ちが強くなっていくのを感じます。でも、あれっ、自分はどうなんだ?って、自省の念がちょっこりと顔を出してこないでもない。

ある時点に達すると、同僚との関係が大きな意味を持つようになる。スイスのビジネススクールIMDのジャンフランソワ・マンゾーニ学長は、経営委員会に加わるときに対人関係をめぐる緊張が最も高まると考える。

それまでは人のことは構わずやってこれたのに、経営委員会ではやはり出世の階段を上ってきた人たちと肩を並べて任務に当たらなければならない。

要は組織の要に近づいてくると、嫌な人もだんだんと足元が危うくなっていくというわけです。他人に好きになってもらうためには、ある意味、面倒なことをいろいろ丁寧にやらないといけないのです。

ただ、心が狭くても、専門領域の力量がより問われるところでは、出世できないこともない。でも、一般的には、それじゃあやっていけないよ、と極めて当たり前のことを書いています。良かったですねぇ、みなさん 笑。

もちろん、部下や同僚に嫌われながらトップまで上り詰めた人もいる。銀行家や法曹、金融市場のトレーダーなどは冷徹さや自分本位の考え方が評価されることが多い。ただ大半の業界では、鼻持ちならない人間はどこかで出世が頭打ちになると専門家はいう。

それにしても、この記事、誰にむけて書いているのだろう。読者の多くは心が広く、数少ない狭い心の人にストレスフルな生活を強いられているので、心が広い人にエールを送っているのでしょうかね。

上場企業の間でも、共感力の高いリーダーを起用する利点について認識が広がっている。こういう人物の方が自身はもちろん、組織にとってもより大きな価値を生み出しやすい。

もし仕事のできる嫌な人のおかげで悲惨な思いをしていても、心配しないでほしい。彼らはきっと相応の報いを受けるはずだ

ああ、やっぱり。嫌なやつらは「きっと相応の報いを受けるはず」ということで、それが「賞味期限後」なんですね。嫌なやつがのうのうと生きている、のさばれるほどに世の中は甘くない!と言っているわけです。

この記事を書いているAnjli Ravalさんご自身、「おい、そこの嫌なやつ、賞味期限を意識しろ!」と、けっこう、辛い思いをされているのだろうなあと想像すると、ご愁傷様と申し上げたくもなります。

冒頭の写真©Ken Anzai


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