コロナ時代のグローバルな情報収集・発信に役立つ機械翻訳ツール:DeepL(ディープ・エル)
過去2ヶ月間の間に新型コロナウィルスの影響で沢山のことに変化が訪れました。このパンデミックがいつ収束するのか、海外でどのような取り組みが効果があり、テレワークの仕方、平常心を保つ方法など含め、世界中の試行錯誤から学習することが求められているように思います。海外発の情報、ニュースを参照する機会も増えているのではないでしょうか?
そんな中、ドイツ生まれの機械翻訳サービス「DeepL(ディープ・エル)」が3月下旬に日本語対応が可能になり、話題になっています。私は遅ればせながら今日初めてその存在を知ったのですが、その翻訳精度や使い勝手が非常に優れていることもあり、今後毎日利用する定番ツールになりそうです。
NewsPicks による以下の記事ではDeepLのCEO、ヤロスラフ・クティロウスキー氏とのインタビューを掲載、「おおきに→Thank you very much」「google it→ググれ」などのニュアンスや方言も正確に翻訳されるなど、翻訳精度の秀逸さなどについて詳しく紹介されています。
自分なりに今まで自分が使用していた「Google翻訳」「みらい翻訳」と比較して便利、と思えた点を、その驚きの翻訳精度以外の部分について4点、ご紹介したいと思います。
①ニュースを読んでいて訳したい単語やパラグラフなどがある際、そのテキストを選択し、マック版なら「⌘C」、ウィンドウズ版なら「[Ctrl]+[C]」を2回クリックすることで、ポップアップ画面が現れて翻訳された文章を見ることが出来ます(専用デスクトップソフトウェアの事前ダウンロードが必要)。
②全画面をざっくり翻訳して概要を知りたいだけならばGoogle翻訳のブラウザの拡張機能を利用することでページ全体を俯瞰的に眺める分には十分かもしれませんが、DeepLであればポップアップの翻訳で5,000文字まで一気に翻訳できます。翻訳精度の高い文章で内容を確認できる点が魅力的です。
③文書翻訳をする際、比較的精度が高いことで知られている「みらい翻訳」を使うとブラウザ内にコピーペースをするのに手間がかかってましたが(最大2,000文字以内)、DeepLは5,000文字まで可能ということで生産性も向上しそうです。
④日本ではまだ未対応ですが、まもなくリリース予定と言われている有料版の「DeepL Pro」(年間契約の場合71.88ユーロ(約8,400円))を利用すれば、機密性が向上し、1回の翻訳文字数制限がなくなります。
改めて驚くのは昨年の9月の末の時点で以下記事を投稿してとても興奮していたのが、たった7ヶ月で他社サービスにより大きな進化がもたらされていることです。こうしたテクノロジー、ツールの動向は定期的にアップデイトする必要があると痛感します。
このような翻訳サービスの登場により従来のプロとして翻訳の仕事をされてきた方の間でも新しい種類の仕事が生まれるかも知れません。
「ポストエディター」。AIで飛躍的に性能が向上した機械翻訳だが、文脈を理解できずにおかしな訳文も吐き出す。それを修正する新しい仕事だ。上野さんは最近、ポストエディターとしての仕事の依頼が増えた。
進化するAIを利用する新技術の登場で働き方がますます進化していきそうです。外国人の顧客を持つ飲食店オーナー、外国人住民をサポートする地方自治体の担当者、或いは新種のワクチンを開発中の研究者の方なども今後多言語で情報発信・コミュニケーションする機会が増えると思います。また、日々の情報収集をする際、こうしたツールがあることで効率的に海外のニュースを読み解く作業が格段に便利になりそうです。コロナ時代の中にあってもこうした一つひとつの新しい発見が積み重なることで、よい解決策がうまれることを願ってます。
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