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社内公募制度の成功はWill-Can-Mustの運用がセンターピン

こんにちは、リデザインワーク代表&ベーシックCOOの林です!

社内公募制度が盛り上がりを見せていますね。わかりやすく、多くの会社が検討している制度・仕組だからこそ、人事としても検討しやすいテーマだと思います。一方で、この制度だけを導入してもあまり価値を発揮しきれないのではないかと感じています。

社内公募制度を、Will-Can-Mustの運用とセットにすることで価値が大きくなると思っている話を書かせていただきます。

社内公募制度のメリットは複数ありますが、代表的には、以下の3つではないでしょうか。

・本人のやりたい仕事(Will)を検討/実現できる
 →やりたい仕事を自律的に考える機会提供、離職率の低下など
・本人のやれること(Can)を増やす/広げる
 →人材育成や、成長支援など
・多様な人材で業務推進するため、業務のクリエイティビティ
 が向上できる(Must)

 →新規事業の創出や、タコつぼ化しそうな業務の再検討など

本人が、自分のキャリアは、会社からの人事異動によって形成されていくと受け身で考えていた状態から、社内の他部署で今の業務よりもやりたいことを考え、場合によっては異動できる制度により、自らのキャリアを自律的に検討できるようになるのは大きなポイントだと思います。

WillとCanのマッチングの重要性

その際に、重要になってくるのは、自分の強みやスキルの棚卸しや言語化です。自分は何をやってきて、何が得意で、何が不足しているのか?自分のCANと自分がやりたいこと(Will)を接続することが、この社内公募や社内副業を本当に価値あるものにできるポイントです。

リクルートで経営企画を担っていた時代に、何人もの人が、コーポレートで全社戦略を考えたい、グローバルで働きたいという強いWillをもってお話してくださった方がいました。

その際に、僕が伺ったポイントはCANについてです。
「あなたが全社戦略を担う際、どのような強みやスキルを活用して、今よりも筋の良い戦略や、実行性の高い戦略を描くことに貢献できますか」
「あなたを海外子会社に派遣した際に、どのような強みでその子会社の成長を加速できますか」などです。

Willがあっても、CANのマッチングがうまくいかないと、WIN-WINになることが難しいです。受け入れ組織としては、本人の強みに期待し、部署の役割成果をドライブできそうかどうかが重要ですし、組織としても、本人としても、強みを伸ばせる機会となるのか、また、課題を克服してもらう機会となるのかを確認することが重要です。

そのため、公募段階あるいは面談段階で、何の強みやスキルを重視するかを明確にしておく必要があります。

そのことによって、そのタイミングではCanマッチができなくても、本人が自律的に強みを磨いていくことで、将来想いのあるキャリア(Will)に繋げていける非常に良いきっかけとすることができます。

MustでCanを獲得する

自分の強みやスキルを磨いていく際に、現在の具体的な業務において、具体的などんな挑戦(Must)をするのかを考え、繋げることも大切です。

例えば、将来事業戦略を考えていきたい営業担当であれば、まずは、自分の預かっている顧客群における戦略の精度を高める挑戦をすることで、構造化する力や、戦略設計する力を高めることもできます。既存の顧客群をセグメンテーションして、どの層を優先的に取り組むのか、ターゲットとする顧客取引シェアをどこまで高めるのか、その際のKPIは何か?などです。

従来そのような役割は営業担当の自分には求められていなくても、将来担いたい役割(Will)を踏まえて、磨くべきCanを考え、今の業務で自分なりに工夫をしたMustの挑戦をすることができれば理想的です。

Canの獲得がWillを作る

また、そんなに将来やりたいことや強いキャリアイメージをもっていない方も多いと思います。リクルートのような会社でも、将来どうなりたいのか?を強烈に持っている方がいる一方で、日々の業務に思いっきり取り組んでいるが、明確な将来やりたいことがない。という人も結構多いです。

そんな時に、先輩マネジメントの人に教えてもらったことがあります。
「明確に将来やりたいことがない人に、将来どうなりたいのか?
?社内で他にやりたいことはないか?などをストレートに聞いても、意味がない。そんな時は、本人の強みを磨いてもらうことに集中することが重要。強みを周りが認めていく中で、あ、自分は〇〇の業務に向いている、〇〇な業務をもっと極めたいとWillが出てくる」


ということです。そのため、キャリア社内公募の際に、どんな人が欲しいか、どんな強みやスキルをもった人が活躍しているかというCanが明示されていることで、やりたいこと(Will)はなかったが、フィットするCanを持っている人が、Canを軸にした手挙げができる可能性も広がります。

自分は、何か他の部署でこれがやりたいという強い思いはなかったが、社内公募の求められる強みやスキルを考えると、自分は役に立てるのではないかというCanのマッチングを中心とした社内公募の推進もできると思います。

参考までに、強みやスキルを整理するために、ベーシックでも活用している強みやスキルを整理した構造を張っておきます。

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強みやスキルは、マインドを前提としながら、どの職種やどの職場でも必ず求められる共通ビジネスレイヤーのスキルと、営業やマーケティング、人事などの職種専門性レイヤーのスキルに分かれますので、それぞれでどこが強みで何を鍛えないといけないのかを普段から意識できるとよいと思います。

個人が自律的にキャリアを考える上で、社内公募は一つの手段として有効だと考えています。その際には、WillとCanを繋げること、CanとMustを繋げること、Canの獲得がWillを作ることが非常に重要だと思っています。

自律的にキャリアを形成できる社会に向けて加速していくと良いですね!

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#日経COMEMO #キャリアの社内公募

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林 宏昌(リデザインワーク・スキルキャンバス代表)
経営戦略、人事戦略、働き方について、自身の経験を通じて得た気づきや学びを書いていきます。フォローしてもらえると喜びます! リクルートにて営業→経営企画室長→広報ブランド推進室長→働き方変革推進室長→リデザインワークを創業+ベーシック取締役COO+情報イノベーション大学客員教授