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シンガポールにおける女性活躍 CEOの割合は2023年に減少

SwissCham Singaporeとスイス系ファミリーオフィス共催の「職場における女性のエンパワーメント」をテーマにしたイベントが開催され、シンガポールで働く女性エクゼクティブ等のパネルディスカッションがありました。

シンガポールは女性活躍が進んでいるように感じるかもしれません。しかし、数字を見ると欧米には及びません。2023年にはシンガポールの大企業及び中堅企業を最高経営責任者として率いる女性の割合は1.1%減少し、12.5%となりました。これは0.9%の改善が見られたAPACの傾向に反します。ニュージーランドとオーストラリアではそれぞれ9.6%増加して42.9%、7.5%増加して16.9%となりました。

日本に関しては、女性が社長(代表)を務める企業は8.3%です(帝国データバンクが、全国約119万の事業会社の経営者を分析)。さらに、東京証券取引所の最上位プライム市場に上場する企業1643社のうち女性社長は13人、全体の0.8%にとどまります。

業界ごとにも男女比の差は見られます。スイス系マルチファミリーオフィスのTrilake Partner代表ルーシー・ヒュームは次のように語ります。

「特に金融業界は男性が支配する業界です。シンガポールのウェルスマネージャー協会を例に取ると、私が14年前に参画した時に女性の代表は2人だけでした。現在は40人のうち7人の女性がいます。しかし、まだ平等には程遠いです。」

なぜ、女性が上級管理職に就くのが難しいのでしょうか。パネルディスカッションの中では、日本でも言われている問題を話す方が多かったです。管理職への選抜時期よりも、結婚・出産・育児というライフイベントが先に来てしまうという問題です。更にグローバル企業で働いていると、カップルがそれぞれの仕事で海外転勤も多いです。どちらかが仕事を休んで帯同し、キャリアを断絶するという機会が何度も出てきてしまいます。当然このようなイベントがなく、同じ仕事をずっと継続できている人と比べると差が大きく出てしまうのです。

ただし、こうした一旦お休みをして見えてくる世界、海外で働くことによって広がる機会や経験も大きいです。いったん離れることによって得られる成長を活かすことができれば、企業に新たなダイバーシティーをもたらすことも可能になるのかと思います。消費者側が多様な視点を持っている方々だからです。

SwissCham Singaporeのイベントには初めて参加し、シンガポールで管理職として働く欧米の女性達が多く集まり、大変刺激になりました。

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