独身男はアイドルに本気で恋しているのか?
アイドルオタクというとどういう印象をお持ちでしょうか?
いい歳して結婚もせず、アイドルなどを追っかけている独身男なんて「ロクでもない」とお思いでしょうか?
実際、20-30代女性に対してそういう調査をしたところ、ほぼ8割以上がそうしたネガな反応でした。特に「叶うはずのない相手に恋心抱いたところで意味がわからない」という辛辣な意見もありました。
しかし、もともと「恋」とは「叶わぬ思い」のことを指すものであって、獲得できるもの、手に入れられるものは、「恋」の対象ではないということをご存じでしょうか?
万葉集においては、恋は「孤悲」という当て字が使われています。つまり、「孤(ひと)り悲しむ」という状態が「恋」であり、手に入らないことがわかっていながらも思わずにはいられない気持ちこそが「恋」なのです。
そう考えれば、アイドルオタクたちが、推しメンを一生懸命応援する姿こそ、「本気で孤悲している」と言えるのではないでしょうか。
そもそも「アイドルやタレントなどの芸能人」に本気で恋をすること自体に何の問題があるのでしょうか?それは異常なことでしょうか?
私が主宰するラボで調査をしたところ、「アイドルやタレントに本気で恋したことがある」率というのは、男女とも10%程度でした。決して多いとは言えません。
ですが、未婚と既婚及び年代別に見ると、興味深い結果が出ています。以下のグラフを参照ください。
男性で見ると、ほぼ未婚も既婚も変わらないことがわかります。独身男性だけがアイドルやタレントにハマっているわけではないのです。
そして、女性の方を見ると、20代未婚女性の方が、男性よりも「アイドルにハマっている」ことがわかります。40代を過ぎると、今度は既婚女性の方がハマります。これは韓流系でしょうか。
つまり、アイドルなどに本気で恋しているのは、何も独身男性に限ったことではなく、むしろ20代未婚女性や40代以降の既婚女性の方がハマっていると言えるようです。
ちなみに、アイドルオタクは江戸時代から存在していました。
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。