婚前契約とは、「2人だけの結婚」で結ばれること。
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婚前契約とは、「2人だけの結婚」で結ばれること。

小島 雄一郎

「そろそろ結婚しようかなぁ」

そうつぶやく友人に必ず勧めていることがある。
それが「婚前契約」だ。

婚前契約とは、結婚前の2人が結婚後の生活や、離婚の条件などを事前に決めておく契約のこと

欧米では浸透しているこの習慣だが、日本で婚前契約を結ぶカップルはまだ5%に満たないと言われている。

結婚も離婚も経験した僕は、この婚前契約こそ

・結婚を増やして
・離婚を減らす

その突破口になると考えているので、その理由を例によってパワポで解説してみる。

今日はそんな話。

■「みんなのルール」と「2人のルール」

まず「婚前契約がなかった場合」について考えてみよう。

契約は、あらゆる自体に備えて作成するものなのでトラブった時に登場する。

結婚後のトラブルといえば「お金・不倫・子供(親族)」の3つだが、婚前契約がない場合、民法と過去の判例に従う必要がある

一方、婚前契約がある場合は違う。

当事者同士で契約した婚前契約は、民法よりも強い。と言うか、婚前契約自体が、民法上で認められた権利だ。

婚前契約で揉め事に関するルールの記載があれば、そのルールに従うよう民法が定めている。(記載がなければ民法に従う)

つまり、婚前契約があれば、民法や判例といった

「みんなこうしてるんだから」とか
「過去はこうだったんだから」といった

「みんなのルール」を押し付けられる前に「2人のルール」で物事を進めることができる。

喧嘩や揉め事が起こった時の原則は「まずは当事者同士で」だ。

他人を巻き込む前に自分たちで解決する、そういった意味でも婚前契約は非常に有効な手段と言える。

■「好きじゃなくなった」は、離婚の理由にできない

結婚式で永遠の愛を誓っているカップルはこれまで多く見てきたが、民法に従うことを誓っているカップルは見たことがない。

しかし事実上、婚前契約をせずに結婚をすることは、民法と過去の判例に従うことを誓っているようなものだ。

事実、婚前契約は入籍手続きを結ぶ前でないと締結できない

民法754条に「夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる」とあり、夫婦になってからの契約はいつでも取り消しができてしまうためだ。

では、婚前契約をしないカップルが(事実上)誓っている民法では、結婚や離婚をどう捉えているのだろうか。

大原則として、民法では基本的に離婚を認めていない

例えば、一方がパートナーへの好意を失ったとする。
いわゆる「好きじゃなくなった」という事象だ。

恋愛関係ではこの「好きじゃなくなった」は別れる理由として一般的だが、民法は別れる理由として認めていない

民法が制定されたのは1896年。当時の結婚はお見合い結婚が一般的で、恋愛結婚はごくわずかだった。

出典:厚生労働省(恋愛結婚と見合い結婚の割合)

現代は恋愛結婚がほとんどだが、恋愛中の「一般的なルール」が、結婚後には一般的ではなくなる。

このルール変更を見落としている人は意外と多い気がする。

しかし婚前契約で「どちらか一方が相手に恋愛感情を持たなくなった場合は離婚自由となる」と記しておけば、恋愛中の一般的なルールを、結婚後の2人の関係にも適応することができる。

「子供がいたら、そうはいかないでしょ!」

なんて反論が聞こえてきそうだが、そう考えるなら契約に(但し子供がいない場合に限る)と追記しておけばいい。

婚前契約とはこのように、それぞれの価値観に合わせてカスタマイズできる結婚形式なのだ。

■婚前契約のデメリットは、すべてメリット

どうだろう。少しは婚前契約に興味を持ってもらえただろうか?

僕自身は婚前契約にはメリットしかないと捉えているが、ネットの記事にはそのメリットとデメリットを解説したものが散見される。

しかしその中の1つを読んで驚いた。

婚前契約のデメリットをこう解説していたのだ。

デメリット1:結婚前から離婚を意識する可能性がある

出典:弁護士保険 (今流行りの「婚前契約」! 5つのメリットとデメリットを解説)

3組に1組が離婚するなんて言われる時代に「自分たちだけは大丈夫」なんて、その可能性を排除することこそ、リスクではないだろうか。

むしろ、その可能性もしっかり話し合った上で結婚するカップルの方が離婚の可能性は低くなる気がする。

いわゆる「いい雰囲気に水を差すなよ」的なことだろうが、大事なことだから勢いで決めずに、水を差す必要があるのだ。

デメリット2:結婚前に相手の本性がわかる

出典:弁護士保険 (今流行りの「婚前契約」! 5つのメリットとデメリットを解説)

これのどこがデメリットだろうか。

例えば結婚後に「実は多額の借金があった」なんてケースでトラブルになることは山ほどある。

結婚前だからこそ、相手の価値観をすり合わせておく必要がある。

■婚前契約とは「2人だけの結婚」をつくること

先ほどの取り上げた記事のデメリット(?)にもあるように、婚前契約はまだ日本で

・相手を信用していないみたい
・なんだか冷たく感じる

という印象を持たれているようだ。

そもそも日本人は

・口約束
・よしなに〜
・なぁなぁの関係

が好きで、「契約=冷たい」という印象を持つ傾向がある。

しかし本当は逆で、熱い気持ちがある時ほど婚前契約が必要なのだ。

2人のことだから、2人で考える。

平均値の結婚や、一般論の結婚ではなく「2人だけの結婚の在り方」を2人だけでつくっていく。(手間はかかるが)

そんな婚前契約が、もっと広まればいいと思う。

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小島 雄一郎

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小島 雄一郎
モヤモヤしたらパワーポイント。本業は若者研究。著書は「広告のやりかたで就活をやってみた」。プライベートでは人間関係に名前をつけないリレーションシップアナーキーやポリアモリーを。日経COMEMOのオピニオンリーダーをやっていますが、クビになる可能性もあります。自宅の1階は酒屋です。